この付録では、Messaging Server をインストールする前に検討しなければならない考慮事項と、実行しなければならない手順について説明します。
この付録は、次の節で構成されています。
この節では、Messaging Server のインストールの準備のための考慮事項について説明します。
リソースの競合: サーバー間のリソース競合を回避するには、Directory Server を Messaging Server とは別のホストにインストールすることも考慮に入れてください。
Messaging Server ベースディレクトリ: Messaging Server は、msgsvr-base と呼ばれるディレクトリにインストールされます (たとえば、/opt/SUNWmsgsr)。このディレクトリは、既知のファイル配置構造 (ファイルディレクトリパス) を持っています。
サーバーのアップグレード: Messaging Server ホストにその他のコンポーネント製品 (Web Server、Directory Server、Access Manager、および管理サーバー) をインストールしない場合は、これらのコンポーネントのアップグレードは不要で、Messaging Server は引き続き動作します。
Using a Messaging Server 6 2005Q4 フロントエンドと Messaging Server 6.3 バックエンドの連携的な使用Messaging Server 6.3 バックエンドと Messaging Server 6 2005Q4 フロントエンドを連携して使用する場合、次の手順を実行し、Admin Server なしで動作できるようフロントエンドを設定する必要があります。
Communications Suite 5 インストーラを使用し、Messaging Server 6.3 バックエンドをインストールし、設定します。
Java Enterprise System 2005Q4 インストーラを実行して、Messaging Server 6 2005Q4 フロントエンドをインストールし、プロンプトが表示されたら「あとで設定」オプションを選択します。
テキストエディタで MsgServer-base/lib/config-templates/DevsetupDefaults.properties を開きます。
次の行を変更します。
ADMINSERVER_SERVERROOT_CONF = /etc/mps/admin/v.5.2/shared/config/serverroot.conf |
変更後:
ADMINSERVER_SERVERROOT_CONF = NO_ADMIN_SERVER |
ポート番号の競合: 製品が特定の組み合わせで同一のマシンにインストールされている場合、ポート番号が競合する可能性があります。次のテーブルで、ポート番号が競合する可能性をまとめています。
ポート番号の競合 |
構成要素 |
構成要素 |
---|---|---|
143 |
IMAP サーバー |
MMP IMAP プロキシ |
110 |
POP3 サーバー |
MMP POP3 プロキシ |
993 |
SSL を使用した IMAP |
SSL を使用した MMP IMAP プロキシ |
80 |
Access Manager (Web サーバーのポート) |
可能であれば、ポート番号が競合する製品は別のホストにインストールします。それができない場合は、競合する製品のいずれかでポート番号を変更する必要があります。ポート番号を変更するには、configutil ユーティリティーを使用します。手順については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 Administration Reference』を参照してください。
次の例では、service.http.port configutil パラメータを使用して、Messenger Express HTTP ポート番号を 8080 に変更します。
configutil -o service.http.port -v 8080 |
Messaging Server をインストールするときに、次のインストールワークシートを使用して記録をつけておくと、インストールプロセスで役立ちます。このインストールワークシートは、Messaging Server を何度もインストールしたり、アンインストールしたり、アップグレードのためにアップグレードしたりする際に再使用できます。
インストール中に指定したすべてのポート番号と、そのポート番号を使用する特定のコンポーネントを記録しておきます。
Directory Server のインストールパラメータと設定パラメータを記録しておきます。これらのパラメータは、インストール時と最初の Messaging Server の実行時設定で必要になります。そのほかの情報については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド』を参照してください。
表 A–2 Directory Server インストールパラメータ
パラメータ |
説明 |
例 |
設定対象 |
実際の設定値 |
---|---|---|---|---|
Directory Server インスタンス (サーバールート) または Explicit Instance Directory |
Directory Server ホストにあるインスタンスまたはディレクトリで、サーバープログラム、設定、保守、および情報のファイルの格納専用に使用されます。 |
Solaris インスタンス : /opt/SUNWdsee/ds6 サーバールート: /var/opt/SUNWdsse/dsins1 Linux/HP-UX インスタンス : /opt/sun/ds6 サーバールート: /var/opt/sun/dsins1 | ||
Host |
完全修飾ドメイン名。完全修飾ドメイン名は、ホスト名とドメイン名の 2 つの部分から構成されます。 |
svr1.west.sesta.com |
Messaging Server の設定 | |
LDAP Directory Port Number |
LDAP ディレクトリサーバーのデフォルトは 389 です。 |
389 |
Messaging Server の設定 | |
User and Group Tree Suffix |
ユーザーとグループのデータが格納されるディレクトリツリーの最上部の LDAP エントリの識別名。 |
o=usergroup | ||
Directory Manager DN and Password |
UNIX の ルート に相当する権限を持つディレクトリ管理者。通常この管理者は、ユーザーとグループのデータに責任を持ちます。 ディレクトリマネージャーのパスワード |
cn=Directory Manager pAsSwOrD |
comm_dssetup.pl Perl スクリプトおよび Messaging Server の設定 |
Messaging Server ソフトウェアをインストールするときに、インストーラによりすべての Messaging Server がインストールされます。次に、Messaging Server 設定プログラムを使用して、Messaging ホスト上で適切な Messaging Server コンポーネント (MTA、メッセージストア、Web メールサーバー、MMP) を設定します。次の表で、それぞれのタイプのメッセージングホストでインストールする必要のあるコンポーネントを示します。
表 A–3 設定する Messaging Server コンポーネントの選択
設定するメッセージングホストのタイプ |
設定プログラムで選択されるコンポーネント |
---|---|
MTA |
メッセージ転送エージェント |
メッセージストア (バックエンド) |
メッセージ転送エージェント、メッセージストア |
Web メールサーバー (フロントエンドのみ、保存または SMTP の機能なし) |
Web メールサーバー 注意: Communications Express だけを設定する場合は、メッセージストアと MTA を選択するか、少なくとも既存の MTA を指定します。 |
Messenger マルチプレクサ (フロントエンドのみ、保存または SMTP の機能なし) |
Messaging Multiplexor |
Web メールサーバー (Communications Express 用) |
Web メールサーバー |
Web メールサーバーとメッセージストア |
Web メールサーバー、メッセージ転送エージェント、メッセージストア |
LMTP 配信メカニズムを設定するには、MTA とバックエンドストアの両方の設定が必要です。LMTP の設定手順については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド』の第 16 章「LMTP 配信」を参照してください。
Messaging Server のインストールに先立ち、もしも sendmail デーモンが実行中であれば無効にしておくことをお勧めします。Messaging Server SMTP サーバーが実行する Dispatcher には、ポート 25 を割り当てる必要があります。ポート 25 で sendmail デーモンが実行されていると、Dispatcher をポート 25 に割り当てることができません。
/etc/init.d ディレクトリに移動します。
cd /etc/init.d |
sendmail が実行されている場合は、停止します。
./sendmail stop |
/etc/default/sendmail に MODE="" を追加します。
sendmail ファイルが存在しない場合は、ファイルを作成し、MODE="" を追加します。
ユーザーが誤って sendmail start を実行したり、パッチにより sendmail が再起動されたりした場合でも、この修正を追加することで、sendmail がデーモンモードで起動されなくなります。
場合によっては (特に Solaris 10 上において)、/etc/init.d/sendmail stop コマンドを実行したあとでも、sendmail が自動的に再起動されます。その場合は、次のコマンドを使って sendmail プロセスを停止します。
svcadmin disable network/smtp:sendmail