名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用例 | 警告 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 注意事項
/usr/sbin/metastat -h
/usr/sbin/metastat [-a] [-B] [-c] [-i] [-p] [-q] [-s setname] [-t] [metadevice...] [hot_spare_pool...]
/usr/sbin/metastat [-a] [-B] [-c] [-i] [-p] [-q] [-s setname] component...
metastat コマンドは、それぞれのメタデバイス (ストライプ、連結、連結ストライプ、ミラー、RAID5、ソフトパーティション、およびトランスデバイスを含む) またはホットスペア集合の現在の状態、または、指定したメタデバイス、コンポーネント、またはホットスペア集合の現在の状態を表示します。
metattach コマンドを実行した後に metastat コマンドを実行すると、メタデバイスの状態を表示することができて便利です。
metastat は、システム上の各 Solaris ボリュームマネージャの状態を表示します。取りうる状態の種類は以下のとおりです。
デバイスはエラーを報告していません。
問題が検出されました。この場合、システム管理者が、障害が発生した物理デバイスを交換する必要があります。Needs maintenance を表示しているボリュームにはデータの損失が起こっていませんが、さらなる障害が発生するとデータが失われる危険があります。可能な限り迅速に措置を行なってください。
問題が検出されました。データが失われた可能性があります。これは、サブミラーのコンポーネントに障害が発生し、ホットスペアにより置き換えられないため、Needs maintenance 状態に移行した場合に発生する可能性があります。対応するコンポーネントにも障害が発生した場合は Last erred 状態に移行し、有効なデータソースが残っていないため、データが失われた可能性があります。
デバイスにアクセスできませんが、エラーは発生していません。このような状態になるのは、物理デバイスが Solaris の動的再構成 (DR) 機能により削除され、Solaris ボリュームマネージャのボリュームが使用不可能なままになっている場合が考えられます。また、システムの初期化時にアレイまたはディスクの電源が切られたり、32 ビットモードでのシステムのブート時に 1T バイトを超えるボリュームが存在したりする場合にも発生する可能性があります。
ストレージが使用可能になった後で、-i オプションを付けて metastat コマンドを実行し、メタデバイスの状態を更新します。これにより、アクセス可能なデバイスの使用不能状態がクリアされます。
Needs maintenance 状態または Last erred 状態でのディスクの交換およびボリュームの取り扱いについての手順は『Solaris ボリュームマネージャの管理』を参照してください。
以下のオプションがサポートされています。
すべてのディスクセットを表示します。現在のホストにより所有されているディスクセット内のメタデバイスのみが表示されます。
すべての 64 ビットメタデバイスおよびホットスペアの現在の状態を表示します。
簡潔な出力を表示します。
1 つのメタデバイスにつき 1 行ずつ出力されます。出力では、各メタデバイスの基本構造および (存在する場合は) エラー状態が表示されます。
-c の出力の形式は -p の出力の形式とは異なります。-p オプションはメタデバイスの状態を表示せず、また人間が判読できる出力としては表示することを目的としていません。
使用方法に関するメッセージを表示します。
RAID1 (ミラー) ボリューム、RAID5 ボリューム、およびホットスペアの状態を検査します。最上位のメタデバイスから順に、アクセスできるかどうか各メタデバイスを照会により検査します。 問題が見つかると、エラーが発生した場合のように、メタデバイス状態データベースが更新されます。
md.tab と同じ形式で、アクティブなメタデバイスとホットスペア集合のリストを表示します。md.tab(4) を参照してください。
-p 出力は、あとでの回復または設定用に現時点の構成の記録を取るために設計されています。
メタデバイスの状態を、デバイス再配置情報なしに表示します。
metastat を実行するディスクセットの名前を指定します。このオプションを使用すると、指定したディスクセット内で metastat が実行されます。このオプションを指定しない場合は、ローカルディスクセットのメタデバイスまたはホットスペア集合に対して、 metastat が実行されます。
指定されたメタデバイスとホットスペア集合の現在の状態とタイムスタンプを表示します。タイムスタンプは、最後に状態が変更された日付と時刻を示します。
以下のオペランドがサポートされています。
範囲、開始ブロック、およびブロックカウントを含む、ソフトパーティションのホストであるコンポーネントの状態を表示します。
指定されたホットスペア集合の状態を表示します。
指定されたメタデバイスの状態を表示します。トランスメタデバイスが指定された場合、マスターとログデバイスの状態も表示されます。トランスメタデバイスは UFS ロギングに置き換えられています。注を参照してください。
以下の例は、2 つのサブミラー d70 と d80 からなるミラー d0 を生成した後、metastat コマンドから出力されるメッセージの一部です。
# metastat d0 d0: Mirror Submirror 0: d80 State: Okay Submirror 1: d70 State: Resyncing Resync in progress: 15 % done Pass: 1 Read option: roundrobin (default) Write option: parallel (default) Size: 2006130 blocks . . . |
以下の例に、ソフトパーティション上に構築される連結 d2 上にソフトパーティション d3 を作成した後の metastat コマンドの出力を部分的に示します。
# metastat d2: Concat/Stripe Size: 204800 blocks Stripe 0: Device Start Block Dbase State Hot Spare d0 0 No Okay d0: Soft Partition Component: c0t3d0s0 Status: Okay Size: 204800 blocks Extent Start Block Block count 0 129 204800 d3: Soft Partition Component: d2 Status: Okay Size: 202752 blocks Extent Start Block Block count 0 129 202752 |
以下の例に、トランスメタデバイスを作成した後の metastat コマンドの出力を示します。
# metastat d2: Concat/Stripe Size: 204800 blocks Stripe 0: Device Start Block Dbase State Hot Spare d0 0 No Okay d0: Soft Partition Component: c0t3d0s0 Status: Okay Size: 204800 blocks Extent Start Block Block count 0 129 204800 d3: Soft Partition Component: d2 Status: Okay Size: 202752 blocks Extent Start Block Block count 0 129 202752 |
以下の例に、複数所有者ディスクセットとアプリケーションベースのミラー再同期オプションを使用した、metastat コマンドの出力を示します。アプリケーションベースの再同期は、必要に応じて自動的に設定されます。
# metastat -s oban oban/d100: Mirror Submirror 0: oban/d10 State: Okay Submirror 1: oban/d11 State: Okay Pass: 1 Read option: roundrobin (default) Write option: parallel (default) Resync option: application based Owner: None Size: 1027216 blocks (501 MB) oban/d10: Submirror of oban/d100 State: Okay Size: 1027216 blocks (501 MB) Stripe 0: Device Start Block Dbase State Reloc Hot Spare c1t3d0s0 0 No Okay oban/d11: Submirror of oban/d100 State: Okay Size: 1027216 blocks (501 MB) Stripe 0: Device Start Block Dbase State Reloc Hot Spare c1t4d0s0 0 No Okay |
metastat は、コマンドの入力時点での状態を表示します。したがって、以下に示す理由により、metastat -p コマンドの出力を使用して md.tab(4) ファイルを作成することはお勧めできません。
metastat -p の実行結果に、使用中のホットスペアも含まれることがあります。
また、複数のサブミラーを持つミラーが表示されることもありま す。metainit と metattach によって多面ミラーを作成する方法 については、metainit(1m) を参照してください。
metastat -p の実行後に、スライスがエラー状態になることがあります。
以下の属性については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ |
属性値 |
---|---|
使用条件 |
SUNWmdr |
安定性 |
発展中 |
mdmonitord(1M), metaclear(1M), metadb(1M), metadetach(1M), metahs(1M), metainit(1m), metaoffline(1M), metaonline(1M), metaparam(1M), metarecover(1M), metarename(1M), metareplace(1M), metaroot(1M), metaset(1M), metassist(1M), metasync(1M), metattach(1M), md.tab(4), md.cf(4), mddb.cf(4), attributes(5), md(7D)
トランスメタデバイスは UFS ロギングに置き換えられています。既存のトランスデバイスはロギングを行わず、基礎デバイスにデータを直接渡します。UFS ロギングの詳細については、mount_ufs(1M) を参照してください。
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