名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用例 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 警告 | 注意事項
/usr/sbin/metattach [-h]
/usr/sbin/metattach [-s setname] mirror [metadevice]
/usr/sbin/metattach [-s setname] [-i interlace] concat/stripe component...
/usr/sbin/metattach [-s setname] RAID component...
/usr/sbin/metattach [-s setname] [-A alignment] softpart size | all
/usr/sbin/metadetach [-s setname] [-f] mirror submirror
/usr/sbin/metadetach [-s setname] [-f] trans
metattach は、ミラーにサブミラーを追加したり、メタデバイスを拡張したり、ソフトパーティションを拡張したりします。メタデバイスを拡張するとき、サービスを中断する必要はありません。ミラーまたはトランスのサイズを拡張するには、サブミラーまたはマスターデバイスにスライスを追加する必要があります。
システムが 64 ビットの Solaris カーネルを実行している場合、Solaris ボリュームマネージャは 1T バイトを超えるストレージデバイスと論理ボリューム (「大型ボリューム」と呼ぶ) をサポートします。大型ボリュームのサポートは自動です。1T バイトを超えるデバイスを作成した場合、Solaris ボリュームマネージャは、ユーザーの操作なしで、そのデバイスを適切に構成します。
大型ボリュームを持つシステムを 32 ビットの Solaris カーネルでリブートした場合、この大型ボリュームは metastat 出力に表示されます。大型ボリュームはアクセス、変更、または削除することはできません。新しい大型ボリュームも作成できません。この状況では、大容量ボリューム上にあるボリュームまたはファイルシステムも同様に利用できません。大型ボリュームを持つシステムを Solaris 9 4/03 リリースより前のバージョンの Solaris でリブートした場合、Solaris ボリュームマネージャが起動しません。これより前のバージョンの Solaris オペレーティングシステム下で Solaris ボリュームマネージャを実行する前には、すべての大型ボリュームを削除しておく必要があります。
Solaris ボリュームマネージャは、1 面から 4 面までのミラーをサポートします。したがって、メタデバイスをミラーに接続できるのは、そのミラーが持つサブミラーが 3 つ以下の場合だけです。新しいメタデバイスがミラーに接続されると、metattach は自動的に、新しいサブミラーの再同期処理を開始します。
metadetach は、ミラーからサブミラーを切断したり、トランスメタデバイスからロギングデバイスを切断したりします。
サブミラーがミラーから切断されると、そのサブミラーはミラーの一部ではなくなるので、ミラーを通して行われたメタデバイスに対する読み取りや書き込みは、ミラーを通して行われなくなります。1 つだけ存在するサブミラーを切断することはできません。保守の必要があると報告されている (metastat によって) スライスが含まれているサブミラーは、-f (強制) フラグを使用しないと切断することができません。
metadetach は、トランスからロギングデバイスを切断することもできます。この手順は、トランスボリュームをクリアする前に実行する必要があります。トランスメタデバイスは UFS ロギングによって置き換えられました。既存のトランスデバイスはロギングを行いません。その元となるデバイスにデータを直接渡します。UFS ロギングについての詳細は、mount_ufs(1M) を参照してください。
-f (強制) フラグを使用しない限り、使用中のトランスデバイスからロギングデバイスを切断することはできません。強制フラグを使用しても、ロギングデバイスは、トランスがアイドルになるまで、実際に切断されません。ロギングデバイスを切断するまで、トランスは切断中状態 (metastat) です。
次のオプションのうち、-h 以外のオプションを実行するには、スーパーユーザーになる必要があります。
次のオプションを指定できます。
ソフトウェアパーティション境界整列の値を設定します。このオプションは、ソフトパーティションの開始オフセットを指定することが重要であるときに使用します。このオプションを指定すると、メタデバイスとそれを構成する物理デバイスの 2 つのアドレス空間の間で、同じデータ整列が行われます。
たとえば、ハードウェアデバイスでチェックサムを実行している場合、そのデバイスへの入出力要求は Solaris ボリュームマネージャによって分割されるべきではありません。この場合、ハードウェア構成から取得した値を境界整列の値として使用します。このオプションをソフトウェア入出力負荷と組み合わせて使用すると、境界整列の値はアプリケーションの入出力負荷に対応します。これによって、入出力が不必要に分割されて、パフォーマンスに影響が出ることを防ぐことができます。
保守を必要とするコンポーネントまたは使用中のコンポーネントが含まれているメタデバイスを強制的に切断します。このオプションを使用できるのは、ミラーが metareplace(1M) で修正できる保守状態であるときだけです。ミラーが metasync(1M) だけで修正できる保守状態である場合 (metastat(1M) の出力で判断)、metadetach -f ではまったく効果がありません。これは、メタデバイスの 1 つを切り離す前には、ミラーを再同期する必要があるためです。
使用方法に関するメッセージを表示します。
ストライプの飛び越しの値を指定します。size 数値の後ろに「k」(キロバイト)、「m」(メガバイト)、「b」(512 バイトブロック) の単位を付けて指定します。これらの単位は、大文字でも小文字でも構いません。size を指定しないと、メタデバイスの最後のストライプの飛び越しの値がデフォルトサイズとして使用されます。あるストライプの飛び越しの値を変更すると、その変更内容が以降のすべてのストライプに適用されます。
metattach コマンドまたは metadetach コマンドを実行するディスクセットの名前を指定します。-s オプションを使用すると、指定したディスクセット内でコマンドが実行されます。このオプションを使用しない場合は、ローカルのメタデバイスに対してコマンドが実行されます。
次のオペランドを指定できます。
/dev/dsk/c0t0d0s2 などのディスクドライブ上の物理スライス (パーティション) を連結、ストライプ、連結ストライプ、RAID5 メタデバイスに追加させるための論理名。
連結、ストライプ、連結ストライプのいずれかのメタデバイス名。
トランスメタデバイスに接続されるロギングデバイスのメタデバイス名。
ミラーにサブミラーとして接続されるメタデバイス名。このメタデバイスは、metainit コマンドで事前に作成されている必要があります。
ミラーの名前。
RAID5 メタデバイスのメタデバイス名。
ソフトパーティションに追加する領域のサイズ。サイズの単位としては、K バイトには K または k を、M バイトには M または m を、G バイトには G または g を、T バイトには T または t を、ブロック (セクター) には B または b を指定できます。すべての値は 2 のべき乗で表現されます。大文字と小文字のオプションは同じです。使用できる値は整数値だけです。ソフトパーティションが、その元になるボリューム上の使用可能なすべての領域に渡って拡張されるように指定するには、all というリテラルを指定します。
既存のソフトパーティションのメタデバイス名。
ミラーから切断されるサブミラーのメタデバイス名。
(マスターデバイスまたはロギングデバイスではなく) トランスメタデバイスのメタデバイス名。
この例は、新しい単一のスライスを既存のメタデバイス d8 に連結します。その後、growfs(1M) コマンドを使用してファイルシステムを拡張できます。
# metattach d8 /dev/dsk/c0t1d0s2 |
この例は、トランスメタデバイス d9 からロギングデバイスを切断します。ロギングデバイスは 1 台だけなので、指定する必要はありません。
# metadetach d9 |
この例は、RAID5 メタデバイス d45 にもう 1 つのスライスを追加することで RAID5 メタデバイスを拡張します。
# metattach d45 /dev/dsk/c3t0d0s2 |
追加スライスを RAID5 メタデバイスに追加すると、追加領域はデータ専用になります。新しいパリティーブロックは割り当てられません。ただし、追加されたスライス上のデータは、全体のパリティー計算に含まれるので、単一のデバイス障害に対しては保護されます。
以下の例は、元になるデバイス上の使用可能なすべての領域を接続して、ソフトパーティション d42 を拡張します。
# metattach d42 all |
ソフトパーティションに領域を追加するとき、追加の領域はそのスライスで利用可能な任意の領域から取得されるため、既存のソフトパーティションとは隣接していない可能性があります。
この例では、各サブミラーにスライスを追加して、2 面ミラーに領域を追加します。その後、growfs(1M) コマンドを使用してファイルシステムを拡張できます。
# metattach d9 /dev/dsk/c0t2d0s5 # metattach d10 /dev/dsk/c0t3d0s5 |
この例は、ミラーをその元になるデバイスのサイズまで拡張します。
# metattach d11 |
この例は、デバイスの UFS のサイズを増やして、その領域を使用できるようにします。
# growfs -M /export /dev/md/dsk/d11 |
この例は、サブミラー d2 をミラー d4 から切断します。
# metadetach d4 d2 |
この例は、既存のメタデバイス d9 に 4 つのスライスを追加します。その後、growfs(1M) コマンドを使用してファイルシステムを拡張できます。
# metattach d9 /dev/dsk/c0t1d0s2 /dev/dsk/c0t2d0s2 \ /dev/dsk/c0t3d0s2 /dev/dsk/c0t4d0s2 |
以下の例は、ソフトパーティションを拡張するときに、ソフトパーティション境界整列の値を 1M バイトに設定する方法を示しています。
# metattach -s red -A 2m d13 1m |
次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ |
属性値 |
---|---|
使用条件 |
SUNWmdu |
mdmonitord(1M), metaclear(1M), metadb(1M), metahs(1M), metainit(1m), metaoffline(1M), metaonline(1M), metaparam(1M), metarecover(1M), metarename(1M), metareplace(1M), metaroot(1M), metaset(1M), metassist(1M), metastat(1M), metasync(1M), md.tab(4), md.cf(4), mddb.cf(4), md.tab(4), attributes(5), md(7D)
この節では、1T バイトを超えるデバイスと多面ミラーに関する警告について説明します。
32 ビットカーネルの Solaris オペレーティングシステムを実行する予定の場合、または、Solaris 9 4/03 より前のバージョンの Solaris オペレーティングシステムを使用する予定の場合、大型ボリューム (つまり、1T バイトを超えるボリューム) を作成してはいけません。
ミラーからサブミラーを切断すると、メタデバイス上のデータが metadetach の実行前にミラー上に存在したデータと一致しないことがあります。特に、-f オプションが必要なときには、メタデバイスとミラーのデータが一致しないことがよくあります。
トランスメタデバイスは UFS ロギングによって置き換えられました。既存のトランスデバイスはロギングを行いません。その元となるデバイスにデータを直接渡します。UFS ロギングについての詳細は、mount_ufs(1M) を参照してください。
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用例 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 警告 | 注意事項