Solaris 10 5/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)

archive_location プロファイルキーワード

archive_location retrieval_type location
retrieval_type

retrieval_typelocation の値は、Solaris フラッシュアーカイブの格納場所によって異なります。retrieval_typelocation に使用できる値や、archive_location キーワードの使用例については、次の各項を参照してください。

location

場所の詳細については、次の各節を参照してください。


注意 – 注意 –

非大域ゾーンがインストールされていると、Solaris フラッシュアーカイブは正常に作成できません。Solaris フラッシュ機能には Solaris ゾーン区分技術との互換性はありません。Solaris フラッシュアーカイブを作成する場合、そのアーカイブの配備条件が次のいずれかの場合は、作成されたアーカイブは正しくインストールされません。


NFS サーバーに格納されたアーカイブ

アーカイブがネットワークファイルシステム (NFS) サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location nfs server_name:/path/filename retry n
server_name

アーカイブを格納するサーバーの名前です。

path

指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。

retry n

省略可能なキーワードです。n は、Solaris フラッシュユーティリティーがアーカイブのマウントを試みる最大回数です。


例 8–1 NFS サーバーに格納されたアーカイブ

archive_location nfs golden:/archives/usrarchive

archive_location nfs://golden/archives/usrarchive

HTTP または HTTPS サーバーに格納されたアーカイブ

アーカイブが HTTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location http://server_name:port/path/filename optional_keywords

アーカイブが HTTPS サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location https://server_name:port/path/filename optional_keywords
server_name

アーカイブを格納するサーバーの名前です。

port

オプションのポートです。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。

ポートを指定しない場合、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはデフォルトの HTTP ポート番号、80 を使用します。

path

指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。

optional_keywords

Solaris フラッシュアーカイブを HTTP サーバーから取得するときに指定できるオプションのキーワードです。

表 8–3 archive_location HTTP で使用可能なオプションのキーワード

キーワード 

値の定義 

auth basic user_name password

アーカイブがパスワード保護された HTTP サーバーに格納されている場合は、その HTTP サーバーへのアクセスに必要なユーザー名とパスワードをプロファイルに含める必要があります。 


注 –

カスタム JumpStart で使用しようとするプロファイルにおいてこの認証方法を使用することは、リスクを伴います。これは、承認されていないユーザーが、パスワードが入ったプロファイルにアクセスできる可能性があるためです。


timeout min

timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断され、再接続のあと、再開されます。timeout 値として0 (ゼロ) を指定すると、再接続は行われません。

  • タイムアウトによる再接続が発生すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはアーカイブを取得した最後の位置からインストールの再開を試みます。この位置での Solaris フラッシュインストールの再開が不可能な場合、アーカイブの初めから再度データの取得が行われ、タイムアウト前に取得されたデータは破棄されます。

  • パッケージのインストール中にタイムアウトによる再接続が発生すると、パッケージの先頭からインストールし直されます。タイムアウト以前に取得されたデータは破棄されます。

proxy host:port

proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しに Solaris フラッシュアーカイブを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。


例 8–2 HTTP または HTTPS サーバーに格納されたアーカイブ

archive_location http://silver/archives/usrarchive.flar timeout 5 

auth basic user_name password キーワードの例:

archive_location http://silver/archives/usrarchive.flar timeout 5 user1 secret

FTP サーバーに格納されたアーカイブ

アーカイブが FTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location ftp://user_name:password@server_name:port/path/filename optional_keywords
user_name:password

プロファイルファイルにおいて、FTP サーバーにアクセスするために必要なユーザー名とパスワードです。

server_name

アーカイブを格納するサーバーの名前です。

port

オプションのポートです。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。

ポートを指定しない場合、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはデフォルトの FTP ポート番号 21 を使用します。

path

指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。

optional_keywords

Solaris フラッシュアーカイブを FTP サーバーから取得するときに指定できるオプションのキーワードです。

表 8–4 archive_location FTP で使用可能なオプションのキーワード

キーワード 

値の定義 

timeout min

timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断され、再接続のあと、再開されます。timeout 値として0 (ゼロ) を指定すると、再接続は行われません。

  • タイムアウトによる再接続が発生すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはアーカイブを取得した最後の位置からインストールの再開を試みます。この位置での Solaris フラッシュインストールの再開が不可能な場合、アーカイブの初めから再度データの取得が行われ、タイムアウト前に取得されたデータは破棄されます。

  • パッケージのインストール中にタイムアウトによる再接続が発生すると、パッケージの先頭からインストールし直されます。タイムアウト以前に取得されたデータは破棄されます。

proxy host:port

proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しに Solaris フラッシュアーカイブを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。


例 8–3 FTP サーバーに格納されたアーカイブ

archive_location ftp://user1:secret@silver/archives/usrarchive.flar timeout 5

ローカルテープに格納されたアーカイブ

アーカイブがテープに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location local_tape device position
device

Solaris フラッシュアーカイブを格納したテープドライブの名前です。デバイス名が正規のパスである場合は、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはデバイスノードへのパスからアーカイブを取得します。正規のパスでないデバイス名を指定した場合は、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはパスに /dev/rmt/ を加えます。

position

アーカイブを保存したテープドライブ上の位置を示します。位置が指定されないと、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはテープドライブの現在の位置からアーカイブを取得します。position を指定することにより、テープドライブ上でアーカイブの前に開始スクリプトまたは sysidcfg ファイルを配置できます。


例 8–4 ローカルテープに格納されたアーカイブ

archive_location local_tape /dev/rmt/0n 5

archive_location local_tape 0n 5

ローカルデバイスに格納されたアーカイブ

ファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスクや DVD など) に Solaris フラッシュアーカイブを格納した場合は、ローカルデバイスから Solaris フラッシュアーカイブを取得できます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。


注 –

ローカルテープ用の構文を使用すると、ストリーム指向のデバイス (テープなど) からアーカイブを取得できます。



archive_location local_device device path/filename file_system_type
device

Solaris フラッシュアーカイブを格納したドライブの名前です。デバイス名が正規のパスである場合は、デバイスは直接マウントされます。正規のパスでないデバイス名を指定すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはパスに /dev/dsk/ を加えます。

path

Solaris フラッシュアーカイブへのパスです (指定したデバイス上のファイルシステムのルートからの相対的なパス)。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。

file_system_type

デバイス上のファイルシステムのタイプを指定します。ファイルシステムのタイプを指定しない場合、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは、UFS ファイルシステムのマウントを試みます。UFS のマウントに失敗すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは HSFS ファイルシステムのマウントを試みます。


例 8–5 ローカルデバイスに格納されたアーカイブ

UFS ファイルシステムとしてフォーマットされているローカルハードディスクからアーカイブを取得するには、次のコマンドを使用します。

archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/$HOST

HSFS ファイルシステムを持つローカル CD-ROM からアーカイブを取得するには、次のコマンドを使用します。

archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/usrarchive

ローカルファイルに格納されたアーカイブ

クローンシステムをブートしたミニルートに格納したローカルファイルのアーカイブを取得できます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、DVD、CD または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、DVD、CD または NFS ベースのミニルートに格納した Solaris フラッシュアーカイブは、ローカルファイルとしてアクセスできます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。


archive_location local_file path/filename 
path

アーカイブの位置です。このパスは、システムを Solaris SOFTWARE - 1 CD または Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムにローカルファイルとしてアクセスできるものでなければなりません。Solaris SOFTWARE - 1 CD または Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムは、/net などの自動マウントされたディレクトリへアクセスできません。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。


例 8–6 ローカルファイルに格納されたアーカイブ

archive_location local_file /archives/usrarchive