Oracle Solaris Trusted Extensions 管理の手順

Procedureトラステッドネットワークデータベース情報とカーネルキャッシュを比較する

ネットワークデータベースには、カーネルにキャッシュされない情報が含まれている場合があります。この手順では、情報が同じことをチェックします。Solaris 管理コンソールを使用してネットワークを更新すると、カーネルキャッシュはネットワークデータベース情報を含み更新されます。tninfo コマンドはテスト時およびデバッグ時に役立ちます。

始める前に

ネットワーク設定をチェックできる役割で、大域ゾーンにいる必要があります。セキュリティー管理者役割とシステム管理者役割が、これらの設定をチェックできます。

  1. 端末ウィンドウで、tninfo コマンドを実行します。

    • tninfo -h hostname は、指定したホストの IP アドレスとテンプレートを表示します。

    • tninfo -t templatename は、次の情報を表示します。


      template: template-name
      host_type: either CIPSO or UNLABELED
      doi: 1
      min_sl: minimum-label
      hex: minimum-hex-label
      max_sl: maximum-label
      hex:maximum-hex-label
      
    • tninfo -m zone-name は、ゾーンのマルチレベルポート (MLP) 構成を表示します。


例 13–16 ホスト上のマルチレベルポートの表示

この例のシステムには、複数のラベル付きゾーンが設定されています。すべてのゾーンが、同じ IP アドレスを共有します。一部のゾーンは、ゾーン固有のアドレスでも構成されます。この構成では、Web ブラウザ用の TCP ポートであるポート 8080 が、Public ゾーンの共有インタフェース上の MLP です。管理者は、telnet、TCP ポート 23 も、Public ゾーンの MLP として設定します。これら 2 つの MLP は共有インタフェース上にあるので、大域ゾーンも含めたほかのゾーンは、ポート 8080 および 23 の共有インタフェース上ではパケットを受信できません。

さらに、ssh 用の TCP ポートであるポート 22 は、Public ゾーンのゾーンごとの MLP です。Public ゾーンの ssh サービスは、ゾーン固有のアドレスで、そのアドレスのラベル範囲にあるどのパケットも受信できます。

次のコマンドが Public ゾーンの MLP を示します。


$ tninfo -m public
private: 22/tcp
shared:  23/tcp;8080/tcp

次のコマンドが大域ゾーンの MLP を示します。大域ゾーンは Public ゾーンと同じアドレスを共有するため、ポート 23 および 8080 は大域ゾーンでは MLP になれません。


$ tninfo -m global
private: 111/tcp;111/udp;514/tcp;515/tcp;631/tcp;2049/tcp;
         6000-6003/tcp;38672/tcp;60770/tcp;
shared:  6000-6003/tcp