installer コマンドとそのオプションの詳細な説明は、付録 F 「インストールコマンド」 に記載されています。
インストール中に問題が発生した場合は、第 10 章「トラブルシューティング」のトラブルシューティング情報を参照してください。
root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。
テキストベースのインストーラを起動します。
./installer —nodisplay
「ようこそ」情報が表示されます。
Return キーを押して、「ソフトウェアライセンス契約」を表示します。
Return キーを押し続けて、契約書を最後まで読みます。
ライセンス契約の条項に同意する場合は、yes と入力して Return キーを押します。
ライセンス契約のすべての条項に同意しない場合は、Return キーを押すことによってデフォルトの no を選択します。インストールセッションが終了します。
インストーラは、すでにインストールされている製品コンポーネントのバージョンがないかホストを調べます。検出された場合は、検出されたコンポーネントのリストが「このホストのコンポーネント製品」というタイトルの下に表示されます。
インストールセッションを進める途中で、続行する前にこれらのコンポーネントをアップグレードまたは削除するよう指示される場合があります。これらの問題が解決したら、インストールを続行することができます。
コンポーネント選択のメインメニューが表示されます。次に例を示します。
ソフトウェアコンポーネントの選択 - メインメニュー --------------------------------------- 注: "* *" は、選択が無効であることを示します。 [ ] 1. Calendar Server 6.3 [ ] 2. Directory Preparation Tool 6.4 [ ] 3. Web Server 7.0 [ ] 4. Messaging Server 6.3 [ ] 5. Directory Server Enterprise Edition 6.0 [ ] 6. Access Manager 7.1 [ ] 7. High Availability Session Store 4.4 [ ] 8. Communications Express 6.3 [ ] 9. Communication Services Delegated Administrator [ ] 10. Message Queue 3.7 UR1 [ ] 11. Application Server Enterprise Edition 8.2 [ ] 12. Monitoring Console 1.0 [ ] 13. Instant Messaging 7.2 [ ] 14. Java DB 10.1 [ ] 15. すべての共有コンポーネント インストールする製品のリストをコンマで区切って入力するか、または R を入力してリストを更新します [] {"<" 戻る, "!" 終了}: |
インストールするコンポーネントに対応する番号をコンマで区切って入力し、Return キーを押します。
「ソフトウェアコンポーネントの選択 — 選択内容の確認」というリストが表示され、選択したコンポーネントが表示されます。
選択したコンポーネントが正しければ、Return キーを押します。
選択した各コンポーネントのサブコンポーネントをインストールするかどうかを、インストーラから確認されます。次に例を示します。
コンポーネントの選択 – 選択された製品 "Directory Server Enterprise Edition 6.0" --------------------------------------------------------------- *[X] 1. Directory Server 6 Core Server *[X] 2. Directory Service Control Center *[X] 3. Directory Server コマンド行ユーティリティー *[X] 4. Directory Proxy Server 6 Core Server インストールするコンポーネントをカンマで区切ったリストを入力します (すべてのコンポーネントをインストール する場合は A を入力) [A] {"<" 戻る, "!" 終了} |
サブコンポーネントがない製品コンポーネントもあります。この場合、このようなコンポーネントは表示されますが、回答が求められることはありません。
サブコンポーネントを選択します。
サブコンポーネントの選択がすべて完了すると、インストーラによって多言語パッケージをインストールするかどうかを確認されます。
選択したすべてのコンポーネントに多言語パッケージをインストールする場合は、Y と入力し、Return キーを押します。
デフォルトは N で、その場合は英語パッケージだけがインストールされます。Y と入力した場合は、選択したすべてのコンポーネントにすべての言語の多言語パッケージがインストールされます。
製品コンポーネントの依存性に関するエラーを解決します。
コンポーネントの依存性に問題がある場合、問題の種類に応じて「製品の依存関係のチェック」エラーまたは警告が表示されます。一般的な問題には次のものがあります。
ローカル依存性が満たされていない
この場合、コンポーネント選択に戻り、ローカル依存関係を解決できるように、適切な製品コンポーネントを選択します。
あとで行うインストール後設定の間にリモート依存性が満たされる
リモートインストールを指定するつもりがない場合、コンポーネントの選択に戻り、ローカルで依存性を満たすように適切な製品コンポーネントを選択します。
製品コンポーネントの以前のバージョンがローカルホストにすでにインストールされている
互換性のないバージョンの製品コンポーネントが見つかると、インストーラを終了して、その互換性のないバージョンをアップグレードまたは削除する必要があります。
共有コンポーネントの依存性に関するエラーを解決します。
ホスト上で互換性のないバージョンの共有コンポーネントが見つかった場合は、これらをアップグレードするかどうかを確認されます。「アップグレードの必要がある共有コンポーネント」リストを確認し、それらの共有コンポーネントをインストーラが自動的にアップグレードしても問題がないかどうか判断してください。
Communications Suite 以外のアプリケーションについては、ホストに存在する依存関係を確認せずに共有コンポーネントをアップグレードしないでください。必要となる共有コンポーネントのバージョンと、これらの既存のアプリケーションとの間に互換性があるかどうかを最初に確認する必要があります。Communications Suite 製品コンポーネントのアップグレードの詳細については『Sun Java Communications Suite 5 アップグレードガイド』、Java ES 製品の場合は『Sun Java Enterprise System 5 アップグレードガイド (UNIX 版)』を参照してください。
1 (デフォルト) を入力するか Return キーを押すと、インストーラはそれらの共有コンポーネントを自動的にアップグレードします。
2 を入力してインストールセッションを取り消した場合は、それらの共有コンポーネントを手動でアップグレードできます。
2 を入力した場合は、「アップグレードの必要がある共有コンポーネント」リストにある共有コンポーネントを削除またはアップグレードしないと、インストールを続行できません。
Solaris OS の場合は、インストーラが J2SE SDK をアップグレードするべきかどうかを指定します。
互換性のないシステム全体バージョンの J2SE SDK が検出された場合、インストーラを使って自動的にアップグレードするのか、または手動でアップグレードするのかを確認されます。Linux プラットフォームには、J2SE SDK のシステム全体の特定インストールが存在しないため、インストーラによるこのチェックは Solaris プラットフォームでのみ行われます。
選択した製品コンポーネントのデフォルトのインストール先をそのまま使用するか、またはデフォルトの場所を変更して Return キーを押します。
選択された各製品コンポーネントについて、デフォルトのインストールディレクトリが表示されます。たとえば、Solaris 上では次のように入力します。
インストールディレクトリ ------------------------ 製品ごとにインストール先のディレクトリの名前を入力してください: Directory Preparation Tool [/opt/SUNWcomds] {"<" 戻る, "!" 終了}: Directory Server [/opt/SUNWdsee] {"<" 戻る, "!" 終了}: Web Server [/opt] {"<" 戻る, "!" 終了}: Web Server インスタンス [/var/opt/SUNWwbsvr7] {"<" 戻る, "!" 終了}: |
システムチェックによって見つかった問題をすべて確認します。
インストールディレクトリの選択が完了すると、インストーラは、選択したコンポーネントに基づいて、ディスク容量、メモリー、スワップ空間、オペレーティングシステムのパッチ、およびオペレーティングシス テムリソースのチェックを自動的に開始します。次の表の左側の列には、システムチェックの結果表示されるメッセージを示しています。右の列は、それぞれの状況に対して必要となる対処方法を示しています。
表示されるメッセージ |
対処方法 |
---|---|
システムはインストールの準備が完了しています |
インストールを続行します。 |
システムはインストールの準備が完了しています |
メモリーまたはスワップ空間の量が推奨レベルに達していないことを示す警告メッセージを含む。 インストールを続行しますが、インストールの完了後にメモリーまたはスワップ空間を追加してください。メモリーまたはスワップ空間を追加しない場合、パフォーマンスに深刻な影響が生じる可能性があります。 |
システムはインストールの準備ができていません |
必要なパッチがインストールされていない場合は、そのパッチ番号が表示されます。インストーラを停止することなく、レポートされた問題を解決できる場合は、問題を解決したあとで「次へ」をクリックします。 |
メモリー不足など、問題によってはインストールを続行できますが、パッチの欠落などの場合は、問題を解決してからインストールを続行する必要があります。
Solaris 10: インストーラを非大域ゾーンで実行している場合、メモリー情報を取得できないことを知らせるメッセージが表示されます。
適用されていないオペレーティングシステムパッチをインストールします。
欠落しているパッチをインストールしてから、インストールを続行する必要があります。ガイドラインについては、「パッチをインストールする」を参照してください。
システムがインストールできる状態になったら、Return キーを押して続行します。
インストールする設定の種類とグローバル設定の指定を求められます。
次のオプションから設定の種類を指定します。
今すぐ設定 (デフォルト):インストール時に設定可能な製品コンポーネントを設定できます。「今すぐ設定」の作業には、共通サーバー設定や、選択した製品コンポーネントの設定情報の入力が含まれます。
一部の製品コンポーネントは、インストール時に設定できません。これらの製品コンポーネントを選択した場合、インストール後にこれらの製品コンポーネントの設定が必要なことを知らせる警告が表示されます。
あとで設定:パッケージのインストールに必要な最小限の値だけを入力します。インストーラは、詳細設定を行わずに処理を先に進めます。「あとで設定」タイプを選択した場合、「ソフトウェアをインストールする」へとスキップします。
「今すぐ設定」インストールの場合は、共通サーバー設定を指定します。
選択したコンポーネントに対応する共通サーバー設定とそのデフォルト値のリストが、インストーラによって表示されます。次に例を示します。
共通サーバー設定の指定 ホスト名の入力 [myComputer] {"<" 戻る, "!" 終了} DNS ドメイン名の入力 [example.com] {"<" 戻る, "!" 終了} IP アドレスの入力 [192.168.255.255] {"<" 戻る, "!" 終了} サーバー管理ユーザー ID の入力 [Admin] {"<" 戻る, "!" 終了} 管理ユーザーパスワードの入力 (パスワードは 8 文字以上でなければなりません) [] {"<" 戻る, "!" 終了} 管理ユーザーパスワードの確認 [] {"<" 戻る, "!" 終了} システムユーザーを入力してください [root] {"<" 戻る, "!" 終了} システムグループを入力してください [root] {"<" 戻る, "!" 終了} |
デフォルト値をそのまま使用するか、または別の値を使用してこれらのグローバルパラメータを設定します。パラメータの詳細については、『Sun Java Enterprise System 5 インストールリファレンス (UNIX 版)』の「共通設定」を参照してください。
パスワードを入力するときは、8 文字以上で指定する必要があります。次の特殊文字は使用できません。
; & ( ) ! | < > ' “ $ ^ \ # / , @ %
「今すぐ設定」設定オプションでのインストールの場合、インストーラは、選択した製品コンポーネントのうち、インストール時に設定可能なコンポーネントの設定に対する質問を 1 つ以上表示します。選択を行う際には、次の情報が役立ちます。
各ページの構成値の詳細については、各ページの下部にあるオンラインヘルプボタンをクリックします。これらの情報については、『Sun Java Enterprise System 5 インストールリファレンス (UNIX 版)』の第 3 章「設定情報」も参照してください。
設定情報を収集するための設定ワークシートが、『Sun Java Enterprise System 5 インストールリファレンス (UNIX 版)』の第 4 章「設定ワークシート」に用意されています。
Sun Cluster ソフトウェア自体はインストール時に設定できませんが、インストール後の設定を簡単にするためにリモートサポートを有効にするオプションがあります。デフォルトは Yes です。
インストールが完了したあとで、次の場所にある「インストールサマリー」で設定情報を確認できます。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs
Linux の場合: /var/opt/sun/install/logs
各製品コンポーネントの設定を指定します。
デフォルト値を受け入れるか、または製品コンポーネントのワークシートで収集した情報を使用して、各製品コンポーネントに関するインストーラの質問に答えます。
標準的な設定の質問は次のように表示されます。
Web Server: インスタンス設定を指定してください サーバー名 [myComputer.example.com] {"<" 戻る, "!" 終了} HTTP ポートの入力 [80] {"<" 戻る, "!" 終了} 実行時 UNIX ユーザー ID を入力してください [webservd] {"<" 戻る, "!" 終了} ドキュメントルートディレクトリを入力してください [/var/opt/SUNWwbsvr7/docs] {"<" 戻る, "!" 終了} |
Messaging Server、Calendar Server、Delegated Administrator、または Instant Messaging とともに Access Manager をインストールする場合は、Access Manager 旧バージョン (6.x) インストールタイプを使用することが必要です。Access Manager レルム (7.x) インストールタイプは、これらの製品コンポーネントを 1 つもインストールしない場合にのみ使用できます。
今すぐ設定:次のように表示され、選択するよう求められます。インストールタイプ [レガシー]。デフォルトの「レガシー (バージョン 6.x スタイル)」を選択します。Access Manager を実行するために Web コンテナが必要とされる場合は、「コンソール配備 URI」を amconsole に設定してください。
あとで設定:インストール後に、root として amconfig スクリプトを実行して、Access Manager を設定します。旧バージョン (6.x) インストールタイプを選択するには、設定スクリプト入力ファイル amsamplesilent に次のパラメータを設定します。
AM_REALM=disabled
CONSOLE_DEPLOY_URI=/amconsole
Web Server を Web コンテナとして使用するには、Web Server の「設定タイプを選択してください」ページで質問が表示されたときに、Web Server の設定タイプのモードが「エージェント」ではなく「管理サーバー」に設定されている必要があります。デフォルト値は「管理サーバー」です。
選択した製品コンポーネントとサブコンポーネントのリストを確認します。
設定値を設定すると、選択されたコンポーネントとサブコンポーネントの「インストール準備完了」リストがインストーラによって表示されます。次に例を示します。
インストール準備完了 ------------------------- 次のコンポーネントがインストールされます。 製品: Sun Java(TM) Communications Suite アンインストールの場所: /var/sadm/prod/SUNWcomm-entsys5 必要な容量: 472.81 MB ---------------------------------------------- Sun Java(TM) System Web Server 7.0 Sun Java(TM) System Web Server 7.0 サンプル Sun Java(TM) System Web Server 7.0 CLI Sun Java(TM) System Web Server 7.0 コア Sun Java(TM) System Directory Preparation Tool Sun Java(TM) System Directory Server Enterprise Edition 6.0 Sun Java(TM) System Directory Server Enterprise Edition 6 コマンドラインユーティリティー Java Enterprise System Directory Server 6 Core Server Java Enterprise System Directory Service Control Center Java Enterprise System Directory Proxy Server 6 コアサーバー |
変更する必要がある場合は、これまでの質問の中で変更が必要なものが表示されるまで、< を入力して Return キーを押します。ここには共有コンポーネントは表示されませんが、それらはすでに確認されており、選択した製品コンポーネントが必要とする場合にはインストールされます。
「インストール準備完了」リストに問題がなければ、インストールを開始できます。
Linux の場合は、インストーラの実行中に rpm コマンドを使用しないでください。使用した場合、インストーラがハングする可能性があります。
インストールを開始するには、Return キーを押してデフォルトの「1」を受け入れます。
インストール処理が開始され、進捗バーにインストールの状況が表示されます。次に例を示します。
Java Enterprise System |-1%-------------------25%----------------------50%-- |
インストールのサイズと複雑さによっては、この処理に長い時間がかかる場合があります。
インストールが正常に完了すると、「インストールが完了しました」というメッセージが表示されます。
インストールサマリーとインストールログを調べます。
インストールが完了すると、メモリーの不足など、インストール時に見つかった問題が画面に表示されます。次のファイルにも有効な情報が含まれています。
[1] インストールサマリー。インストールされた各コンポーネントおよび指定した設定をリストにして表示します。「今すぐ設定」を選択した場合、このサマリーファイルにはすべての設定値が記録されます。
[2] インストールログ。インストーラによるコンポーネントのログメッセージを表示します。
インストール後、これらのファイルは次の場所に配置されます。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs
Linux の場合: /var/opt/sun/install/logs
インストーラログの完全なリストについては、「インストールログファイルの検証」を参照してください。
インストーラを終了します。
これでインストーラセッションは完了です。インストールされた製品コンポーネントは、インストール後の作業をすべて完了したあとで開始する必要があります。「次の手順」に進みます。