ZFS や UFS ファイルシステムは階層構造になっており、ルートディレクトリ (/) から始まり、下位に多数のディレクトリが形成されています。Solaris のインストールプロセスは、デフォルトのディレクトリセットをインストールし、一連の規則を適用して類似するタイプのファイルをグループ化します。
Solaris のファイルシステムおよびディレクトリの内容については、filesystem(5) のマニュアルページを参照してください。
次の表で、デフォルトの Solaris ファイルシステムの概要について説明します。
表 16–2 デフォルトの Solaris ファイルシステム
ファイルシステムまたはディレクトリ |
ファイルシステムのタイプ |
説明 |
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UFS または ZFS |
階層ファイルツリーの最上位。ルート (/) ディレクトリには、カーネル、デバイスドライバ、システムのブートに使用されるプログラムなど、システム処理に欠かせないディレクトリとファイルが入っています。また、ローカルとリモートのファイルシステムをファイルツリーに接続できるマウントポイントディレクトリも入っています。 |
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UFS または ZFS |
ほかのユーザーと共有できるシステムファイルとディレクトリ。特定のタイプのシステム上でのみ実行できるファイルは、/usr ファイルシステムまたはディレクトリに入っています (SPARC 実行可能ファイルなど)。どのタイプのシステム上でも使用できるファイル (マニュアルページなど) は、/usr/share ディレクトリに配置できます。 |
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NFS、UFS、または ZFS |
ユーザーのホームディレクトリのマウントポイント。ホームディレクトリには、そのユーザーの作業ファイルが格納されます。デフォルトでは、/home ディレクトリは自動マウントされるファイルシステムです。スタンドアロンシステムでは、/home ディレクトリが UFS ファイルシステムまたは ZFS ファイルシステムである場合があります。 |
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UFS または ZFS |
ローカルシステムの使用中に変化または拡大する可能性のあるシステムファイルとディレクトリ。これには、システムログ (vi や ex のバックアップファイルなど) が含まれます。 |
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NFS、UFS、または ZFS |
オプションの他社製のソフトウェア製品のマウントポイント。一部のシステムでは、/opt ディレクトリが UFS ファイルシステムまたは ZFS ファイルシステムである場合があります。 |
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TMPFS |
システムがブートされるか、/tmp ファイルシステムがマウント解除されるたびに削除される一時ファイル。 |
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PROCFS |
アクティブなプロセスのプロセス番号別リスト。 |
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/etc/mnttab |
MNTFS | |
/var/run |
TMPFS |
システムのブート後は不要になる一時ファイルを格納するメモリーベースのファイルシステム。 |
/system/contract |
CTFS |
契約情報を保持する仮想ファイルシステム。 |
/system/object |
OBJFS |
カーネルに直接アクセスすることなくカーネルシンボルの情報にアクセスする際にデバッガによって使用される仮想ファイルシステム。 |
システムを動作させるには、ルート (/) と /usr のファイルシステムが必要です。mount など、/usr ファイルシステム内のもっとも基本的なコマンドの一部は、ルート (/) ファイルシステムにも含まれています。したがって、これらのコマンドは、システムのブート時やシングルユーザーモードでの使用時のほか、/usr がマウントされていない場合でも使用可能です。ルート (/) および /usr ファイルシステムのデフォルトディレクトリについては、第 22 章UFS ファイルシステム (参照情報)を参照してください。