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Sun Java Enterprise System 2004Q2 インストールガイド 

第 10 章
ソフトウェアのアンインストール

この章では、Java Enterprise System コンポーネント製品をシステムからアンインストールする方法について説明します。この章で紹介するタスクを実行する前に、この章全体を読み、Java Enterprise System のインストールプロセスについてもよく理解しておく必要があります。

この章で説明する内容は、次のとおりです。


アンインストールの計画

Java Enterprise System のアンインストールモードは、インストール時に利用できるモードと同じで、グラフィカルインタフェースおよびテキストベースのインタフェースを使用する対話的なモード、および指定したパラメータファイルを使用するサイレントアンインストールモードがあります。インストール時に、Java Enterprise System インストールプログラムは次の場所に Java Enterprise System アンインストーラを格納します。

/var/sadm/prod/entsys/uninstall

ここでは、Java Enterprise System のアンインストールの概要について説明します。説明する内容は次のとおりです。

概要

Java Enterprise System の動作は、インストールしたコンポーネント製品、および各製品の相互関係によって異なります。アンインストーラを実行する際は次の点に注意してください。

製品の依存関係がアンインストールに与える影響

アンインストールを行う前に、インストールされているコンポーネント製品にアンインストールが与える影響をどのように処理するかを計画する必要があります。次の依存関係について、計画を立てる必要があります。

認識される依存

Java Enterprise System アンインストーラは、同一ホストにインストールされている製品間の依存関係だけを認識します。同一ホスト上で依存関係を持つコンポーネントをアンインストールしようとすると、アンインストーラはアンインストール処理を続行する前に警告を出力します。

たとえば、Portal Server がインストールされているホストから Identity Server をアンインストールしようとすると、アンインストーラは、Portal Server が Identity Server に依存していることを警告します。

また、専用システムにインストールされている Messaging Server をアンインストールするときは、次のコマンドを実行して事前に管理サーバーの設定を解除しておく必要があります。

/usr/bin/mpsadmserver unconfigure

この設定を解除したあと、アンインストーラを実行します。

認識されない依存

Java Enterprise System アンインストーラは、次の相互依存関係を認識しません。

リモートホストからの製品依存

一部のコンポーネント製品の依存関係は、リモートホストに配備されたコンポーネント製品によって解決されます。しかし、アンインストーラはこのような依存関係を認識しません。

たとえば、次の依存関係は、リモートホストに配備されているコンポーネント製品によって満足されています。

例: 両方の製品が同じホストに配備されている場合でも、Directory Server をアンインストールしようとした場合は、アンインストーラは Identity Server が Directory Server に依存することを警告しません。これは、異なるホスト上の別の Directory Server インスタンスが Identity Server をサポートする可能性があるためです。この例は、上に示したすべての依存関係に適用できます。

その他のコンポーネント製品をサポートする製品

あるコンポーネント製品が別のコンポーネント製品をサポートする場合、アンインストーラはこの関係を認識しません。

たとえば、Identity Server は Portal Server をサポートします。Portal Server をアンインストールしようとしても、Identity Server は Portal Server なしでも機能できるため、アンインストーラはこの関係について警告しません。


警告

コンポーネント製品をアンインストールするときは、どの製品がそのコンポーネントをサポートするかを調べ、適切に対処する必要があります。必要な追加設定を行わない場合、存在しなくなった製品をサポートするように設定されたコンポーネント製品がシステムに残されることになります。


設定による製品の依存関係

アンインストーラは、インストール後の設定によって生じる製品間の依存関係を認識しません。

たとえば、同じホストに Portal Server と Calendar Server をインストールし、Portal Server のカレンダーチャネルとして Calendar Server を使用するように Portal Server を設定したとします。これにより、Portal Server は Calendar Server に依存します。この場合、Calendar Server をアンインストールしようとしても、アンインストーラは Portal Server が Calendar Server に依存することを警告しません。


警告

設定によって生じる製品間の依存関係を調べ、データのバックアップ、依存製品の設定変更による依存関係の解消、適切な順序でのコンポーネントのアンインストールなど、適切な対応をとる必要があります。


アンインストール前のチェックリスト

次の表は、アンインストールを開始する前に必要なタスクを示しています。左の列は、タスクの一般的な実行順序を示し、中央の列は実行する操作を説明しています。右の列は、便利なその他の情報と参照先を示しています。

表 10-1 アンインストール前の作業 

順序

実行するタスク

便利な情報と参照先

1

Java Enterprise System インストーラを使用してシステムにインストールされたソフトウェアを確認する

「インストールされている Java Enterprise System コンポーネントの確認」

2

アンインストールする各コンポーネント製品に必要な処理を確認する

「製品の依存関係がアンインストールに与える影響」

「コンポーネント製品のアンインストールの詳細」

3

製品レジストリファイル (/var/sadm/install/productregistry) のコピーを作成する

製品レジストリのバックアップコピーは、インストールが失敗した場合にシステムの復旧に役立つ

4

以後のインストールでデータの再利用を考えている場合は、アンインストールするコンポーネント製品の設定データまたはユーザーデータをバックアップまたはアーカイブする

「コンポーネント製品のアンインストールの詳細」

コンポーネント製品のマニュアル:
http://docs.sun.com/db/prod/entsys?l=ja

5

設定ディレクトリをホストしている Directory Server が稼動していることを確認する

アンインストールするコンポーネント製品の設定をアンインストーラが正しく解除するには、この Directory Server インスタンスが稼動している必要がある

6

必要に応じて、管理サーバー、Directory Server、Identity Server の管理者アクセス情報を収集する

「アンインストーラ用の管理者アクセス権」

インストールされている Java Enterprise System コンポーネントの確認

各ホストにすでにインストールされている Java Enterprise System コンポーネント製品を確認するには、次のいずれかの手順を実行します。

アンインストーラによるインストール済みソフトウェアの表示
  1. root としてログインし、/var/sadm/prod/entsys ディレクトリから次のコマンドを実行して Java Enterprise System アンインストーラを起動します。
  2. ./uninstall -no

    オプションの -no パラメータを指定した場合、アンインストーラは実行されますが、ソフトウェアはアンインストールされません。このオプションは、アンインストーラの動作に慣れるために有用であり、また、続けて実行するサイレントアンインストール用の状態ファイルを作成する場合にも便利です。

  3. インストールされている製品のリストが表示されるまでアンインストーラのページを切り替えます。
  4. インストールされているコンポーネント製品のリストを確認したら、アンインストーラを終了します。
  5. ソフトウェアのアンインストールは行われません。

prodreg ユーティリティによるインストール済みソフトウェアの表示

prodreg ユーティリティを使用して、Java Enterprise System コンポーネントを含む、システムにインストールされているすべてのパッケージに関する情報を表示することができます。prodreg ユーティリティを実行すると、インストールされているパッケージに関する情報を示すウィンドウが表示されます。この情報は、製品の依存関係を調べる場合に便利です。また、prodreg ユーティリティは、インストールが不完全で、特別な処理が必要なパッケージも示します。prodreg ユーティリティは、Solaris 9 オペレーティングシステムと、Solaris 8 オペレーティングシステムの一部のバージョンで利用できます。

アンインストーラ用の管理者アクセス権

アンインストール対象として選択したコンポーネントによっては、管理サーバー、Directory Server、および Identity Server への管理者アクセス権を、アンインストーラに付与する必要があります。

ここで紹介する表は、管理サーバー、Directory Server、Identity Server の管理者アクセス権を付与するためにアンインストーラが必要とする情報を示しています。各表の左の列は、指定が必要な情報のグラフィカルモードのラベルと状態ファイルのパラメータを示します。右の列は、説明を示します。

表 10-2 必要な管理情報

ラベルと状態ファイルのパラメータ

説明

管理サーバー

管理者ユーザー ID
ADMINSERV_CONFIG_ADMIN_USER

設定ディレクトリ管理者のユーザー ID。管理サーバーは、この ID を使用して設定ディレクトリのデータを管理する

管理者のユーザーパスワード
ADMINSERV_CONFIG_ADMIN_PASSWORD

設定ディレクトリ管理者のパスワード

Directory Server 

管理者ユーザー ID
CONFIG_DIR_ADM_USER

設定ディレクトリに対して管理者権限を持つユーザーこのユーザーは、サフィックスの作成や削除など、Directory Server の設定を変更できるが、アクセス制御の制約を受ける

管理者パスワード
CONFIG_DIR_ADM_PASSWD

管理者のパスワード

Identity Server 

管理者ユーザー ID
IS_IAS7_ADMIN

Application Server 管理者のユーザー ID

管理者パスワード
IS_IAS7_ADMINPASSWD

Application Server 管理者のパスワード

ディレクトリマネージャ の DN
IS_DIRMGRDN

Directory Server に対して無制限のアクセス権を持つユーザーの識別名 (DN)

デフォルト値は cn=Directory Manager

ディレクトリマネージャパスワード
IS_DIRMGRPASSWD

ディレクトリマネージャのパスワード


グラフィカルモードでのアンインストーラの実行

「アンインストール前のチェックリスト」の作業が完了すると、アンインストーラを実行する準備が整います。ここでは、グラフィカルモードでアンインストールを行う手順について説明します。

テキストベースモードまたはサイレントモードを使用して Java Enterprise System コンポーネントをアンインストールする方法については、「テキストベースモードでのアンインストーラの実行」または「アンインストーラのサイレントモードでの実行」を参照してください。

アンインストール時に生じる問題については、第 11 章「トラブルシューティング」を参照してください。

グラフィカルアンインストーラを起動するには
  1. ローカルディスプレイへのアクセスを確保します。
    • Java Enterprise System インストーラは、ローカルディスプレイへのアクセスを必要とすることがあります。リモートマシンにログインする、または su コマンドを使用してローカルマシンのスーパーユーザーになる場合は、ローカルマシンで xhost コマンドを実行し、ローカルディスプレイにアクセスできるようにします。たとえば、すべてのユーザーにアクセスを許可するには、次のコマンドを使用します。
    • xhost +

    • リモートマシンにログインするときは、DISPLAY 環境変数がローカルディスプレイに適合した設定になっていることを確認します。DISPLAY 変数が正しく設定されていないと、インストーラはテキストベースで実行されます。
      • C Shell での例 (マシン名は myhost) :
      • setenv DISPLAY myhost:0.0

      • Korn シェルでの例 (マシン名は myhost) :
      • DISPLAY=myhost:0.0

  2. root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。
  3. 次のディレクトリに移動します。
  4. cd /var/sadm/prod/entsys/

  5. グラフィカルアンインストーラを起動します。
  6. ./uninstall

    「ようこそ」ページが表示されます。

  7. 「次へ」をクリックして処理を継続します。
アンインストールするコンポーネントを選択するには

「コンポーネントの選択」ページには、システム上で選択可能なすべての Java Enterprise System コンポーネントが一覧表示されます。

この画面例は、アンインストーラの「コンポーネントの選択」画面を示しています

  1. デフォルトの選択を確認し、アンインストールしないコンポーネント製品の選択を解除します。
    • システムにインストールされているコンポーネント製品は、自動的に削除対象として選択されます。システムにインストールされていないコンポーネント製品は選択できません。
    • コンポーネント製品によっては、サブコンポーネントを含むものもあります。それらのコンポーネントを展開すると、対応するサブコンポーネントが表示されます。
    • コンポーネントのすべてのサブコンポーネントが選択されている場合、それらすべての選択を解除するには、その親コンポーネントの選択を解除します。
    • コンポーネントとそのすべてのサブコンポーネントを選択するには、コンポーネントを展開し、各サブコンポーネントを選択します。単純に親コンポーネントを選択しただけでは、そのサブコンポーネントは選択されません。
    • サブコンポーネントを含むコンポーネントの選択を解除したときは、コンポーネントを展開し、サブコンポーネントのリストを確認します。
  2. 選択内容に問題がなければ、「次へ」をクリックします。
  3. アンインストーラは、削除対象として選択された製品間の認識可能な依存関係を検出すると、設定データが失われる可能性があることを知らせる警告メッセージを出力します。次のいずれかを選択できます。
    1. アンインストールを続行するには、「続行」をクリックします。
    2. 「コンポーネントの選択」ページに戻るには、「閉じる」をクリックします。
管理者アクセス権の付与

削除を指定したコンポーネント製品によっては、アンインストーラは管理者 ID とパスワードを要求します。アンインストーラに必要な情報の詳細については、「アンインストーラ用の管理者アクセス権」を参照してください。

  1. 必要な管理者情報を指定します。
  2. アンインストールを続行するには、「次へ」をクリックします。
アンインストールの準備が完了していることを確認するには

アンインストーラは、ソフトウェアをシステムから削除する前に、「アンインストールの準備が完了しています」ページを表示します。このページには、削除対象として選択されたコンポーネントと回復される合計ディスク容量が表示されます。

Screen capture of the uninstaller不 Ready to Uninstall screen.この画面例は、アンインストーラの「アンインストールの準備が完了しています」画面を示しています

  1. アンインストールの選択内容を確認します。
    1. 変更が必要な場合は、「戻る」を何度かクリックして「コンポーネントの選択」ページを表示します。
    2. 「コンポーネントの選択」ページの情報を必要に応じて変更します。
    3. 「次へ」をクリックし、アンインストーラページを再び先に進めます。
    4. アンインストーラは、ユーザーが以前に指定した値を記憶しています。ユーザーが以前に指定した値は変更可能です。

  2. 選択が確定したら、「アンインストールの準備が完了しています」ページの「次へ」をクリックします。
  3. アンインストーラはシステムからのソフトウェアの削除を開始し、次の情報を表示します。

    • 全体的な完了割合を示す進捗状況バー
    • 現在削除しているパッケージの名前
アンインストールセッションを終了するには

すべてのコンポーネント製品ソフトウェアの削除が完了すると、アンインストーラは「アンインストールが完了しました」ページを表示します。

  1. 「サマリの表示」ボタンまたは「ログの表示」ボタンをクリックすると、アンインストールに関する情報が表示されます。
    • アンインストールのサマリには、アンインストールされたコンポーネントがリスト表示され、アンインストールと設定解除の状態が示されます。
    • アンインストールログには、アンインストーラのログメッセージが記録されています。
    • アンインストールのサマリファイルとログファイルは、次の場所でも確認できます。

      /var/sadm/install/logs

  2. 「閉じる」をクリックしてアンインストーラを終了します。
  3. Messaging Server、Portal Server、または Sun Cluster 3.1 4/04 ソフトウェアをアンインストールした場合は、「アンインストール後の作業」に進み、各コンポーネントごとに必要なアンインストール後の作業を完了します。


テキストベースモードでのアンインストーラの実行

テキストベースインタフェースを使用すると、端末ウィンドウ内に表示されるプロンプトに順次応答することで、端末ウィンドウからアンインストーラを直接実行できます。テキストベースモードの操作方法は、アンインストーラとインストーラとで、若干の違いがあります。

次の表は、テキストベースのアンインストーラのプロンプトを説明しています。

表 10-3 テキストベースのアンインストーラのプロンプト 

処理

入力

デフォルト値を受け入れる

デフォルト値は角かっこ ([ ]) で囲んで示される

Return キーを押す

リストから項目を選択する

項目に関連する番号を入力し、Return キーを押す

リストの選択を受け入れる

たとえば、リストからの選択を終え、作業を継続する

数字の 0 (ゼロ) を入力し、Return キーを押す

テキストフィールドに値を指定する

たとえば、ユーザー名やポート番号の指定が求められた場合など

値を入力し、Return キーを押す

パスワードを指定する

パスワードを入力し、Return キーを押す

パスワードは端末ウィンドウにエコー表示されない

アンインストーラの直前のページに戻る

< という文字を入力し、Return キーを押す

インストーラを終了する

! という文字を入力し、Return キーを押す

「アンインストール前のチェックリスト」の作業が完了すると、アンインストーラを実行する準備が整います。ここでは、テキストベースモードでアンインストールを行う手順について説明します。

アンインストール時に生じる問題については、第 11 章「トラブルシューティング」を参照してください。

テキストベースモードのアンインストーラを起動するには
  1. root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。
  2. 次のディレクトリに移動します。
  3. cd /var/sadm/prod/entsys/

  4. アンインストーラを実行します。
  5. ./uninstall -nodisplay

    「ようこそ」というメッセージが表示され、システムにインストールされているすべての Java Enterprise System コンポーネントがリスト表示されます。

アンインストールするコンポーネント製品を選択するには

アンインストールするコンポーネント製品を選択、および選択解除する方法については、「テキストベースのアンインストーラのプロンプト」を参照してください。


アンインストーラは、システムで検出される Java Enterprise System コンポーネントの削除を自動的に選択します。


  1. アンインストールするコンポーネントを選択するには、そのコンポーネントに対応する番号を入力し、Return キーを押します。たとえば、Web Server のアンインストールを選択するときは、1 と入力します。
  2. 複数のコンポーネントのアンインストールを一度に選択することはできません。アンインストールするコンポーネントごとに、選択操作を繰り返す必要があります。


    複数のセッションで Java Enterprise System コンポーネント製品をインストールした場合は、製品選択リストを複数回表示して、アンインストールする製品を選択する必要があります。選択時にコンマで区切られたリストを指定することはできません。


  3. アンインストールを選択したコンポーネントの選択を解除するには、対応する番号を入力し、Return キーを押します。たとえば、Web Server は 1 に対応しています。選択を解除するには、1 を入力してから Return キーを押します。
  4. 複数のコンポーネントを選択してアンインストールの選択を同時に解除することはできません。アンインストールの選択を解除するコンポーネントごとに、手順を繰り返す必要があります。

  5. 選択内容に問題がなければ、数値 0 (ゼロ) を入力し、Return キーを押します。
  6. アンインストーラは、削除対象として選択された製品間の依存関係を検出すると、設定データが失われる可能性があることを知らせる警告メッセージを出力します。次のいずれかを選択できます。

    1. アンインストールを続行するには、Yes と入力し、Return キーを押します。
    2. 「コンポーネントの選択」ページに戻るには、No と入力し、Return キーを押します。
    3. アンインストールを終了するには、! を入力し、Return キーを押します。
管理者アクセス権の付与

アンインストーラが管理者 ID とパスワードを必要とする製品を選択した場合は、管理者 ID とパスワードが要求されます。アンインストーラに必要な情報の詳細については、「アンインストーラ用の管理者アクセス権」を参照してください。

  1. 必要な管理者情報を指定します。
  2. アンインストールを続行するには、「次へ」をクリックします。
アンインストールの準備が完了していることを確認するには

アンインストーラは、ソフトウェアをシステムから削除する前に、サマリページを表示します。このページには、削除対象として選択されたコンポーネントが表示されます。

  1. 選択内容を確認します。
    1. 変更が必要な場合は、「コンポーネントの選択」画面が表示されるまで、< 文字を入力し Return キーを押してページを順に移動します。
    2. 「コンポーネントの選択」リストを必要に応じて変更します。
    3. アンインストーラ画面を再び先に進めます。
  2. 選択内容に問題がなければ、数値 1 を入力し、Return キーを押します。
  3. アンインストーラは、システムからのソフトウェアの削除を開始します。アンインストール時に、アンインストーラは全体的な完了割合を示す進捗状況バーを表示します。

アンインストールセッションを終了するには

すべてのコンポーネント製品ソフトウェアが削除されたら、アンインストールサマリおよびログを表示することができます。

  1. 1 または 2 を入力し、Return キーを押してアンインストールに関する情報を表示します。
    • アンインストールのサマリ: 1 を入力すると、アンインストールされたすべてのコンポーネント製品のリストと、コンポーネントの設定情報のリストが表示されます。
    • アンインストールのログ:    2 を入力すると、アンインストール時にアンインストーラが出力したすべてのメッセージのリストが表示されます。
    • アンインストールのサマリファイルとログファイルは、次の場所でも確認できます。

      /var/sadm/install/logs

  2. ! 文字を入力してアンインストーラを終了します。
  3. Messaging Server、Portal Server、または Sun Cluster 3.1 4/04 ソフトウェアをアンインストールした場合は、「アンインストール後の作業」に進み、各コンポーネントごとに必要なアンインストール後の作業を完了します。


アンインストーラのサイレントモードでの実行

サイレントアンインストールは、設定内容が似ている複数のホスト上の Java Enterprise System コンポーネントをアンインストールする場合に便利です。

サイレントモードでのアンインストール手順は、第 6 章「サイレントモードでのソフトウェアのインストール」で説明されているサイレントモードでのインストール手順に似ています。

ここでは、次の手順について説明します。

状態ファイルを生成するには

サイレントアンインストール用の状態ファイルを作成するには、次のようにグラフィカルモードまたはテキストベースモードでアンインストーラを実行し、状態ファイルを生成する必要があります。

  1. root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。
  2. 次のディレクトリに移動します。
  3. cd /var/sadm/prod/entsys/

  4. アンインストーラのグラフィカルインタフェースを使用する場合は、ローカルディスプレイへのアクセスを確保します。
    • Java Enterprise System インストーラは、ローカルディスプレイへのアクセスを必要とすることがあります。リモートマシンにログインする、または su コマンドを使用してローカルマシンのスーパーユーザーになる場合は、ローカルマシンで xhost コマンドを実行し、ローカルディスプレイにアクセスできるようにします。たとえば、すべてのユーザーにアクセスを許可するには、次のコマンドを使用します。
    • xhost +

    • リモートマシンにログインするときは、DISPLAY 環境変数がローカルディスプレイに適切に設定されていることを確認します。DISPLAY 変数が正しく設定されていないと、インストーラはテキストベースで実行されます。
      • C Shell での例 (マシン名は myhost) :
      • setenv DISPLAY myhost:0.0

      • Korn シェルでの例 (マシン名は myhost) :
      • DISPLAY=myhost:0.0

  5. 次のコマンドを使用してアンインストーラを実行します。
  6. ./uninstall [-no] [-nodisplay] -saveState statefile

    各オプションの意味は次のとおりです。

    -no

    アンインストーラがソフトウェアをアンインストールするのを防止する

    -nodisplay

    アンインストーラを対話的なテキストベースモードで起動する。このオプションを指定しない場合、アンインストーラはグラフィカルモードで起動される

    -saveState

    statefile によって指定される場所に状態ファイルを生成するようにアンインストーラに指示する。生成する状態ファイルへの絶対パスまたは相対パスを指定する

    statefile

    生成する状態ファイルへの絶対パスまたは相対パスを指定する

  7. アンインストーラを最後まで実行します。
  8. ユーザーがアンインストーラに応答するたびに、アンインストーラはその内容を指定された状態ファイルに記録します。アンインストールが完了すると、指定された場所に状態ファイルが保存されます。

ホストに合わせて状態ファイルを編集するには

サイレントアンインストールを実行するホストごとに、この状態ファイルのコピーを編集し、各ホストに固有の情報を準備します。状態ファイルの編集については、「状態ファイルの編集」を参照してください。また、状態ファイルの編集には、状態ファイル ID の生成も含まれる可能性があります。これについては、「プラットフォームに適した状態ファイル ID の作成」を参照してください。

アンインストーラをサイレントモードで実行するには
  1. Java Enterprise System コンポーネントをアンインストールするホストの状態ファイルが適切に準備され、編集されていることを確認します。
  2. 端末ウィンドウを開きます。
  3. root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。
  4. 次のディレクトリに移動します。
  5. cd /var/sadm/prod/entsys/

  6. アンインストーラを次の形式で起動します。
  7. ./uninstall -noconsole -state statefile

    各オプションの意味は次のとおりです。

    -nodisplay

    グラフィカル表示を抑制する

    -noconsole

    ユーザーインタフェースを抑制し、アンインストーラをサイレントモードで起動する

    -state

    指定された statefile をサイレントアンインストールの入力として使用する

    statefile

    statefile への絶対または相対パス名を指定する

サイレントアンインストールの進行状況を監視するには
  1. 端末ウィンドウで、ログファイルのディレクトリに移動します。
  2. cd /var/sadm/install/logs

  3. 現在のアンインストールに関するログファイルを探します。監視対象のログファイルは、次のとおりです。
  4. Java_Enterprise_System_uninstall.Btimestamp

    timestamp 変数は、ログの作成時刻を表します。形式は MMddhhmm です。各要素の意味は次のとおりです。

    MM

    月を示す

    dd

    日付を示す

    hh

    時間を示す

    mm

    分を示す

  5. tail コマンドを使用して、ログに書き込まれるメッセージを監視します。
  6. 例:

    tail -f log-file-name


アンインストール後の作業

ここでは、システムから Java Enterprise System コンポーネント製品をアンインストールした後で実行が必要となる作業について説明します。実際に必要となる作業は、アンインストールしたコンポーネントによって異なります。

Messaging Server で必要となる作業

場合によっては、インストールファイルの一部またはすべてが削除されないことがあります。最終的なクリーンアップを行うには、Messaging Server のベースディレクトリとその内容を削除します。デフォルトのベースディレクトリは、次の場所です。

/opt/SUNWmsgsr

また、Messaging Server の設定ディレクトリも削除できます。Messaging Server のデフォルトの設定ディレクトリは、次の場所です。

/var/opt/SUNWmsgsr

sendmail の設定

Messaging Server をアンインストールしたあと、Messaging Server 用の sendmail の設定をすべて元に戻してください。

Identity Server で必要となる作業

Web コンテナ (Adnministration Server または Web Server) をアンインストールせずに、Identity Server だけをアンインストールした場合は、Identity Server を配備していたインスタンスに設定の変更を適用する必要があります。

場合によっては、Identity Server ファイルの一部またはすべてが削除されないことがあります。最終的なクリーンアップを行うには、次の 2 つのディレクトリとその内容を削除します。

Sun Cluster ソフトウェアと Sun Java System 用 Sun Cluster エージェント

Sun Cluster ソフトウェアがインストールされているが、クラスタノードの設定に一度も使用されていない場合を除き、Sun Cluster ソフトウェアの削除には、Java Enterprise System アンインストーラを使用しないでください。Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールには、Sun Cluster のインストール時に提供されるユーティリティを使用します。Sun Cluster Core と Sun Java System 用 Sun Cluster エージェントは、同時に削除する必要があります。

Sun Cluster ソフトウェアの設定解除のアンインストールの詳細については、Sun Cluster ソフトウェアのドキュメント (SPARC の場合は http://docs.sun.com/coll/1124.1、x86 の場合は http://docs.sun.com/coll/1125.1) を参照してください。

Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールしたら、/var/sadm/install/productregistry ファイルを編集して、Sun Cluster ソフトウェアへの参照を削除します。


ヒント

productregistry ファイルを編集する前に、バックアップをとってください。このファイルには、Java Enterprise System が正常に稼動する上で重要な情報が記録されています。




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