Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

22.1 JMQ 通知の概要

Messaging Server 通知プラグインを使用すると、通知メッセージをメッセージングサービスまたはイベントサービスに配信できます。メッセージングサービスはそれらの通知をコンシューマ (クライアントインタフェース) に送信し、そこでメッセージがフィルタリングされ、指定されたユーザーに配信されます。

たとえば、ユーザーのメールボックスに新しい電子メールが到着すると、通知プラグインはメッセージングサービスに通知メッセージを配信します。メッセージングサービスのコンポーネントであるメッセージコンシューマはその通知を受信し、ユーザーの電子メールクライアント (Communications Express や Mozilla メールなど) に送信します。電子メールクライアントはその後、ユーザーのコンピュータ画面上に「新しいメッセージを受信しました」というポップアップを表示することができます。

別の例として次のものがあります。ユーザーのメールボックスが制限容量を超えた場合、通知プラグインは、制限容量超過の通知メッセージを生成します。メッセージコンシューマは、ユーザーや、このイベントを通知する必要のある管理者に警告を送信します。

22.1.1 2 つの通知メッセージングサービス

次の 2 種類のメッセージングサービスに通知を配信するように Messaging Server を設定できます。

Message Queue サービスは Java Messaging Service (JMS) 仕様を実装しており、メッセージブローカ、メッセージを生成 (Produce) または取得 (Consume) するクライアントを作成するためのインタフェース、および管理のためのサービスや制御を提供します。Message Queue は、ルーティングや配信の機能、プロトコル、およびメッセージフォーマットを規定した JMS 標準に従っています。

イベント通知サービスは、Messaging Server および Sun Java System Calendar Server にバンドルされているコンポーネントです。これは、イベント通知の送受信にパブリッシュ/サブスクライブアーキテクチャーを使用する独自のサービスです。

Message Queue またはイベント通知サービス、あるいはこの両方のサービスに対して通知プロデューサを設定できます。


注 –

この章では、Message Queue のための通知を設定する方法についてのみ説明します。


イベント通知サービスについては、『Sun Java System Communications Suite Event Notification Service Guide』を参照してください。

22.1.2 通知プラグイン

Messaging Server が Message Queue またはイベント通知サービスへの通知を生成できるようにするには、そのサービス用のプラグインを設定してください。

iBiff プラグインを読み込む方法、およびイベント通知サービスを設定する方法については、『Sun Java System Messaging Server 管理ガイド』の付録 B「Messaging Server の Event Notification Service を管理する」を参照してください。

22.1.3 JMQ 通知を使用する利点

Message Queue での JMQ 通知プラグインの使用には、次の利点があります。

22.1.3.1 トピックまたはキューへの発行

トピックとキューは異なるメッセージング配信パターンを使用しており、Message Queue サービスでそれぞれのパターンを設定できます。

トピック: メッセージプロデューサがメッセージをトピックに送信する場合は、パブリッシュ/サブスクライブアーキテクチャーが使用されます。このブロードキャストパターンでは、プロデューサがメッセージをトピック送信先に送信します。このトピック送信先には、任意の数のコンシューマを登録 (サブスクライブ) できます。トピックに登録されている各コンシューマは、メッセージの独自のコピーを取得します。トピックにコンシューマが登録されていない場合は、メッセージが破棄されます。

また、イベント通知サービスもパブリッシュ/サブスクライブアーキテクチャーを使用しており、Message Queue で定義されているトピックパターンに似ています。

キュー: メッセージプロデューサがメッセージをキューに送信する場合は、ポイントツーポイントアーキテクチャーが使用されます。このパターンでは、プロデューサがメッセージをキュー送信先に送信し、1 コンシューマだけがその送信先からメッセージを受信できます。キューからのメッセージを複数のコンシューマが待っている場合、1 サブスクライバのみがそのメッセージを受信します。待っているコンシューマがいない場合、メッセージがタイムアウトするか、またはコンシューマがそのキューを受信するようになるまで、メッセージは保持されます。

キューにメッセージを生成すると、メッセージの負荷を複数のコンシューマにわたって分散させることができます。

22.1.3.2 複数の JMQ 通知プラグインの使用

1 〜 5 つの通知プラグインを設定できます。

Messaging Server は、次のデフォルトの場所でプラグインライブラリを提供しています。

/opt/SUNWmsgsr/lib/libjmqnotify

プラグインのパラメータを指定したり、実行可能コードのライブラリにプラグインをポイントしたりするには、configutil ユーティリティーを使用します。

複数のプラグインを指定した場合、各プラグインは、ほかのプラグインとは別に通知メッセージを生成します。たとえば、2 つのプラグインに削除メッセージパラメータが設定された状態で、ユーザーのメールボックスからメッセージが削除された場合は、両方のプラグインが通知メッセージを生成します。

複数のプラグインを設定することにより、目的に応じて別のメッセージ配布パターンを利用できます。たとえば、メッセージを生成する、次の 3 種類のプラグインを設定できます。

22.1.3.3 通知プラグインのパラメータの設定

設定するプラグインごとに、別の一連の configutil パラメータを定義してください。

これらのパラメータによって、次の 2 種類の情報が決定されます。

プラグインを設定する方法については、「JMQ 通知プラグインを設定する」を参照してください。