Solaris モジューラデバッガ

仮想メモリー

この節では、カーネル仮想メモリーサブシステムのデバッギングサポートについて説明します。

dcmds

address ::addr2smap [offset]

カーネルの segmap アドレス空間セグメント内の指定されたアドレスに対応する smap 構造体アドレスを出力します。

as ::as2proc

as_t アドレス as に対応するプロセスの proc_t アドレスを表示します。

[ address ] ::memlist [-aiv]

指定された memlist 構造体または既知の memlist 構造体の 1 つを表示します。memlist アドレスとオプションを指定しないか、あるいは、-i オプションを指定すると、物理的にインストールされているメモリーを表す memlist が表示されます。-a オプションを指定すると、利用できる物理メモリーを表す memlist が表示されます。-v オプションを指定すると、利用できる仮想メモリーを表す memlist が表示されます。

::memstat

システム全体のメモリー使用状況の要約を表示します。システムメモリーの合計とともに、さまざまなクラスのページ (カーネル、匿名メモリー、実行可能ファイルとライブラリ、ページキャッシュ、および空きリスト) が消費しているシステムメモリーの量とパーセンテージが表示されます。

[ address ] ::page

指定された page_t のプロパティーを表示します。page_t アドレスを指定しないと、dcmd はすべてのシステムページのプロパティーを表示します。

seg ::seg

指定されたアドレス空間セグメント (seg_t アドレス) をフォーマットし、表示します。

[ address ] ::swapinfo

アクティブな swapinfo 構造体すべて、あるいは指定された swapinfo 構造体についての情報を表示します。各構造体の v ノード、ファイル名、および統計が表示されます。

vnode ::vnode2smap [offset]

指定された vnode_t アドレスおよびオフセットに対応する smap 構造体アドレスを出力します。

walker

anon

指定された anon_map 構造体のアドレスを開始点として使用して、関連する anon 構造体のセットに対して反復適用します。anon マップ実装は、<vm/anon.h> で定義されます。

memlist

指定された memlist 構造体のスパンに対して反復適用します。この walker を ::memlist dcmd と組み合わせて使用すると、各スパンを表示できます。

page

すべてのシステムの page 構造体に対して反復適用します。明示的なアドレスを walk に指定すると、v ノードのアドレスとして解釈され、walker は v ノードに関連するページだけに対して反復適用します。

seg

指定された as_t 構造体のアドレスを開始点として使用して、指定されたアドレス空間に関連するアドレス空間セグメント (seg 構造体) のセットに対して反復適用します。seg 構造体は、<vm/seg.h> で定義されます。

swapinfo

アクティブな swapinfo 構造体のリストに対して反復適用します。この walker は ::swapinfo dcmd と組み合わせて使用できます。