次に、mailDeliveryOption 属性がチェックされます。この属性の名前は、LDAP_DELIVERY_OPTION MTA オプションで変更できます。これは複数の値を指定できるオプションであり、この値によってエイリアス変換プロセスで生成されたアドレスが決まります。また、許可される値は、ユーザーとグループで異なります。両者に許可される値は、program、forward、および hold です。ユーザーにのみ許可される値は、mailbox、native、unix、および autoreply です。グループにのみ許可される値は、members、members_offline、および file です。
mailDeliveryOption 属性から適切なアドレスへの変換は、DELIVERY_OPTIONS MTA オプションによって制御されます。このオプションは、許可される mailDeliveryOption 値それぞれがどんなアドレスを生成するかだけではなく、mailDeliveryOption に許可される値は何か、またそれぞれの値がユーザー、グループ、あるいはその両方に該当するかどうかを指定します。
このオプションの値は、deliveryoption=template ペアのコンマ区切りのリストで構成され、各ペアにはオプションの単一文字のプレフィックスが 1 つまたは複数付いています。
DELIVERY_OPTIONS オプションのデフォルト値は次のとおりです。
DELIVERY_OPTIONS=*mailbox=$M%$\\$2I$_+$2S@ims-ms-daemon, \ &members=*, \ *native=$M@native-daemon, \ /hold=@hold-daemon:$A, \ *unix=$M@native-daemon, \ &file=+$F@native-daemon, \ &@members_offline=*, \ program=$M%$P@pipe-daemon, \ #forward=**, \ *^!autoreply=$M+$D@bitbucket
各配信オプションは、可能な mailDeliveryOption 属性値に対応します。対応するテンプレートは、URL 処理の場合と同じメタキャラクタの置換スキームを使用して結果のアドレスを指定します。
表 9–5 に、DELIVERY_OPTIONS オプションで使用可能な単一文字のプレフィックスを示します。
表 9–5 DELIVERY_OPTIONS MTA オプション内のオプションで使用する単一文字のプレフィックス
文字プレフィックス |
説明 |
---|---|
@ |
メッセージを再処理チャネルにリダイレクトする必要があることを示すフラグを設定します。現在のユーザーやグループの処理は中止されます。再処理チャネルから発信されるメッセージについては、このフラグは無視されます。 |
* |
ユーザーに適用される配信オプションです。 |
& |
グループに適用される配信オプションです。 |
$ |
このユーザーまたはグループの展開は遅延されることを示すフラグを設定します。 |
^ |
不在期間の開始と終了をチェックして配信オプションが有効化されているかどうかを確認する必要があることを示すフラグを設定します。 |
# |
エントリの指定メールホストに対してこの配信オプションの展開を行う必要がないことを示すフラグを設定します。つまり、続くエントリはメールホストとは無関係です。これによって、MTA は、指定されたユーザーまたはグループのすべての配信オプションがメールホストと無関係かどうかを確認します。無関係である場合、MTA はメールホストにメッセージを送信する必要はなく、エントリで即座に動作できます。 |
/ |
この配信オプションによって生成されたすべてのアドレスを保留にするフラグを設定します。これらの受取人アドレスが記述されているメッセージファイルには、.HELD 拡張が追加されます。 |
! |
自動返信が MTA によって内部的に処理される必要があることを示すフラグを設定します。このプレフィックスは、自動返信の配信オプションに使用した場合にのみ意味を持ちます。このオプションの値は、メッセージを bitbucket チャネルに送信するものである必要があります。 |
* と & のいずれも存在しない場合、配信オプションは、ユーザーとグループの両方に適用されるものとみなされます。