Solaris WBEM 開発ガイド

承認検査に失敗した場合

クライアントが、WBEM サーバーへの要求に関連付けられたデータのアクセスまたは変更を許可されていない場合、WBEM サーバーは CIM セキュリティ例外を返します。この例外には、ACCESS_DENIED エラーが含まれます。

ACCESS_DENIED エラーは、ユーザーまたは役割が、要求によって管理されているデータへのアクセスを許可されていないため、その要求を完了できなかったことを示します。

WBEM ログのセキュリティメッセージで、失敗した要求を確認してください。ログデータの表示方法については、「ログビューアを使ってログデータを調べる」を参照してください。 承認障害メッセージは、WBEM ログでは「概要 (Summary)」列に「アクセスを拒否しました (Access denied)」と示されています。「ユーザー (User)」列には、検査に使用された認証されたユーザーまたは役割の名前が表示されます。「ソース (Source)」列には、検査を実行しているプロバイダの名前が表示されます。この列のプロバイダ名は、プロバイダ実装クラスの名前ではなく、ユーザーにわかりやすいプロバイダ名です。

詳細なメッセージの中に、検査されているアクセス権の名前や、ユーザーまたは役割に許可されていなかったアクセス権の名前が含まれています。

アクセス権が namespace:right という形式で表示されている場合、承認検査は名前空間 ACL を使用したことを示します。認証されたユーザーは、その名前空間に対してそのアクセス権 (読み取りまたは書き込み) を許可されていません。

Sun WBEM ユーザーマネージャ (wbemadmin) を使用して、ユーザーに適切なアクセス権を許可してください。Sun WBEM ユーザーマネージャについては、「Sun WBEM ユーザーマネージャを使ってアクセス制御を設定する」を参照してください。

アクセス権が solaris.application.right という形式で表示されている場合、承認検査 は RBAC 承認を使用したことを示します。

Solaris 管理コンソールユーザーツールコレクションに含まれている管理役割ツールを使って、ユーザーまたは役割に必要なアクセス権を許可してください。この手順については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「役割のプロパティを変更する方法」を参照してください。