Oracle Solaris Trusted Extensions 管理の手順

Trusted Extensions が提供する保護

Trusted Extensions ソフトウェアは Solaris OS の保護を強化します。Solaris OS は、パスワードが必要なユーザーアカウントを使用して、システムへのアクセスを保護します。パスワードの定期的な変更を要求したり、パスワードの長さを指定することもできます。役割で管理タスクを実行するには、追加のパスワードが必要です。役割はログインアカウントとして使用できないため、認証を追加することで、root ユーザーのパスワードを推測した侵入者から受ける被害を小さくできます。Trusted Extensions ソフトウェアは、ユーザーと役割を承認されたラベル範囲にさらに限定します。このラベル範囲は、ユーザーと役割がアクセスできる情報を制限します。

Trusted Extensions ソフトウェアでは、トラステッドパスシンボルが表示されます。これは、トラステッドストライプの左に表示される、不正操作を防ぐための明白な目印です。Trusted CDE では、トラステッドストライプは画面の最下部に表示されます。Trusted JDS では、画面の最上部に表示されます。トラステッドパスシンボルは、システムのセキュリティーに影響する部分を使用していることをユーザーに通知します。ユーザーがトラステッドアプリケーションを実行しているときに、このシンボルが表示されていない場合は、実行中のアプリケーションが本物であることをただちに確認するようにしてください。トラステッドストライプが表示されない場合、デスクトップは信頼できません。デスクトップ表示の例については、図 1–1 を参照してください。

図 1–1 Trusted Extensions マルチレベル CDE デスクトップ

ウィンドウおよびアイコン上のラベル、トラステッドシンボルとワークスペースラベルが表示されたトラステッドストライプを示す画面

セキュリティーにもっとも関連するソフトウェアであるトラステッドコンピューティングベース (TCB) は、大域ゾーンで動作します。一般ユーザーは、大域ゾーンに入ったり、大域ゾーンのリソースを表示することはできません。パスワードを変更する場合など、ユーザーは TCB ソフトウェアを対話的に実行できます。トラステッドパスシンボルは、ユーザーが TCB と対話するときに常に表示されます。