SunOS リファレンスマニュアル 1M : システム管理コマンド

metareplace(1M)

名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 使用例 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目

名前

metareplace – サブミラーまたは RAID5 メタデバイスのコンポーネントを使用可能状態にするか、または交換する

形式

/usr/sbin/metareplace  -h

/usr/sbin/metareplace  [-s setname] -e mirror component

/usr/sbin/metareplace  [-s setname] mirror component-old
 component-new

/usr/sbin/metareplace  [-s setname] -e RAID component

/usr/sbin/metareplace  [-s setname] [-f] RAID component-old
 component-new

機能説明

metareplace コマンドは、サブミラーまたは RAID5 メタデバイス内のコンポーネント (スライス) を使用可能状態にするか、または交換します。

コンポーネントを交換するとき、metareplace コマンドは自動的に新しいコンポーネントと残りのメタデバイスとの再同期処理を行います。再同期処理が完了すると、交換されたコンポーネントは読み取りと書き込みが可能になります。障害のあるコンポーネントがホットスペアと交換されていた場合は、ホットスペアが使用可能になり、ほかのホットスペア交換に利用できるようになります。

新しいコンポーネントには、少なくとも古いコンポーネントと同等の容量が必要です。

コンポーネントが Last Erred 状態または Maintenance 状態になった場合は、処置が必要です。常に Maintenance 状態のコンポーネントを最初に交換し、次にデータの再同期処理と妥当性検査を行なってください。その後に、Last Erred 状態のディスクを交換します。データを損失しないように、すべてのデータのバックアップをとってから、Last Erred デバイスを交換してください。

オプション

以下のオプションのうち、-h 以外のオプションを実行するには、スーパーユーザーになる必要があります。

-e: component を使用可能な状態にし、障害のあるコンポーネントに対して再同期処理を行います。障害のあるコンポーネントがホットスペアと交換されたいた場合は、ホットスペアが使用可能状態になり、ほかのホットスペア交換に使用できるようになります。このコマンドは、コンポーネントが人為的なエラー (たとえば間違ってディスクの電源をオフにしてしまった場合) によって失敗したり、コンポーネントが物理的に交換された場合などに便利です。この場合、交換用のコンポーネントは metareplace コマンドを実行する前に交換するディスクと一致するようにパーティションを区切っておく必要があります。
-f: メタデバイスにエラー状態のコンポーネントが複数ある場合、エラーのあるコンポーネントを強制的に交換します。metastat コマンドによって「Maintenance」状態にすると表示されたコンポーネントを最初に交換する必要があります。ただし、複数のコンポーネントがエラー状態にあるときに、このオプションを使用すると、誤ったデータが作成されることがあります。
-h: ヘルプメッセージを表示します。
-s setname: metareplace を実行するディスクセットの名前を指定します。このオプションを使用すると、指定したディスクセット内で metareplace が実行されます。このオプションを使用しないと、ローカルのメタデバイスに対して metareplace が実行されます。
mirror: ミラーのメタデバイス名。
component: ディスクドライブ上にある、物理的なスライス (パーティション) の論理名。たとえば /dev/dsk/c0t0d0s2 などです。
component-old: 交換したい物理的なスライスの名前。
component-new: component-old と交換する物理的なスライスの名前。
RAID: RAID5 デバイスのメタデバイス名。

使用例

例 1 RAID5 メタデバイスのエラー状態からの回復

この例では、RAID5 メタデバイスにあるひとつのコンポーネントがエラー状態になった場合の回復方法を示しています。

# metareplace d10 c3t0d0s2 c5t0d0s2

この例では、RAID5 メタデバイス d10 にあるエラー状態のコンポーネント c3t0d0s2 を新しいコンポーネント c5t0d0s2 と交換しています。

例 2 物理ディスク交換後の `-e` の使用法

ここでは、サブミラー (この場合、ミラー d11 のサブミラー) にある物理ディスクが交換されたあとの -e オプションの使用例を示します。

# metareplace -e d11 c1t4d0s2

注：交換用ディスクは metareplace コマンドを実行する前に、交換するディスクと一致するようにパーティションを分割しておく必要があります。

終了ステータス

以下の終了ステータスが返されます。

0: 正常終了
>0: エラーが発生した

属性

以下の属性については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。

属性タイプ	属性値
使用条件	SUNWmdu