Trusted Extensions でのラベル付き印刷は、Solaris 印刷からの機能に依存します。Solaris OS では、プリンタモデルスクリプトがバナーページの作成を処理します。ラベル付けを実装するには、まずプリンタモデルスクリプトが印刷ジョブを PostScript ファイルに変換します。次に、PostScript ファイルを操作して本文ページにラベルを挿入し、バナーページとトレーラページを作成します。
Solaris プリンタモデルスクリプトは、PostScript をプリンタ固有の言語に変換することもできます。プリンタが PostScript 入力を受け付ける場合は、Solaris ソフトウェアがジョブをプリンタに送信します。プリンタが PostScript 入力を受け付けない場合は、PostScript 形式がラスターイメージに変換されます。ラスターイメージは、次に適切なプリンタフォーマットに変換されます。
PostScript ソフトウェアはラベル情報の出力に使用されるため、デフォルトではユーザーは PostScript ファイルを印刷できません。この制限のため、知識のある PostScript プログラマでも、プリンタ出力のラベルを修正する PostScript ファイルを作成することができません。
セキュリティー管理者役割は、役割アカウントと信頼できるユーザーに Print Postscript 承認を割り当てることによって、この制限を無効にすることができます。この承認は、そのアカウントがプリンタ出力のラベルを偽造しないと信頼できる場合にのみ割り当てられます。また、ユーザーによる PostScript ファイルの印刷を許可することが、サイトのセキュリティーポリシーと矛盾しないことが必要です。
プリンタモデルスクリプトを使うと、特定モデルのプリンタでバナーページとトレーラページを印刷できるようになります。Trusted Extensions には 4 つのスクリプトが用意されています。
tsol_standard - パラレルポート接続されたプリンタなど、直接接続された PostScript プリンタ用
tsol_netstandard - ネットワークアクセス可能な PostScript プリンタ用
tsol_standard_foomatic - 直接接続された、PostScript 形式を印刷しないプリンタ用
tsol_netstandard_foomatic - ネットワークアクセス可能な、PostScript 形式を印刷しないプリンタ用
foomatic スクリプトは、プリンタドライバ名が Foomatic で始まる場合に使用されます。Foomatic ドライバは、PostScript プリンタドライバ (PPD) です。
ラベル付きゾーンにプリンタを追加すると、印刷マネージャーで「PPD を使用」がデフォルトで指定されます。次に、PPD を使用してバナーページとトレーラページがプリンタの言語に変換されます。
変換フィルタは、テキストファイルを PostScript 形式に変換します。フィルタのプログラムは、プリンタデーモンにより実行されるトラステッドプログラムです。インストールされているフィルタプログラムによって PostScript 形式に変換されるファイルは、正式なラベルとバナーページおよびトレーラページテキストであると信頼できます。
Solaris ソフトウェアには、サイトで必要な変換フィルタがほとんど用意されています。サイトのシステム管理者役割は、追加のフィルタをインストールすることができます。これらのフィルタは、正式なラベルとバナーページおよびトレーラページを持つものと信頼できます。変換フィルタの追加については、『System Administration Guide: Printing』の第 7 章「Customizing LP Printing Services and Printers (Tasks)」を参照してください。