Sun Java Communications Suite 5 インストールガイド

付録 A Messaging Server インストール前の考慮事項と手順

この付録では、Messaging Server をインストールする前に検討しなければならない考慮事項と、実行しなければならない手順について説明します。

この付録は、次の節で構成されています。

Messaging Server インストールの考慮事項

この節では、Messaging Server のインストールの準備のための考慮事項について説明します。

表 A–1 可能性のあるポート番号の競合

ポート番号の競合 

構成要素 

構成要素 

143 

IMAP サーバー 

MMP IMAP プロキシ 

110 

POP3 サーバー 

MMP POP3 プロキシ 

993 

SSL を使用した IMAP 

SSL を使用した MMP IMAP プロキシ 

80 

Access Manager (Web サーバーのポート) 

Messenger Express

可能であれば、ポート番号が競合する製品は別のホストにインストールします。それができない場合は、競合する製品のいずれかでポート番号を変更する必要があります。ポート番号を変更するには、configutil ユーティリティーを使用します。手順については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 Administration Reference』を参照してください。

次の例では、service.http.port configutil パラメータを使用して、Messenger Express HTTP ポート番号を 8080 に変更します。


configutil -o service.http.port -v 8080

Messaging Server インストール用ワークシート

Messaging Server をインストールするときに、次のインストールワークシートを使用して記録をつけておくと、インストールプロセスで役立ちます。このインストールワークシートは、Messaging Server を何度もインストールしたり、アンインストールしたり、アップグレードのためにアップグレードしたりする際に再使用できます。


ヒント –

インストール中に指定したすべてのポート番号と、そのポート番号を使用する特定のコンポーネントを記録しておきます。


Directory Server インストール用ワークシート

Directory Server のインストールパラメータと設定パラメータを記録しておきます。これらのパラメータは、インストール時と最初の Messaging Server の実行時設定で必要になります。そのほかの情報については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド』を参照してください。

表 A–2 Directory Server インストールパラメータ

パラメータ 

説明 

例 

設定対象 

実際の設定値 

Directory Server インスタンス (サーバールート) または Explicit Instance Directory 

Directory Server ホストにあるインスタンスまたはディレクトリで、サーバープログラム、設定、保守、および情報のファイルの格納専用に使用されます。 

Solaris 

インスタンス : /opt/SUNWdsee/ds6

サーバールート: /var/opt/SUNWdsse/dsins1

Linux/HP-UX 

インスタンス : /opt/sun/ds6 

サーバールート: /var/opt/sun/dsins1

comm_dssetup.pl Perl スクリプト

 

Host 

完全修飾ドメイン名。完全修飾ドメイン名は、ホスト名とドメイン名の 2 つの部分から構成されます。 

svr1.west.sesta.com

Messaging Server の設定 

 

LDAP Directory Port Number 

LDAP ディレクトリサーバーのデフォルトは 389 です。

389

Messaging Server の設定 

 

User and Group Tree Suffix 

ユーザーとグループのデータが格納されるディレクトリツリーの最上部の LDAP エントリの識別名。 

o=usergroup

comm_dssetup.pl Perl スクリプト

 

Directory Manager DN and Password 

UNIX の ルート に相当する権限を持つディレクトリ管理者。通常この管理者は、ユーザーとグループのデータに責任を持ちます。

ディレクトリマネージャーのパスワード 

cn=Directory Manager

pAsSwOrD

comm_dssetup.pl Perl スクリプトおよび Messaging Server の設定

 

設定する Messaging Server コンポーネントの選択

Messaging Server ソフトウェアをインストールするときに、インストーラによりすべての Messaging Server がインストールされます。次に、Messaging Server 設定プログラムを使用して、Messaging ホスト上で適切な Messaging Server コンポーネント (MTA、メッセージストア、Web メールサーバー、MMP) を設定します。次の表で、それぞれのタイプのメッセージングホストでインストールする必要のあるコンポーネントを示します。

表 A–3 設定する Messaging Server コンポーネントの選択

設定するメッセージングホストのタイプ 

設定プログラムで選択されるコンポーネント 

MTA 

メッセージ転送エージェント 

メッセージストア (バックエンド) 

メッセージ転送エージェント、メッセージストア 

Web メールサーバー (フロントエンドのみ、保存または SMTP の機能なし) 

Web メールサーバー 

注意: Communications Express だけを設定する場合は、メッセージストアと MTA を選択するか、少なくとも既存の MTA を指定します。 

Messenger マルチプレクサ (フロントエンドのみ、保存または SMTP の機能なし) 

Messaging Multiplexor 

Web メールサーバー (Communications Express 用) 

Web メールサーバー 

Web メールサーバーとメッセージストア 

Web メールサーバー、メッセージ転送エージェント、メッセージストア 


注 –

LMTP 配信メカニズムを設定するには、MTA とバックエンドストアの両方の設定が必要です。LMTP の設定手順については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド』の第 16 章「LMTP 配信」を参照してください。


sendmail デーモンを無効にする

Messaging Server のインストールに先立ち、もしも sendmail デーモンが実行中であれば無効にしておくことをお勧めします。Messaging Server SMTP サーバーが実行する Dispatcher には、ポート 25 を割り当てる必要があります。ポート 25 で sendmail デーモンが実行されていると、Dispatcher をポート 25 に割り当てることができません。

Proceduresendmail デーモンを無効にするには

  1. /etc/init.d ディレクトリに移動します。


    cd /etc/init.d
    
  2. sendmail が実行されている場合は、停止します。


    ./sendmail stop
    
  3. /etc/default/sendmailMODE="" を追加します。

    sendmail ファイルが存在しない場合は、ファイルを作成し、MODE="" を追加します。

    ユーザーが誤って sendmail start を実行したり、パッチにより sendmail が再起動されたりした場合でも、この修正を追加することで、sendmail がデーモンモードで起動されなくなります。


    注 –

    場合によっては (特に Solaris 10 上において)、/etc/init.d/sendmail stop コマンドを実行したあとでも、sendmail が自動的に再起動されます。その場合は、次のコマンドを使って sendmail プロセスを停止します。

    svcadmin disable network/smtp:sendmail