Solaris のシステム管理 (印刷)

サポートされていないプリンタの terminfo エントリを追加する

LP 印刷サービスは、インタフェースプログラムと terminfo データベースを使用して、以下の設定を行います。

各プリンタは、terminfo データベース内で短縮名を使用して識別されます。terminfo データベースで使用される短縮名は、TERM シェル変数を設定するのに使用する名前と同じです。また、この名前はプリンタを設定するときに指定するプリンタタイプでもあります。たとえば、各種の PostScript プリンタのエントリは、/usr/share/lib/terminfo/P ディレクトリに入っています。SunOS ソフトウェアリソースが提供するデフォルトエントリは、PS (PostScript 用) と PSR (Reverse PostScript 用) です。

プリンタの terminfo エントリが見つからなくても、ページサイズ、ピッチ、および文字セットを自動選択しないで、LP 印刷サービスでプリンタを使用できます。ただし、印刷要求ごとに正しいモードでプリンタが設定されないという問題が起きることがあります。

使用するプリンタタイプの terminfo エントリがないが、プリンタを正しいモードに設定しておく場合は、次のいずれかを行います。

terminfo データベース内の端末エントリやプリンタエントリには、多数の項目が入っており、定義されています。しかし、LP 印刷サービスはそのうち 50 未満の項目しか使用しません。プリンタで必要となる terminfo 項目の詳細については、「プリンタに必要な terminfo 項目」を参照してください。

Procedureサポートされていないプリンタの terminfo エントリを追加する方法


注 –

プリンタの terminfo エントリを作成する前に、まず、そのプリンタをサポートする既存の terminfo エントリがないことを確認してください。そのためには、類似するプリンタ用のエントリがあれば、それを使用してプリンタを設定してみてください。


  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. プリンタの terminfo エントリ名を決定します。

    /usr/share/lib/terminfo ディレクトリ内のディレクトリには、有効な terminfo エントリがすべて入っています。それを参考にしてプリンタ名を選択してください。

  3. プリンタの terminfo エントリファイルを作成します。

    LP 印刷サービスに新しいプリンタを追加するために 表 12–6 エントリ内で定義しなければならない項目については、Table 12–6 を参照してください。terminfo データベースの構造については、terminfo(4) のマニュアルページを参照してください。

    新しい terminfo エントリを作成しやすいように、infocmp コマンドを使用して既存の terminfo エントリをファイルに保存します。このコマンドは、作成したいエントリに似た terminfo エントリがある場合に便利です。たとえば、次のコマンドで ps エントリを ps_cust ファイルに保存すると、新しい terminfo エントリになります。

    infocmp ps > ps_cust

  4. terminfo エントリファイルをコンパイルして terminfo データベースに入れます。


    # tic terminfo_entry
    

    ここで、terminfo-entry 変数は、作成した terminfo エントリファイルです。

  5. /usr/share/lib/terminfo ディレクトリ内で新しい terminfo エントリファイルをチェックします。