x86 システム用の Solaris インストールプログラムでは、GRUB ブートローダーが使用されます。この手順では、スタンドアロンの GRUB ブートローダー付き x86 システムを CD または DVD メディアからインストールする方法について説明します。GRUB ブートローダーの概要については、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 4 章「Solaris インストールのための GRUB ベースのブート」を参照してください。
DVD-ROM ドライブまたは CD-ROM ドライブが直接接続されていないマシンやドメインに Solaris OS をインストールする場合は、別のマシンに接続されている DVD-ROM ドライブまたは CD-ROM ドライブを使用できます。手順の詳細は、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (ネットワークインストール)』の付録 B「リモートからのインストールまたはアップグレード (作業)」を参照してください。
DVD からインストールする場合は、Solaris 10 Operating System DVD (x86 版) を使用してください。
CD メディアからインストールする場合は、次の CD を使用してください。
Solaris 10 SOFTWARE CD。
Solaris 10 LANGUAGES CD (x86 版) – 特定の地域の言語をサポートするために必要な場合、インストールプログラムがこの CD を挿入するように要求します。
非大域ゾーンがインストールされているシステムをアップグレードする場合、Solaris 10 SOFTWARE CD を使用することはできません。Solaris 10 Operating System DVD または DVD ベースのネットワークインストールイメージを使用する必要があります。
使用するハードウェアに Solaris OS をインストールするために必要なインストール時更新 (ITU) やドライバをすべて入手します。ITU や追加のドライバが必要かどうかを調べるには、ハードウェアのマニュアルを参照してください。
システムの最小要件を満たしていることを確認します。
システムの必要条件は次のとおりです。
メモリー - 512M バイト以上
ディスク容量 – 6.8G バイト以上
プロセッサ速度 - 120 MHz 以上。ハードウェアによる浮動小数点サポートが必要です
システム要件の詳細については、「システム要件と推奨事項」を参照してください。
Sun Microsystems, Inc. 以外で製造されたシステムに Solaris OS をインストールする場合は、インストールを開始する前に、Solaris Hardware Compatibility List (http://www.sun.com/bigadmin/hcl) を確認してください。
Solaris OS のインストールに必要な情報を収集します。
ネットワークに接続されていないシステムの場合は、次の情報を収集します。
インストールするシステムのホスト名
システムで使用する予定の言語とロケール
ネットワークに接続されたシステムの場合は、次の情報を収集します。
インストールするシステムのホスト名
システムで使用する予定の言語とロケール
ホスト IP アドレス
サブネットマスク
ネームサービスの種類 (DNS、NIS、NIS+ など)
ドメイン名
ネームサーバーのホスト名
ネームサーバーのホスト IP アドレス
root パスワード
システムをインストールするために収集する必要のある情報については、「インストール用のチェックリスト」を参照してください。システムのアップグレードを行う場合は、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』の「アップグレード用のチェックリスト」を参照してください。
(省略可能) システムのバックアップをとります。
既存のデータやアプリケーションを保存するには、システムのバックアップをとります。システムのバックアップ手順についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 24 章「ファイルシステムのバックアップと復元 (概要)」を参照してください。
適切なメディアをシステムに挿入します。
Solaris 10 Operating System DVD または Solaris 10 SOFTWARE - 1 CD からブートする場合は、そのディスクを挿入します。この場合、システムの BIOS が DVD または CD からのブートをサポートしている必要があります。
DVD または CD からブートするように BIOS を手動で設定する必要が生じることもあります。BIOS の設定方法については、ハードウェアのマニュアルを参照してください。
CD または DVD からブートするように BIOS を手動で設定する必要がある場合は、システムのブート処理を中断する適切なキーシーケンスを入力します。
BIOS でブート優先順位を変更し、BIOS を終了してインストールプログラムに戻ります。
メモリーテストとハードウェア検出が実行されます。画面が再表示されます。GRUB メニューが表示されます。
GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory) +-------------------------------------------------------------------------+ | Solaris | | Solaris Serial Console ttya | | Solaris Serial Console ttyb (for lx50, v60x and v65x) | | | | | +-------------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
現在のシステムに CD または DVD から Solaris OS をインストールする場合は、「Solaris」を選択して Enter キーを押します。
デフォルト値を使用してシステムをインストールする場合は、このオプションを選択します。
インストールする Solaris OS の画面出力をシリアルコンソール ttya (COM1) に送信する場合は、「Solaris Serial Console ttya」を選択します。
システムディスプレイをシリアルポート COM1 に接続されたデバイスに変更する場合は、このオプションを選択します。
インストールする Solaris OS の画面出力をシリアルコンソール ttyb (COM2) に送信する場合は、「Solaris Serial Console ttyb」を選択します。
システムディスプレイをシリアルポート COM2 に接続されたデバイスに変更する場合は、このオプションを選択します。
ブート引数を指定して Solaris OS をインストールする場合は、次の手順に従ってください。
インストール時にシステム構成をカスタマイズする場合は、ブート引数を使用します。
GRUB メニューで、編集するインストールオプションを選択してから、e キーを押します。
GRUB メニューに、次のようなブートコマンドが表示されます。
kernel /boot/multiboot kernel/unix -B install_media=cdrom module /boot/x86.miniroot |
矢印キーを使用して編集するブート項目を選択してから、e キーを押します。
編集するブートコマンドが、GRUB 編集ウィンドウに表示されます。
使用するブート引数またはオプションを入力して、ブートコマンドを編集します。
GRUB 編集メニューでは、次のコマンド構文を使用します。
grub edit>kernel /boot/multiboot kernel/unix/ \ install [url|ask] -B options install_media=media_type |
ブート引数およびコマンド構文については、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 10 章「ネットワークインストールの準備 (コマンドリファレンス)」を参照してください。
GRUB メニューに戻るには、Enter キーを押します。
GRUB メニューが表示されます。ブートコマンドに行なった編集が表示されます。
インストールを開始するには、GRUB メニューに b と入力します。
デフォルトのブートディスクが、システムのインストールまたはアップグレードに必要な条件を満たしているかどうかが検査されます。Solaris インストールがシステム構成を検出できない場合は、不足している情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。
検査が完了すると、インストールの選択画面が表示されます。
インストールの選択画面には、次のオプションが表示されます。
Select the type of installation you want to perform: 1 Solaris Interactive 2 Custom JumpStart 3 Solaris Interactive Text (Desktop session) 4 Solaris Interactive Text (Console session) 5 Apply driver updates 6 Single user shell Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key. Alternatively, enter custom boot arguments directly. If you wait 30 seconds without typing anything, an interactive installation will be started. |
Solaris OS をインストールするには、次の中からいずれかを選択します。
Solaris の対話式インストール GUI を使ってインストールするには、1 と入力してから Enter キーを押します。
デスクトップセッションで対話式テキストインストーラを使ってインストールするには、3 と入力してから Enter キーを押します。プロンプトに b - text と入力することもできます。
このインストールの種類を選択すると、デフォルトの GUI インストーラを無効にしてテキストインストーラを実行します。
コンソールセッションで対話式テキストインストーラを使ってインストールするには、4 と入力してから Enter キーを押します。プロンプトに b - text と入力することもできます。
このインストールの種類を選択すると、デフォルトの GUI インストーラを無効にしてテキストインストーラを実行します。
自動的なカスタム JumpStart インストール (オプション 2) を実行する場合は、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』を参照してください。
Solaris インストール GUI およびテキストインストーラの詳細は、「システム要件と推奨事項」を参照してください。
システムでデバイスとインタフェースが構成され、構成ファイルが検索されます。kdmconfig ユーティリティーでは、システムのキーボード、ディスプレイ、およびマウスの構成に必要なドライバが検出されます。インストールプログラムが開始します。手順 6 に進んでインストールを続行してください。
インストールする前にシステム管理作業を実行する場合は、次のいずれかの操作を行います。
ドライバを更新するか、インストール時更新 (ITU) をインストールする場合は、更新するためのメディアを挿入して 5 を入力し、Enter キーを押します。
使用するシステム上で Solaris OS を実行するために、ドライバの更新または ITU のインストールが必要になる場合があります。ドライバの更新または ITU のインストールを行う手順に従ってください。
システム管理作業を実行する場合は、6 を入力してから、Enter キーを押します。
インストールする前にシステム管理作業を実行する場合には、シングルユーザーシェルを起動します。インストールする前に実行できるシステム管理作業については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。
これらのシステム管理作業が完了すると、前の手順で表示されたオプションリストが表示されます。インストールを続行する場合は、適切なオプションを選択してください。
kdmconfig ユーティリティーは、システムのビデオドライバを検出できないと 640x480 VGA ドライバを選択します。640x480 VGA ドライバでは、Solaris インストール GUI を表示できません。その結果、Solaris インストールのテキストインストーラが表示されます。Solaris インストール GUI を使用するには、kdmconfig ユーティリティーを使って適切なビデオドライバを選択する必要があります。
設定を変更する必要がない場合は、「Window System Configuration for Installation」画面をタイムアウトにします。手順 12 に進んでください。
設定を変更する必要がある場合は、次の手順に従ってください。
ESC キーを押します。
インストールを中断してデバイスの設定を変更するには、5 秒以内に Esc キーを押す必要があります。
「kdmconfig – Introduction」画面が表示されます。
「kdmconfig – View and Edit Window System Configuration」画面の構成情報を確認し、編集する必要のあるデバイスを判断します。
変更するデバイスを選択し、「F2_継続」を押します。
デバイスに適したドライバを選択し、「F2_継続」を押します。
構成情報の確認が終わったら、「No changes needed – Test/Save and Exit」を選択し、「F2_継続」を押します。
「kdmconfig Window System Configuration Test」画面が表示されます。
「F2_継続」を押します。
画面が再表示され、「kdmconfig Window System Configuration Test palette and pattern」画面が表示されます。
ポインタを移動でき、パレット上に示されている色が正しく表示されていることを確認します。
色が正しく表示されていない場合は、「No」をクリックします。可能な場合、キーボードのいずれかのキーを押すか、「kdmconfig Window System Configuration Test」画面が自動的に終了するのを待ちます。そして、一連の色が正しく表示され、ポインタを正しく移動できるまで、手順 a から手順 h を繰り返します。
一連の色が正しく表示されている場合は、「Yes」をクリックします。
数秒後に「Select a Language」(言語選択) 画面が表示されます。
インストールで使用する言語を選択し、Enter キーを押します。
数秒後に「Solaris インストールプログラム」画面が表示されます。
Solaris GUI インストールプログラムを実行している場合は、図 2–5 のような画面が表示されます。
Solaris テキストインストーラをデスクトップセッションで実行している場合は、図 2–6 のような画面が表示されます。
「次へ」をクリックしてインストールを開始します。構成に関する残りの質問が表示される場合は、それらに答えます。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合は、構成情報の入力は求められません。詳細は、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 6 章「システム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合以外は、インストールプログラムのいくつかの画面で情報の入力が求められます。「インストール用のチェックリスト」を参照して、構成の質問に答えてください。
構成の質問に答え終わると、「ようこそ」画面が表示されます。
システムのリブートとディスクの取り出しを自動的に行うかどうかを決定します。「次へ」をクリックします。
「媒体の指定 (Specify Media)」画面が表示されます。
インストールに使用するメディアを指定します。「次へ」をクリックします。
ライセンス画面が表示されます。
インストールを続行する場合は、ライセンス条項に同意します。「次へ」をクリックします。
その後、システムがアップグレード可能かどうかが判定されます。システムをアップグレードするには、Solaris ルート (/) ファイルシステムがすでに存在している必要があります。Solaris インストールプログラムは、必要な条件を検出すると、アップグレードを行います。
「「アップグレード」または「初期」インストールの選択」画面が表示されます。
初期インストールまたはアップグレードのいずれかを選択します。「次へ」をクリックします。
インストールを開始する前に診断・サービスパーティションをシステムに復元すると、Solaris OS にアップグレードできなくなることがあります。詳細は、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』の「アップグレード計画」を参照してください。
非大域ゾーンがインストールされているシステムをアップグレードする場合は、次の手順に従ってください。
初期インストールかアップグレードかを選択するプロンプトが表示されたら、「アップグレード」を選択します。「次へ」をクリックします。
複数のルート (/) パーティションが存在するシステムの場合は、「アップグレードするバージョンの選択」パネルでアップグレードするパーティションを選択します。
Solaris インストールプログラムは、このアップグレードをカスタマイズすることはできないというメッセージを表示します。Solaris インストールプログラムは、このシステムをアップグレードできるかどうかを判断するために、システムを解析します。 「アップグレードの準備完了」パネルが表示されます。
ルートパーティションが 1 つだけの場合、Solaris インストールプログラムはアップグレードするパーティションを選択するプロンプトを表示しません。パーティションは自動的に選択されます。
アップグレードを続行する場合は、「アップグレードの準備完了」パネルの「インストール開始」をクリックします。
Solaris インストールプログラムは、システムのアップグレードを開始します。アップグレードが完了したあと、保存されなかったローカルな変更があればそれを修正する必要があります。詳細な情報を得るには、手順 15 の手順 a に進んでください。
アップグレードを続行しない場合は、「戻る」をクリックして初期インストールを実行します。
実行するインストールの種類を選択します。「次へ」をクリックします。
全体ディストリビューションをインストールするには、「デフォルトインストール」を選択します。
次の作業を行うには、「カスタムインストール」を選択します。
特定のソフトウェアグループをインストールする
追加のソフトウェアをインストールする
特定のソフトウェアパッケージをインストールする
特定のロケールをインストールする
ディスク配置をカスタマイズする
ソフトウェアグループの詳細については、「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。fdisk パーティションのカスタマイズについては、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「パーティション分割の推奨事項」を参照してください。
テキストインストーラでは、「デフォルトインストール」か「カスタムインストール」かの選択は表示されません。デフォルトインストールを実行するには、テキストインストーラに表示されるデフォルト値をそのまま使用します。カスタムインストールを実行するには、テキストインストーラの画面で値を編集します。
構成に関する追加の質問が表示される場合は、それらに答えます。
システムのインストールに必要な情報を指定し終わると、「インストールの準備完了」画面が表示されます。
「インストール開始」をクリックして、Solaris ソフトウェアをインストールします。画面に示される手順に従って、Solaris ソフトウェアと追加ソフトウェア (必要な場合) をシステムにインストールします。
Solaris インストールプログラムによる Solaris ソフトウェアのインストールが終了すると、システムは自動的にリブートするか、または手動でリブートするように促します。
インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、/var/sadm/system/logs ディレクトリと /var/sadm/install/logs ディレクトリに作成されます。
インストール時に自動リブートを選択しなかった場合は、システムをリブートします。
# reboot |
使用するマシンに複数のオペレーティングシステムをインストールする場合、 ブートするためには、それらのオペレーティングシステムを GRUB ブートローダーに認識させる必要があります。詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB メニューを編集して Solaris のブート動作を変更する」を参照してください。
インストールやアップグレードで問題が発生する場合は、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の付録 A「問題発生時の解決方法 (作業)」を参照してください。