名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 使用例 | ファイル | 警告 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 制限事項 | 注意事項
/sbin/metainit -h
/sbin/metainit [generic options] concat/stripe numstripes width component... [-i interlace]
/sbin/metainit [width component... [-i interlace]] [-h hot_spare_pool]
/sbin/metainit [generic options] mirror -m submirror [read_options] [write_options] [pass_num]
/sbin/metainit [generic options] RAID -r component... [-i interlace] [-h hot_spare_pool] [-k] [-o original_column_count]
/sbin/metainit [generic options] hot_spare_pool [hotspare...]
/sbin/metainit [generic options] metadevice-name
/sbin/metainit [generic options] -a
/sbin/metainit [generic options] softpart -p [-e] component [-A alignment] size
/sbin/metainit -r
metainit コマンドは、コマンド行で指定された情報に従って、メタデバイスとホットスペアを構成します。あるいは、metainit を実行して /etc/lvm/md.tab ファイルで指定した構成エントリを使用することもできます (md.tab(4) 参照)。すべてのメタデバイスは、使用前に metainit コマンドで構成しておく必要があります。
システムが 64 ビットの Solaris カーネルを実行している場合、Solaris ボリュームマネージャは 1T バイトを超えるストレージデバイスと論理ボリューム (「大型ボリューム」と呼ぶ) をサポートします。大型ボリュームのサポートは自動です。1T バイトを超えるデバイスを作成した場合、Solaris ボリュームマネージャは、ユーザーの操作なしで、そのデバイスを適切に構成します。
大型ボリュームを持つシステムを 32 ビットの Solaris カーネルでリブートした場合、この大型ボリュームは metastat 出力に表示されます。大型ボリュームは、アクセス、変更、または削除することはできません。新しい大型ボリュームも作成できません。この状況では、大型ボリューム上にあるすべてのボリュームまたはファイルシステムも同様に利用できません。大型ボリュームを持つシステムを Solaris 9 4/03 リリースより前のバージョンの Solaris でリブートした場合、Solaris ボリュームマネージャが起動しません。これより前のバージョンの Solaris オペレーティングシステム下で Solaris ボリュームマネージャを実行する前には、すべての大型ボリュームを削除しておく必要があります。
/etc/lvm/md.tab ファイルを編集してメタデバイスを構成する場合には、各行で 1 つの完結した構成エントリを指定します。次に、-a オプションを指定して /etc/lvm/md.tab ファイルに入力したすべてのメタデバイスを有効にするか、または特定の構成エントリに対応するメタデバイス名を指定して metainit コマンドを実行します。
-a フラグと -n フラグの両方を付けて metainit を実行した場合、metainit は作成されていたはずのボリュームの状態を保持しません。md.tab にあるボリュームが md.tab にあるほかのボリュームに依存する場合、metainit -a -n を実行すると、それらのボリュームはすべてエラーとして報告されます。ただし、metainit -a の実行では、成功する可能性があります。md.tab(4) を参照してください。
Solaris ボリュームマネージャは /etc/lvm/md.tab ファイルを更新しません。完全な構成情報はメタデバイス状態データベースに格納されており、md.tab には格納されていません。md.tab を手入力で編集したときにだけ、情報がこのファイルに入ります。
ディスクミラーを設定するとき、最初の手順は、metainit を使用して、ルートスライスに一対一の連結を作成することです。使用例を参照。
次のオプションを指定できます。
-h 以外のオプションを実行するには、スーパーユーザーになる必要があります。
以下の汎用オプションがサポートされています。
スライスの 1 つがマウントされたファイルシステムまたはスワップとして使用されている場合でも、あるいは、作成しようとしているストライプのサイズがその基になるソフトパーティションのサイズより小さい場合でも、metainit コマンドの実行を強制的に続けます。このオプションは、ルート (/)、swap、/usr でミラーを構成するときに使用します。
使用方法に関するメッセージを表示します。
メタデバイスを実際に設定せずに、コマンド行や md.tab エントリの構文を検査します。-a と同時に指定すると、すべてのデバイスが検査されますが、初期化は行われません。
ブート時にシェルスクリプト内でだけ使用されます。システム障害の発生前またはシャットダウン前に構成されたすべてのメタデバイスを再構成します。すでに構成されたメタデバイスの情報は、メタデバイス状態データベースに保存されています (metadb(1M) を参照)。
metainit を実行するディスクセットの名前を指定します。このオプションを指定しない場合は、ローカルのメタデバイスやホットスペアに対して metainit コマンドが作用します。
以下に、サポートされる連結/ストライプ方式のオプションを示します。
定義される連結、ストライプ、連結のストライプのメタデバイス名を指定します。
メタデバイス内の個別のストライプの数を指定します。単一のストライプでは、numstripes は常に 1 になります。連結では、numstripes はスライスと同じ数になります。連結ストライプでは、numstripes はストライプの数によって変化します。
ストライプを構成するスライスの数を指定します。width が 1 よりも大きいときには、スライスはストライプされます。
/dev/dsk/c0t0d0s0 などのディスクドライブ上の物理スライス (パーティション) 用の論理名です。RAID レベル 5 メタデバイスでは、スライス間でパリティー情報のストライプ化を可能にするためには少なくとも 3 つのスライスが必要です。
飛び越しサイズを指定します。この値で、Solaris ボリュームマネージャに対してストライプされたメタデバイスまたは RAID レベル 5 メタデバイスにどの程度の量のデータを配置するかを指定して、次のスライスに移動します。interlace は、後ろに「k (K バイト)」、「m (M バイト)」、「b (ブロック)」の単位を付けて値を指定します。単位を表す文字は大文字でも小文字でもかまいません。interlace は 16 ブロック以上または 100M バイト以内にします。interlace を指定しないと、そのデフォルトは 16 Kバイトになります。
メタデバイスに対応させる hot_spare_pool を指定します。コマンド行を使用する場合、ホットスペア集合は、metainit コマンドで事前に作成してから、メタデバイスに対応させる必要があります。hot_spare_pool は hspnnn の形式で指定します。このとき nnn は 000 〜 999 の範囲の数にします。作成される連結方式がサブミラーとして使用されるときには /-h hspnnn を使用します。
以下に、サポートされるミラーのオプションを示します。
ミラーのメタデバイス名を指定します。-m は構成がミラーであることを指定します。submirror ははじめて作成する 1 面ミラーを形成するメタデバイス (ストライプ方式または単純連結方式) です。Solaris ボリュームマネージャは最大 4 面のミラー化をサポートします。ミラーを定義するときには、まず、metainit コマンドで 1 面ミラーとしてミラーを作成します。次に metattach コマンドを使用して残りのサブミラーを追加します。この方法によって、Solaris ボリュームマネージャは適切にミラーの同期を取ることができます。先に、metainit コマンドで 2 番目以降のサブミラーを作成します。
以下に、サポートされるミラーの読み取りのオプションを示します。
幾何学的読み取りオプションを有効にします。これによって、順次読み取りのパフォーマンスが速くなります。
すべての読み取りを最初のサブミラーに対して行います。これは、最初のサブミラーを構成するデバイスが 2 番目のミラーのデバイスよりも十分に高速であるときにだけ使用します。このフラグは -g フラグと同時には使用できません。
-g フラグも -r フラグも指定されていない場合、読み取りはミラー内のすべてのサブミラーからラウンドロビン (巡回的) になります。これによって、サブミラー間の負荷のバランスがとれます。
ミラーに対して以下の書き込みオプションがサポートされています。
ミラーに対して逐次書き込みを行います。最初のサブミラーへの書き込みが完了してから 2 番目のミラーへの書き込みが行われます。これは、部分的なセクター障害がハードウェアで許容されている場合には便利です。-S が指定されない場合、書き込みはすべてのミラーに同時に複写され、ディスパッチされます。
エントリの最後で 0 〜 9 の範囲で指定する番号です。これによってリブート中にミラーが再同期を取る順序が決定されます。デフォルト値は 1 です。小さい方のパス番号が最初に再同期を取られます。同じパス番号の場合は、同時に実行されます。0 が使用された場合には、再同期はスキップされます。0 は読み取り専用または swap としてマウントされたミラーだけに使用します。
以下に、使用可能な RAID レベル 5 のオプションを示します。
RAID レベル 5 メタデバイスの名前を指定します。-r は構成が RAID レベル 5 であることを指定します。
RAID レベル 5 メタデバイスにおいて、すでにデータがあるので初期化 (ディスクブロックをゼロにする) しないようドライバに通知します。このオプションは、以前に作成された RAID レベル 5 デバイスを再作成するときにだけ使用します。
-k オプションを使用するときには十分に注意してください。このオプションは、ディスクブロックを OK 状態に設定します。したがって、メタデバイス内のディスクブロックに何らかのエラーが存在しても、Solaris ボリュームマネージャはデータの作成を開始する可能性があります。-k オプションを使用する代わりに、デバイスを初期化して、テープからデータを復元してもかまいません。
RAID レベル 5 メタデバイスで、-k オプションと共に使用して、初めに定義されたメタデバイスが拡張された場合に拡張前のスライス数を定義します。パリティーセグメントは連結されたデバイス間ではストライプされないので、これが必要になります。
-o オプションを使用するときには十分に注意してください。このオプションはディスクブロックを OK 状態に設定します。メタデバイス内のディスクブロックにエラーが存在しても、Solaris ボリュームマネージャはデータの作成を開始する可能性があります。-o オプションを使用する代わりに、デバイスを初期化し、テープからデータを復元することもできます。
以下に、サポートされるソフトパーティションのオプションを示します。
softpart 引数は、ソフトパーティションの名前を指定します。-p は、その構成がソフトパーティションであることを指定します。
-e は、component で指定したディスク (c*t*d*) 全体のパーティションを再分割して、ソフトパーティション用に予約するべきことを指定します。指定したコンポーネントでは、スライス 7 にシステム (状態データベースの複製) 用の領域が予約され、スライス 0 にディスクの残りのすべての領域が割り当てられます。スライス 7 の最小のサイズは 4 M バイトですが、ディスクのジオメトリによっては大きくすることも可能です。新しく作成するソフトウェアパーティションは、デバイスのスライス 0 に置かれます。
component 引数は、ソフトウェアパーティションを作成するディスク (c*t*d*)、スライス (c*t*d*s*)、またはメタデバイス (d*) を指定します。size 引数は、ソフトパーティションに使用する領域を決定します。サイズの単位としては、K バイトには K または k を、M バイトには M または m を、G バイトには G または g を、T バイトには T または t (1T バイトが最大のサイズ) を、ブロック (セクター) には B または b を指定できます。すべての値は 2 のべき乗で表現されます。大文字と小文字のオプションは同じです。使用できる値は整数値だけです。
-A 整列オプションは、ソフトウェアパーティション境界整列の値を設定します。このオプションは、ソフトパーティションの開始オフセットを指定することが重要であるときに使用します。このオプションを指定すると、メタデバイスとそれを構成する物理デバイスの 2 つのアドレス空間の間で、同じデータ整列が行われます。たとえば、ハードウェアデバイスでチェックサムを実行している場合、そのデバイスへの入出力要求は Solaris ボリュームマネージャによって分割されるべきではありません。この場合、ハードウェア構成から取得した値を境界整列の値として使用します。このオプションをソフトウェア入出力負荷と組み合わせて使用すると、境界整列の値はアプリケーションの入出力負荷に対応します。これによって、入出力が不必要に分割されて、パフォーマンスに影響が出ることを防ぐことができます。
ソフトパーティションが、デバイス上の使用可能なすべての領域に渡って拡張されるように指定するには、サイズの代わりに、all というリテラルを指定します。
以下に、サポートされるホットスペア集合のオプションを示します。
metainit コマンドの引数として使用すると、hot_spare_pool はホットスペア集合用の名前を定義し、hotspare... はその集合で利用可能にする物理スライスの論理名になります。hot_spare_pool は hspnnn 形式の数値であり、nnn は 000 〜 999 の範囲の数になります。
以下に、サポートされる md.tab ファイルのオプションを示します。
metainit コマンドが metadevice-name だけを引数として実行されると、/etc/lvm/md.tab ファイルを検索してその名前と対応するエントリを見つけます。md.tab ファイルで見つかるエントリの順序は重要ではありません。たとえば、以下の md.tab エントリの場合を考えてみます。
d0 2 1 c1t0d0s0 1 c2t1d0s0 |
コマンド metainit d0 を実行すると、md.tab ファイルにある構成情報をもとにメタデバイス d0 が構成されます。
md.tab ファイルに定義されたすべてのメタデバイスを有効にします。
-a フラグと -n フラグの両方を付けて metainit を実行した場合、metainit は作成されていたはずのボリュームの状態を保持しません。md.tab ファイルの最初の行でデバイス d0 を作成して、後ろの行で d0 の存在を仮定している場合、metainit -a を実行すると、成功する場合がありますが、metainit -an を実行すると、後ろの行は失敗します。
以下のコマンドは、ルートスライスに一対一の連結を作成します。ルートスライス、またはその他のマウント解除できないスライスのミラーを設定する場合、最初の手順はこのようなコマンドになります。ルート (/) などの既存のファイルシステムを持つボリュームを作成する場合、-f オプションが必要になります。
# metainit -f d1 1 1 c0t0d0s0 |
このコマンドは、ルートスライスを使用して、d1 を一対一の連結にします。次に、以下のコマンドを入力します。
# metainit d0 -m d1 |
このコマンドは、ルートスライスの 1 面ミラーを作成します。
以下の例で示されるドライブは、すべて同じサイズ (525 M バイト) です。
この例では、4 つのスライスの連結であるメタデバイス /dev/md/dsk/d7 を示します。
# metainit d7 4 1 c0t1d0s0 1 c0t2d0s0 1 c0t3d0s0 1 /dev/dsk/c0t4d0s0 |
数値 4 は、この連結に 4 つの独立したストライプがあることを示しています。各ストライプは 1 つのスライスで構成されているので、各スライスの最初に数値 1 が示されています。上記の各デバイスの最初のディスクセクターには、ディスクラベルが含まれています。デバイス /dev/dsk/c0t2d0s0、/dev/dsk/c0t3d0s0、/dev/dsk/c0t4d0s0 のラベルを保存するために、連結の境界を越えてアクセスを割り当てるときには、メタディスクドライバがこれらのディスクの少なくとも最初のセクターをスキップする必要があります。最初のセクターだけをスキップすると、ディスクのジオメトリが不規則になるので、ディスクの最初のシリンダ全体がスキップされます。このため、上位のファイルシステムソフトウェアによってブロックの割り当てが最適化できます。
この例では、2 つのスライスで構成されるメタデバイス/dev/md/dsk/d15 を示します。
# metainit d15 1 2 c0t1d0s0 c0t2d0s0 -i 32k |
数値 1 は、1 つのストライプが作成されることを示しています。このストライプは 2 つのスライスで構成されるため、その後に数値 2 が続きます。オプションの -i の後ろには 32k が指定され、飛び越しサイズが 32 K バイトになることが示されます。飛び越しサイズが指定されなかった場合には、ストライプはデフォルト値の 16 K バイトを使用します。
この例は、3 台のディスクの 2 つのストライプの連結で構成されるメタデバイス /dev/md/dsk/d75 を示しています。
# metainit d75 2 3 c0t1d0s0 c0t2d0s0 \ c0t3d0s0 -i 16k \ 3 c1t1d0s0 c1t2d0s0 c1t3d0s0 -i 32k |
最初の行では、-i とその後ろの 16k でストライプの飛び越し サイズが 16 K バイトであることを指定しています。2 番目の組み合わせは、ストライプの飛び越しサイズが 32 K バイトになることを指定しています。2 番目の組み合わせが 32 K バイトを指定していなければ、この組み合わせはデフォルトの飛び越し値 16 K バイトを使用します。3 台のディスクの各組み合わせのブロックは、3 台のディスクにまたがって飛び越しされます。
この例は、2 つのサブミラーで構成される 2 面ミラー /dev/md/dsk/d50 を示しています。このミラーには既存のデータは含まれていません。
# metainit d51 1 1 c0t1d0s0 # metainit d52 1 1 c0t2d0s0 # metainit d50 -m d51 # metattach d50 d52 |
この例では、2 つのサブミラーである d51 と d52 は metainit コマンドで作成されます。これら 2 つのサブミラーは単純連結方式です。次に 1 面ミラーである d50 は d51 を指定して -m オプションで作成されます。2 番目のサブミラーは後で metattach コマンドを使用して追加されます。ミラーを作成するときには、ストライプ方式と連結方式の任意の組み合わせが使用できます。この例のデフォルトの読み取りオプションと書き込みオプションは、ラウンドロビン (巡回的) 読み取りアルゴリズムとすべてのサブミラーに対する並列書き込みです。
この例は、set1 というディスクセット内の 2 つのストライプの連結から構成されるメタデバイス /dev/md/dsk/d75 を示しています。
# metainit -s set1 d75 2 3 c2t1d0s0 c2t2d0s0 \ c2t3d0s0 -i 32k # metainit -s set1 d51 1 1 c2t1d0s0 # metainit -s set1 d52 1 1 c3t1d0s0 # metainit -s set1 d50 -m d51 # metattach -s set1 d50 d52 |
この例では、まず、metaset コマンドを使用してディスクセットを作成します。次に、metainit コマンドを使用して、そのディスクセット内にメタデバイスを作成します。2 つのサブミラー d51 と d52 は単純連結です。次に、d51 を指定した -m オプションを使用して、1 面ミラー d50 を作成します。次に、metattach コマンドを使用して、2 番目のサブミラーを接続します。ミラーを作成するとき、ストライプと連結の任意の組み合わせを使用できます。この例では、デフォルトの読み取りオプションと書き込みオプションはそれぞれ、ラウンドロビン方式の読み取りアルゴリズムとすべてのサブミラーへの並行書き込みです。
この例は、3 つのスライスで構成される RAID レベル 5 デバイス d80 を示しています。
# metainit d80 -r c1t0d0s0 c1t1d0s0 c1t3d0s0 -i 20k |
この例で、RAID レベル 5 メタデバイスは -r オプションによって飛び越しサイズ 20 K バイトで定義されます。データとパリティーセグメントは、c1t0d0s0、c1t2d0s0、および c1t3d0s0 のスライスにまたがってストライプ化されます。
以下の例は、メタデバイス d100 に構築される、サイズが 100 M バイト (「100M」で示される) のソフトパーティションデバイス d1 を示しています。
# metainit d1 -p d100 100M |
このコマンドは、100 M バイトのソフトパーティションをメタデバイス d100 に作成します。このメタデバイスは、RAID レベル 5、ストライプ、連結、またはミラーのいずれでもかまいません。
以下の例は、ディスク c3t4d0 に構築されるソフトパーティションデバイス d1 を示しています。
# metainit d1 -p -e c3t4d0 9G |
この例では、このディスクのパーティションを再分割して、ソフトパーティションが、スライス c3t4d0s0 上の使用可能な 9GB すべてのディスク領域を使用するように定義しています。
以下の例は、ディスク c3t4d0 に構築されるソフトパーティションデバイス d1 を示しています。
# metainit d1 -p -e c3t4d0 all |
この例では、このディスクのパーティションを切り直して、ディスクスライス c3t4d0s0 で利用可能な領域をすべてソフトパーティション用に定義しています。
この例では、2 面ミラー /dev/md/dsk/d10 と 3 つのホットスペアコンポーネントを持つホットスペア集合を示します。このミラーには既存のデータはありません。
# metainit hsp001 c2t2d0s0 c3t2d0s0 c1t2d0s0 # metainit d41 1 1 c1t0d0s0 -h hsp001 # metainit d42 1 1 c3t0d0s0 -h hsp001 # metainit d40 -m d41 # metattach d40 d42 |
この例では、ホットスペアとして使用される 3 つの異なるディスクから 3 つのスライスを使用して、ホットスペア集合 hsp001 を作成しています。次に、2 つのサブミラー d41 と d42 が作成されます。これらは単純連結方式です。metainit コマンドで -h オプションを指定してホットスペア集合 hsp001 と各サブミラーを関連付けます。次に、1 面ミラーを -m オプションを使用して定義します。2 番目のサブミラーを metattach コマンドを使用して追加します。
この例では、ソフトパーティションの境界整列の値を 1M バイトに設定する方法を示しています。
# metainit -s red d13 -p c1t3d0s4 -A 1m 4m |
この例では、境界整列が 1M バイトのソフトパーティション d13 を作成しています。metainit コマンドの -A オプションに指定した「1m」は、1M バイトのソフトパーティション境界整列を定義しています。
この節では、さまざまな警告について説明します。
32 ビットカーネルの Solaris オペレーティングシステムを実行する予定の場合、あるいは、Solaris 10 より前のバージョンの Solaris オペレーティングシステムを使用する予定の場合、大型ボリューム (つまり、1T バイトを超えるボリューム) を作成してはいけません。
metainit コマンドを使用して一度に多面ミラーを作成しないでください。そのときには、metainit コマンドで 1 面ミラーを作成した後、metattach で残りのサブミラーを追加していきます。metattach コマンドが使用されないと、再同期処理は実行されず、データが破壊される可能性があります。
metainit によって、複数のサブミラーを持つミラーを作成すると、以下のメッセージが表示されます。
警告: この形式の metainit はお勧めできません。 サブミラーは同じデータを持っていない可能性があります。 詳しい情報は metainit(1M) の「マニュアルページ」を参照してください。 |
ソフトパーティションの一番上にストライプを作成するとき、新しいストライプのサイズがその元になるソフトパーティションのサイズよりも小さくなることがあります。この状況が発生すると、metainit は失敗して、この問題に必要な処置を示すエラーメッセージが表示されます。
-f オプションを使用してこの問題を無視しようとすると、以下のようなメッセージが表示されます。
警告: この形式の metainit はお勧めできません。 ストライプによって基本となるデバイスのサイズが切り詰められています。 詳細は、metainit(1M) の「エラー」を参照してください。 |
Solaris ボリュームマネージャでデータをミラー化する場合、必ずしも、ミラー側すべてにおいて、メモリーからディスクへの転送がまったく同時に行われるわけではありません。データをディスクに転送している間にバッファーの内容が変更された場合 (「書き込み時の書き込み」と呼ぶ)、各ミラーで格納されるデータが異なる可能性があります。
この問題は、ミラー書き込み用にデータの専用コピーを作成することで処理できますが、このコピー作成は効率的ではありません。別の手段として、書き込み時にメモリーが変更されたことを、メモリーページに関連するダーティービットを見て検出するという方法があります。Solaris ボリュームマネージャは (可能なときは) このダーティービット手法を 使用します。残念ながら、この手法は raw 入出力や直接入出力では動作しません。デフォルトでは、Solaris ボリュームマネージャは次のように不利な点はありますが、パフォーマンスを優先して調整されています。つまり、raw 入出力や直接入出力に関連するバッファーにアプリケーションが「書き込み時の書き込み」を行なった場合、ミラー化されたデータについては同期を取りません。ミラー化を行わない場合、どのデータが最終的にメディアに存在したかは保証されません。しかし、複数の読み取りは同じデータを戻します。ミラー化を行う場合、複数の読み取りは異なるデータを戻す可能性があります。以下の行を /etc/system に追加すると、すべての raw 入出力と直接入出力の書き込み操作において、バッファーのコピーが安定します。
set md_mirror:md_mirror_wow_flg=0x20 |
このフラグを設定すると、パフォーマンスが低下します。
以下の属性については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ |
属性値 |
---|---|
使用条件 |
SUNWmdr |
mdmonitord(1M), metaclear(1M), metadb(1M), metadetach(1M), metahs(1M), metaoffline(1M), metaonline(1M), metaparam(1M), metarecover(1M), metarename(1M), metareplace(1M), metaroot(1M), metaset(1M), metassist(1M), metastat(1M), metasync(1M), metattach(1M), md.tab(4), md.cf(4), mddb.cf(4), attributes(5), md(7D)
ミラー化を再帰的に行うことはできません。つまり、ミラーを別のミラーの定義で使用することはできません。
また、ロギングを再帰的に行うこともできません。つまり、トランスメタデバイスを別のメタデバイスの定義で使用することはできません。
ストライプ、連結、および RAID レベル 5 のメタデバイスは、スライスだけで構成される必要があります。
RAID レベル 5 のメタデバイスをミラー化することはできません。
ソフトパーティションは、raw デバイスか、ストライプ、RAID レベル 5、またはミラーに構築できます。
RAID レベル 5 またはストライプのメタデバイスは、ソフトパーティションに直接構築できます。
トランスメタデバイスは UFS ロギングによって置き換えられました。既存のトランスデバイスはロギングを行わず、その元となるデバイスにデータを直接渡します。UFS ロギングについての詳細は、mount_ufs(1M) を参照してください。
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 使用例 | ファイル | 警告 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 制限事項 | 注意事項