Sun Java Communications Suite 5 インストールガイド

付録 B Calendar Server のインストール前の考慮事項について

この付録では、Calendar Server のインストール前に考慮が必要な事項について説明します。

この付録は、次の節で構成されています。

Calendar Server の管理者の計画

Calendar Server の管理者には、次の管理者が含まれます。

Calendar Server 管理者 (calmaster)

Calendar Server 管理者とは、関連付けられた特定のユーザー名とパスワードの組み合わせのうち、Calendar Server の管理権限を付与されているもののことです。たとえば、Calendar Server 管理者は Calendar Server サービスの起動と停止、ユーザーの追加と削除、カレンダーの作成と削除などを実行できます。このユーザーは Calendar Server の管理権限を持ちますが、ディレクトリサーバーの管理権限を持つとは限りません。

Calendar Server 管理者のデフォルトのユーザー ID は calmaster ですが、Calendar Server の設定時に別のユーザーを指定することもできます。インストール後に別のユーザーを指定する場合は、ics.conf ファイルの service.admin.calmaster.userid パラメータの設定を変更します。

Calendar Server 管理者として指定するユーザー ID は、ディレクトリサーバー内の有効なユーザーアカウントである必要があります。Calendar Server の設定時に Calendar Server 管理者のユーザーアカウントがディレクトリサーバーに存在していない場合には、設定プログラムがアカウントを自動的に作成します。

ics.conf ファイルの Calendar Server 管理者用設定パラメータの完全なリストについては、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』を参照してください。

Calendar Server ユーザーおよびグループ

Solaris システムでは、これらの特別なアカウントは Calendar Server の実行に使用されるユーザー ID とグループ ID を示しています。特別なアカウントが存在しないときは、設定プログラムによって自動的に作成されるデフォルト値 icsuser および icsgroup を使用してください。ただし、Calendar Server 設定プログラムの実行時に icsuser および icsgroup 以外の値を指定することもできます。これらの値は、それぞれ ics.conf ファイルの local.serveruid パラメータおよび local.servergid パラメータに格納されます。

スーパーユーザー (root)

Solaris ソフトウェアが稼働するマシン上では、Calendar Server をインストールするには superuser (root) としてログインするか、あるいは superuser になる必要があります。コマンド行ユーティリティーを使用して superuser として実行し、Calendar Server を管理することもできます。ただし、一部の作業については Calendar Server ファイルへのアクセスの問題を回避するために、superuser としてではなく、icsuser および icsgroup (または選択した値) として実行する必要があります。

Calendar Server のホストしているドメインの計画

Calendar Server はホストされた (または仮想) ドメインをサポートしています。ホストしているドメインのインストールでは、各ドメインが Calendar Server の同じインスタンスを共有するため、1 つのサーバーに複数のドメインが存在できます。各ドメインはネームスペースを定義し、1 つのネームスペースではすべてのユーザー、グループ、リソースが一意です。各ドメインには、変更可能な属性とユーザー設定もあります。

ホストしているドメインのインストールおよび設定には、スキーマ 2 だけを使用してください。

ホストしているドメインをサーバーにインストールおよび設定するには、次の高レベルの手順を実行します。

  1. Directory Server をインストールおよび設定します。

  2. Web Server または Application Server をインストールおよび設定します。

  3. Access Manager をインストールおよび設定します。

    Access Manager とともに Delegated Administrator がインストールされます。

  4. Delegated Administrator を使用して、サイトのドメインを作成します

  5. Calendar Server をインストールします。

  6. comm_dssetup.pl スクリプトを実行します

    このスクリプトの実行手順については、「Calendar Server のインストール後の設定」を参照してください。

  7. Communications Services Delegated Administrator を設定します。

    Communications Services Delegated Administrator ユーティリティーの設定手順と使用手順については、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』を参照してください。

  8. デフォルトドメインおよびサイト管理者 (calmaster ) を作成します。

    デフォルトドメインは Delegated Administrator の設定時に作成されます。ただし、ドメインエントリを変更して、Calendar または Mail サービスを追加する必要があります。さらに、サイト Calendar 管理者 (calmaster ) も設定する必要があります。これらの 2 つのタスクの実行方法の手順については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』のパート II「Calendar Server バージョン 6.3 ソフトウェアのインストール後の設定」を参照してください。

  9. Calendar Server の設定

    csconfiguratior.sh プログラムの実行手順については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』の第 2 章「Calendar Server 6.3 ソフトウェアの初期実行時設定プログラム (csconfigurator.sh)」を参照してください。

  10. Calendar Server のドメインの設定パラメータを設定します

    設定パラメータおよびその値のリストについては、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』「Calendar Server ドメインの構成パラメータ」を参照してください。

  11. Delegated Administrator を使用して、ユーザーとリソースをドメインに読み込みます

  12. Calendar Server サービスを起動します。

    手順については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』「Calendar Server 6.3 プロセスの起動と停止」を参照してください。


    注 –

    常時 Communications Services Delegated Administrator インタフェースを使用して、スキーマ 2 のプロビジョニングを行なってください。

    スキーマ 1 のプロビジョニングツールはホストしているドメインをサポートしていません。


Calendar Server のインストール後の設定

Calendar Server ソフトウェアをインストールしたら、その設定をする必要があります。以前のバージョンでは、この手順はインストールプロセスの一部として実行していましたが、今回のバージョンではインストーラから独立しました。

Calendar Server のインストール後、以下のように Calendar Server を設定する必要があります。

  1. Directory Server 設定スクリプト (comm_dssetup.pl) を実行し、Sun Java System Directory Server を設定します。

  2. Calendar Server 設定プログラム (csconfigurator.sh) を実行してサイト固有の要件を設定し、新しい ics.conf 設定ファイルを作成します。ics.conf ファイルのパラメータの説明については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』「構成パラメータファイル (ics.conf)」を参照してください。

    comm_dssetup.pl スクリプトは /opt/SUNWcomds/sbin ディレクトリに、csconfigurator.sh ユーティリティーは /opt/SUNWics5/cal/sbin ディレクトリに格納されています。

    Java Enterprise System インストーラおよび Calendar Server 設定ユーティリティー (csconfigurator.sh ) が実行しない、構成の設定や変更がいくつかあります。次の項目は手動で変更する必要があります。

    • DWP および CLD の設定: ics.conf ファイルを編集して、CLD キャッシュオプションを有効にしてください。このキャッシュがカレンダユーザーの DWP ホストサーバー情報を格納することで、LDAP ディレクトリサーバーに対する呼び出しを減らすことができます。

    • デフォルトのタイムゾーン:デフォルトのタイムゾーンがアメリカのニューヨークでない場合、 ics.conf ファイルを編集して変更してください。さらに、/opt/SUNWics5/cal/bin/html/default_user_prefs.xml ファイルも変更して、ics.conf ファイルと同期するようにする必要があります。

    • クライアント側のレンダリング: Calendar Server では、XSLT 処理をエンドユーザーのブラウザにダウンロードすることで、クライアント側のレンダリングを実行します。このため、Calendar Server が実行する必要のある処理は減少します。Calendar Server は、ブラウザが XSLT 処理のレンダリングに対応している場合にだけ XSLT 処理をダウンロードします。現在のリリースでは、この機能は Internet Explorer 6.0 以降だけに適用されます。ics.conf ファイルを編集して、クライアント側のレンダリングへのこのようなパフォーマンスの改善を行なってください。

    • tmpfs の設定:tmpfs の設定を編集してパフォーマンスを向上させてください。

    これらの変更の詳細については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』を参照してください。