名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用例 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 警告
/usr/sbin/metahs [-s setname] -a all component
/usr/sbin/metahs [-s setname] -a hot_spare_pool [component]
/usr/sbin/metahs [-s setname] -d hot_spare_pool [component]
/usr/sbin/metahs [-s setname] -d all component
/usr/sbin/metahs [-s setname] -e component
/usr/sbin/metahs [-s setname] -r hot_spare_pool component-old
/usr/sbin/metahs [-s setname] -r all component-old component-new
/usr/sbin/metahs [-s setname] -i [hot_spare_pool]...
metahs コマンドは、既存のホットスペアとホットスペア集合を管理します。このコマンドを使用して、ホットスペア集合の中にコンポーネント (スライス) を追加したり、削除、交換、もしくは使用可能状態にします。metainit コマンドと同様に、metahs コマンドも初期ホットスペア集合を生成することができます。しかし、metahs コマンドは、メタデバイスのコンポーネントの交換は行いません。コンポーネントの交換は、metareplace コマンドによって行います。
ホットスペアは、常に (使用可能、使用中、障害) のいずれかの状態になっています。「使用可能」のホットスペアは実行中であり、データを受け付けることができますが、現在書き込みや読み取りは行われていません。「使用中」のホットスペアは、現在書き込みや読み取りが行われています。「障害」のホットスペアは、停止しており、修理を行う必要があります。ホットスペアの状態を表示するには、metahs に -i オプションを指定して実行します。
Solaris 10 を 64 ビットカーネルで実行している場合、Solaris ボリュームマネージャは 1T バイトを超えるストレージデバイスと論理ボリューム (「大容量ボリューム」と呼ぶ) をサポートします (ホットスペアを含む)。
大容量ボリュームまたはホットスペアを持つシステムを 32 ビットの Solaris 10 カーネルでリブートした場合、この大型ボリュームは metastat 出力には表示されますが、アクセス、変更、または削除することはできません。新しい大容量ボリュームも作成できません。この状況では、大容量ボリューム上にあるボリュームまたはファイルシステムも同様に利用できません。大容量ボリュームを持つシステムを Solaris 10 より前のバージョンの Solaris でリブートした場合、Solaris ボリュームマネージャは起動しません。Solaris 10 より前のバージョンの Solaris オペレーティング環境下で Solaris ボリュームマネージャを実行する前には、すべての大容量ボリュームを削除しておく必要があります。
以下のオプションのうち、-i 以外のオプションを実行するには、スーパーユーザーになる必要があります。
以下のオプションがサポートされています。
component をすべてのホットスペア集合に追加します。all は、大文字でも小文字でも構いません。
component を hot_spare_pool に追加します。hot_spare_pool が存在しない場合は、作成されます。
すべてのホットスペア集合から component を削除します。ただし、「使用中」の component は削除できません。
hot_spare_pool が空であり、メタデバイスが参照していない場合は、その hot_spare_pool を削除します。component を指定した場合は、hot_spare_pool から component を削除します。ただし、「使用中」のホットスペアは削除できません。
component をホットスペアとして使用できるようにします。component が「障害」状態で修理が完了している場合は、component を使用可能にすることができます。
指定された hot_spare_pool または、指定がない場合はすべてのホットスペア集合の状態を表示します。
コンポーネントが含まれているすべてのホットスペア集合内の component-old を component-new に交換します。ただし、古いホットスペアが使用中の場合は、どのホットスペア集合のコンポーネントも交換することができません。
hot_spare_pool 内の component-old を component-new に交換します。ただし、古いホットスペアが使用中の場合は、ホットスペア集合のコンポーネントに交換することはできません。
metahs を実行するディスクセットの名前を指定します。このオプションを使用すると、指定したディスクセット内で metahs が実行されます。このオプションを指定しない場合は、ローカルのホットスペア集合に対して metahs が実行されます。
以下のオペランドがサポートされています。
ディスクドライブ上にある物理的なスライス (パーティション) の論理名。たとえば /dev/dsk/c0t0d0s2 などです。
ホットスペア集合の名前を hspnnn という書式で指定します。この場合、nnn には、000 から 999 までの数字を指定します。
以下の例では、ホットスペア集合 hsp003 にホットスペア /dev/dsk/c0t0d0s7 を追加します。
# metahs -a hsp003 c0t0d0s7 |
ホットスペアが集合に追加されても、集合内に存在するホットスペアの順番は変わりません。新しいホットスペアは、既存のホットスペアリストの最後に追加されます。
この例では、現在定義されているホットスペア集合にホットスペアを追加します。
# metahs -a all c0t0d0s7 |
この例の中のキーワード all は、ホットスペア /dev/dsk/c0t0d0s7 をすべてのホットスペア集合に追加することを意味します。
この例では、ホットスペア集合 hsp003 からホットスペア /dev/dsk/c0t0d0s7 を削除します。
# metahs -d hsp003 c0t0d0s7 |
ホットスペアを削除すると、集合に残されたホットスペアの位置は、新しい順番に変わります。たとえばこの例で、/dev/dsk/c0t0d0s7 が 3 つあるホットスペアのうちの 2 番目に位置していたとすると、削除後は 3 番目のホットスペアが 2 番目の位置に移動します。
この例では、以前定義されたホットスペアを交換します。
# metahs -r hsp001 c0t1d0s0 c0t3d0s0 |
この例では、ホットスペア /dev/dsk/c0t1d0s0 が /dev/dsk/c0t3d0s0 と交換されます。ホットスペアの順番は変わりません。
以下の属性については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ |
属性値 |
---|---|
使用条件 |
SUNWmdu |
mdmonitord(1M), metaclear(1M), metadb(1M), metadetach(1M), metainit(1m), metaoffline(1M), metaonline(1M), metaparam(1M), metarecover(1M), metarename(1M), metareplace(1M), metaroot(1M), metaset(1M), metassist(1M), metastat(1M), metasync(1M), metattach(1M), md.tab(4), md.cf(4), mddb.cf(4), attributes(5), md(7D)
32 ビットカーネルの Solaris オペレーティング環境を実行する予定の場合、あるいは、Solaris 10 より前のバージョンの Solaris オペレーティング環境を使用する予定の場合、大容量ボリューム (つまり、1T バイトを超えるボリューム) を作成してはいけません。
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用例 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 警告