この手順では、ppdmgr ユーティリティーを使用してシステムに新しい PPD ファイルを追加する方法について説明します。また、ppdmgr -a コマンドで対応する引数を使用して、PPD ファイルラベル、PPD リポジトリ、または PPD ファイルのソースパスを指定することもできます。ppdmgr コマンドを使用してシステムに PPD ファイルを追加する場合は、ファイルが、指定したラベルやリポジトリにコピーされてから圧縮されることに注意してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
# ppdmgr -a ppd-file-path [ -L label ] [ -R repository ] [-w] |
ppd-file-path で指定された PPD ファイルを PPD リポジトリにコピーしたあと、この変更が反映されるようにキャッシュファイル内の情報を更新します。
-L オプションが指定されていない場合、この PPD ファイルに割り当てられるデフォルトラベルは user です。
-R オプションが指定されていない場合、この PPD ファイルに割り当てられるデフォルトリポジトリは user です。
PPD ファイルのソースパスとそのファイルの名前を指定します。このファイルは -a オプションとともに使用され、ppd-file-path のコピーが、指定されたラベルを持つ指定されたリポジトリ内の指定されたラベルに追加されます。ppdmgr ユーティリティーは、.ppd または .ppd.gz のいずれかの拡張子を持つ有効な PPD ファイルを受け付けます。
PPD ファイルラベルを指定します。デフォルトラベルは user です。ラベル名には、移植可能ファイル名文字セットの文字が含まれている必要があります。ラベル名がハイフン (-) で始まっていたり、セミコロン (:) を含んでいたりしてはいけません。ラベル名が予約されたラベル名であってはいけません。
次のラベル名は予約されており、-a オプションとともに使用することはできません。
caches
ppdcache
manufaliases
all
PPD ファイルのいずれかのインストール場所を表す PPD ファイルリポジトリの名前を指定します。このオプションを使用する場合は、次のいずれかの PPD ファイルリポジトリを指定できます。
user (デフォルト)
admin
PPD ファイルがコピーされた場所のフルパスを表示します。-w オプションは、-a オプションとともに使用されている場合にのみ有効です。それ以外の場合、このオプションは無視されます。
次のいずれかの方法を使用して、PPD ファイルが追加されたことを確認します。
ファイルが Solaris 印刷マネージャーに表示されることを確認します。
Solaris 印刷マネージャーを起動します。
手順については、「Solaris 印刷マネージャーを起動する方法」を参照してください。
「プリンタのプロパティを変更」(ローカルまたはネットワーク) を選択します。
PPD ファイルを追加したプリンタを選択します。
指定した PPD ファイルが正常に追加された場合は、その情報が「プリンタドライバ」フィールドに表示されます。「Solaris 印刷マネージャーの「プリンタドライバ」フィールドの説明」を参照してください。
この例は、システムに PPD ファイル myHPprinter.ppd を追加する方法を示しています。
この例および以降の例では、指定されている path が変化することに注意してください。
# ppdmgr -a /net/somesystem/myHPprinter.ppd |
PPD ファイルのコピーが存在するシステム上のパスは /usr/share/model/ppd/system/foomatic/HP/myHPprinter.ppd.gz です。
このコマンドを -a オプションとともに使用すると、ファイルが user リポジトリ内の user ラベルにコピーされます。
この例は、PPD ファイル myHPprinter.ppd を、指定されたラベル Photos でシステムに追加する方法を示しています。
# ppdmgr -a /net/somesystem/myHPprinter.ppd -L Photos |
PPD ファイルのコピーが存在するシステム上のパスは /usr/share/model/ppd/Photos/HP/myHPprinter.ppd.gz です。
このコマンドを -a および -L オプションとともに使用すると、PPD ファイルが user リポジトリ内の Photos ラベルにコピーされます。
この例は、PPD ファイル myHPprinter.ppd をシステム上の admin リポジトリに追加する方法を示しています。
# ppdmgr -a /net/somesystem/myHPprinter.ppd -R admin |
PPD ファイルのコピーが存在するシステム上のパスは /usr/local/share/ppd/user/HP/myHPprinter.ppd.gz です。
このコマンドを -a および -R オプションとともに使用すると、ファイルが admin リポジトリ内の user ラベルディレクトリにコピーされます。
この例は、PPD ファイル myHPprinter.ppd を、Photos ラベルと admin リポジトリを指定してシステムに追加する方法を示しています。
# ppdmgr -a /net/somesystem/myHPprinter.ppd -L Photos -R admin |
PPD ファイルのコピーが存在するシステム上のパスは /usr/local/share/ppd/Photos/HP/myHPprinter.ppd.gz です。
このコマンドを -a、-L、および -R オプションとともに使用すると、ファイルが admin リポジトリ内の Photos ラベルにコピーされます。
この例は、PPD ファイル myHPprinter.ppd をシステムに追加したあと、PPD ファイルの出力先パスを表示する方法を示しています。PPD ファイルがコピーされたシステム上の場所を判定するには、ppdmgr コマンドをこのオプションとともに使用します。
# ppdmgr -a /net/somesystem/myHPprinter.ppd -w |
PPD ファイルのコピーが存在するシステム上のパスは /var/lp/ppd/user/HP/myHPprinter.ppd.gz です。
このコマンドを -a および -w オプションとともに使用すると、指定されたファイルが user リポジトリ内の user ラベルにコピーされます。
-w オプションは、-a オプションと組み合わせて使用されている場合にのみ有効です。それ以外の場合、このオプションは無視されます。
ppdmgr コマンド行オプションの詳細な説明、および PPD ファイルの追加に関するガイドラインについては、「ppdmgr ユーティリティーのコマンド行オプションの説明」を参照してください。