MTA が処理するジョブが正常に実行されていても、メッセージがメッセージキューディレクトリに残っている場合は、ログファイルを調べて何が起きているかを見ることができます。すべての MTA ログファイルは、ディレクトリ /msg-svr-base/log に作成されます。表 26–1 に、MTA が処理するさまざまなジョブのログファイル名の形式を示します。
表 26–1 MTA ログファイル
ファイル名 |
ログファイルの内容 |
---|---|
channel_master.log-uniqueid |
channel のマスタープログラム (通常はクライアント) の出力。 |
channel_slave.log- uniqueid |
channel のスレーブプログラム (通常はサーバー) の出力。 |
dispatcher.log-uniqueid |
ディスパッチャーのデバッグ。このログは、ディスパッチャーの DEBUG オプションが設定されているかどうかにかかわらず作成されます。ただし、デバッグの詳細情報を入手するには、DEBUG オプションをゼロ以外の値に設定する必要があります。 |
imta |
配信に関する問題が発生した場合の ims-ms チャネルのエラーメッセージ。 |
job_controller.log-uniqueid |
ジョブコントローラのログ。このログは、ジョブコントローラの DEBUG オプションが設定されているかどうかにかかわらず作成されます。ただし、デバッグの詳細情報を入手するには、DEBUG オプションをゼロ以外の値に設定する必要があります。 |
tcp_smtp_server.log-uniqueid |
tcp_smtp_server のデバッグ。このログ内の情報はサーバー固有の情報であり、メッセージに対するものではありません。 |
return.log-uniqueid |
定期的な MTA メッセージバウンサジョブのデバッグ出力。option.dat 内で return_debug オプションを使用している場合は、このログファイルが作成されます |
各ログファイルの作成時には、同一のチャネルが作成した過去のログが上書きされないよう、ファイル名に固有の ID (uniqueid) が付加されています。特定のログファイルを見つける際は、imsimta view ユーティリティーを使用できます。imsimta purge コマンドを使用して、古いログファイルを消去することもできます。ただし、このコマンドはデフォルトで定期的に実行されます (「4.6.2 定義済みの自動タスク」を参照)。詳細は、『Sun Java System Messaging Server 6.3 Administration Reference』の「imsimta purge」の MTA コマンド行ユーティリティーの章を参照してください。
channel_master.log-uniqueid および channel_slave.log-uniqueid のログファイルは、次のような状況で作成されます。
現在の設定にエラーがある場合。
master_debug または slave_debug キーワードが imta.cnf ファイル内のチャネルに設定されている場合。
mm_debug が option.dat ファイルでゼロ以外の値 (mm_debug > 0) に設定されている場合。option.dat ファイルは /msg-svr-base/config/ にあります。
チャネルのマスターおよびスレーブプログラムのデバッグについては、『 Sun Java System Messaging Server Administration Reference』を参照してください。