Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

C.3.3 使用可能なオプション

SMS チャネルには多くのオプションが含まれており、次のように大きく 6 つのカテゴリに分類されます。

これらのオプションについては、次の表で要約を示し、そのあとに続く節で詳細を説明します。

表 C–5 SMS チャネルオプション

 

 

 

電子メールから SMS への変換オプション 

オプション (ページ番号) 

説明 

デフォルト 

「GATEWAY_NOTIFICATIONS」

電子メール通知メッセージを SMS メッセージに変換するかどうかを指定します。 

0

「MAX_MESSAGE_PARTS」

1 つの電子メールメッセージから抽出するメッセージの最大部分数です 

2

「MAX_MESSAGE_SIZE」

1 つの電子メールメッセージから抽出する最大バイト数です 

960

「MAX_PAGE_SIZE」

単一の SMS メッセージに含める最大バイト数です 

160

「MAX_PAGES_PER_MESSAGE」

1 つの電子メールメッセージを分割して生成される最大 SMS メッセージ数です 

6

「ROUTE_TO」

指定した IP ホスト名に SMS メッセージをルーティングします。 

 

「SMSC_DEFAULT_CHARSET」

SMSC が使用するデフォルトの文字セットです。 

US-ASCII

「USE_HEADER_FROM」

SMS ソースアドレスを設定します 

0

「USE_HEADER_PRIORITY」

電子メールメッセージのヘッダーにある優先順位情報の使用を制御します 

1

「USE_HEADER_REPLY_TO」

SMS ソースアドレスを生成する際の Reply-to: ヘッダー行の使用を制御します

0

「USE_HEADER_RESENT」

差出人情報を生成する際の Resent-*: ヘッダー行の使用を制御します

0

「USE_HEADER_SENSITIVITY」

電子メールメッセージのヘッダーからのプライバシ情報の使用を制御します 

1

「USE_UCS2」

可能な場合に SMS メッセージで UCS2 文字セットを使用します 

1

     

SMS Gateway Server オプション 

「GATEWAY_PROFILE」

SMS Gateway Server の設定ファイル (sms_gateway.cnf) で設定されたゲートウェイプロファイル名と照合します

なし 

     

SMS フィールドオプション 

「DEFAULT_DESTINATION_NPI」

SMS 宛先アドレスのデフォルトの NPI です 

0x00

「DEFAULT_DESTINATION_TON」

SMS 宛先アドレスのデフォルトの TON です 

0x01

「DEFAULT_PRIORITY」

SMS メッセージのデフォルトの優先順位設定です 

0=GSMCDMA

1=TDMA

「DEFAULT_PRIVACY」

SMS メッセージのデフォルトのプライバシ値フラグです 

-1

「DEFAULT_SERVICE_TYPE」

送信された SMS メッセージに関連付けられた SMS アプリケーションサービスです 

なし 

「DEFAULT_SOURCE_ADDRESS」

デフォルトの SMS ソースアドレスです 

0

「DEFAULT_SOURCE_NPI」

SMS ソースアドレスのデフォルトの NPI です 

0x00

「DEFAULT_SOURCE_TON」

SMS ソースアドレスのデフォルトの TON です 

0x01

「DEFAULT_VALIDITY_PERIOD」

SMS メッセージのデフォルトの有効期間です 

なし 

「DESTINATION_ADDRESS_NUMERIC」

宛先 SMS アドレスを 0 〜 9 文字に減らします 

0

「DESTINATION_ADDRESS_PREFIX」

宛先 SMS アドレスの先頭に付けるテキスト文字列です 

なし 

「PROFILE」

使用する SMS プロファイルです 

GSM

「USE_SAR」

sar_ フィールドを使用して、複数の SMS メッセージを配列します

0

     

SMPP プロトコルオプション 

「ESME_ADDRESS_NPI」

SMPP サーバーにバインドする際に指定する ESME NPI です 

0x00

「ESME_ADDRESS_TON」

SMPP サーバーにバインドする際に指定する ESME TON です 

0x00

「ESME_IP_ADDRESS」

Sun Java System Messaging Server を実行しているホストの IP アドレスです 

なし 

「ESME_PASSWORD」

SMPP サーバーにバインドする際に提示するパスワードです 

なし 

「ESME_SYSTEM_ID」

バインドする際に SMSC に提示するシステム ID です 

なし 

「ESME_SYSTEM_TYPE」

バインドする際に SMSC に提示するシステムタイプです 

なし 

「MAX_PAGES_PER_BIND」

SMPP サーバーとの 1 回のセッションで送信する最大 SMS メッセージ数です 

1024

「REVERSE_ORDER」

マルチパート SMS メッセージの送信シーケンスです 

0

「SMPP_MAX_CONNECTIONS」

SMPP サーバーとの最大同時接続数です 

20

「SMPP_PORT」

片方向 SMS の場合、SMPP サーバーの待機先 TCP ポートです。双方向 SMS の場合、SMPP リレーの LISTEN_PORT に使用されるものと同じ TCP ポートです。

なし 

「SMPP_SERVER」

片方向 SMS の場合、接続先の SMPP サーバーのホスト名です。 

双方向 SMS の場合、SMS Gateway Server のホスト名または IP アドレスをポイントするように設定します。SMPP リレーの LISTEN_INTERFACE_ADDRESS オプションを使用している場合は、指定したネットワークインタフェースアドレスに関連付けられているホスト名または IP アドレスを必ず使用してください。

なし 

「TIMEOUT」

SMPP サーバーでの読み取りおよび書き込み完了までのタイムアウトです 

30

     

ローカライズオプション 

「CONTENT_PREFIX」

電子メールメッセージの内容を導入するためのテキストです 

Msg:

「DSN_DELAYED_FORMAT」

配信遅延通知用の書式設定文字列です 

空の文字列 

「DSN_FAILED_FORMAT」

配信失敗通知用の書式設定文字列です 

説明を参照 

「DSN_RELAYED_FORMAT」

リレー通知用の書式設定文字列です。 

説明を参照 

「DSN_SUCCESS_FORMAT」

配信成功通知用の書式設定文字列です。 

説明を参照 

「FROM_FORMAT」

電子メールメッセージの差出人を示す場合に表示されるテキストです 

$a

「FROM_NONE」

差出人が存在しない場合に表示されるテキストです 

なし 

「LANGUAGE」

(i-default) 言語グループです。この中からテキストフィールドを選択します 

i-default

「LINE_STOP」

電子メールメッセージから抽出された各行の終わりに置くテキストです 

スペース文字 

「NO_MESSAGE」

メッセージに内容がないことを示すテキストです 

]no message]

「SUBJECT_FORMAT」

電子メールメッセージの件名を示す場合に表示されるテキストです 

$s

「SUBJECT_NONE」

電子メールメッセージに件名がない場合に表示されるテキストです 

なし 

     

その他のオプション 

「DEBUG」

詳細なデバッグ出力を有効にします 

-1

C.3.3.1 電子メールから SMS への変換オプション

次のオプションは、電子メールメッセージから SMS メッセージへの変換を制御します。オプションの値の範囲は括弧内に示されています。一般に、1 通の電子メールメッセージは、1 つ以上の SMS メッセージに変換されます。詳細については、「C.2.2 電子メールから SMS への変換プロセス」を参照してください。

GATEWAY_NOTIFICATIONS

(0 または 1) 電子メール通知を SMS 通知に変換するかどうかを指定します。電子メール通知メッセージは、RFC 1892、1893、1894 に準拠している必要があります。デフォルト値は 0 です。

GATEWAY_NOTIFICATIONS=0 の場合、このような通知は破棄され、SMS 通知に変換されません。

通知の SMS 通知への変換を有効にするには、GATEWAY_NOTIFICATIONS=1 に設定します。このオプションが 1 に設定されている場合、ローカライズオプション (DSN_*_FORMAT) によって、SMS メッセージに変換されてゲートウェイから送信される通知のタイプ (成功、失敗、遅延、リレー) が制御されます。通知タイプの値が空の文字列である場合、そのタイプの通知は SMS メッセージに変換されません。

MAX_MESSAGE_PARTS

(整数) マルチパート電子メールメッセージを SMS メッセージに変換する場合、テキスト部分のうち最初の MAX_MESSAGE_PARTS 数のみが変換されます。残りの部分は消去されます。デフォルトでは、MAX_MESSAGE_PARTS は 2 です。メッセージ部分を無制限に許可するには、値に -1 を指定します。値を 0 にすると、SMS メッセージに変換されるメッセージコンテンツはありません。これには、SMS メッセージを生成するために電子メールメッセージのヘッダー行 (たとえば、Subject:) のみを使用した効果があります。

テキストと添付ファイルの両方を含む電子メールメッセージは、通常、2 つの部分で構成されています。プレーンテキストのメッセージ部分のみが変換されることに注意してください。その他の MIME コンテンツタイプはすべて消去されます。

MAX_MESSAGE_SIZE

(整数、>= 10) このオプションを使用して、1 つの電子メールメッセージから生成された SMS メッセージに含める合計バイト数の上限を設定できます。特に、MAX_MESSAGE_SIZE バイトの最大値は、1 つ以上の生成された SMS メッセージに使用されます。それ以上のバイトは消去されます。

デフォルトでは、960 バイトが上限となります。これは MAX_MESSAGE_SIZE=960 に相当します。任意のバイト数を使用するには、値に 0 を指定します。

使用されるバイト数の計算は、電子メールメッセージを Unicode から SMSC のデフォルト文字セットまたは UCS2 に変換してから行います。つまり、UCS2 を例にすると、UCS2 の各文字は、最低でも 2 バイト長であるため、MAX_MESSAGE_SIZE が 960 バイトだと、最高でも 480 文字しか確保できません。

MAX_MESSAGE_SIZE および 「MAX_PAGES_PER_MESSAGE」の各オプションは、どちらも結果の SMS メッセージの全体サイズを制限するという同じ目的で機能します。実際、「MAX_PAGE_SIZE」=960 と 「MAX_PAGE_SIZE」=160 は、MAX_PAGES_PER_MESSAGE=6 を意味します。2 つの異なるオプションが存在する理由は、単一の SMS メッセージの最大サイズ MAX_PAGE_SIZE を考慮せずに全体のサイズまたはページ数を制御するのに役立つからです。このことはチャネルオプションファイルでは重要ではないかもしれませんが、「C.2.1 電子メールをチャネルに送信する」で説明されている 「C.2.1 電子メールをチャネルに送信する」または 「C.2.1 電子メールをチャネルに送信する」アドレス指定属性を使用する際には重要です。

さらに、MAX_MESSAGE_SIZEMAX_PAGE_SIZE * MAX_PAGES_PER_MESSAGE のどちらか小さい制限が使用されることに注意してください。

MAX_PAGE_SIZE

(整数、>= 10) 単一の SMS メッセージで許可される最大バイト数は、MAX_PAGE_SIZE オプションで制御します。デフォルトでは、160 バイトが値として用いられます。これは、MAX_PAGE_SIZE=160 に相当します。

MAX_PAGES_PER_MESSAGE

(整数、1 〜 255) 1 つの電子メールメッセージに生成される最大 SMS メッセージ数は、このオプションで制御します。事実上、このオプションによって電子メールメッセージには切り捨てが実行されます。MAX_PAGES_PER_MESSAGE の SMS メッセージ数に収まる電子メールメッセージの部分のみが SMS メッセージに変換されます。詳細は、「MAX_PAGE_SIZE」オプションの説明を参照してください。

デフォルトでは、MAX_PAGES_PER_MESSAGE1、または 「MAX_MESSAGE_SIZE」「MAX_PAGE_SIZE」で割った数のうちの大きいほうに設定されています。

ROUTE_TO

(文字列IP ホスト名1 〜 64 バイト) プロファイルにターゲットされたすべての SMS メッセージは、指定されている IP ホスト名に再ルートされます。このとき、次の形式の電子メールアドレスが使用されます。

SMS-destination-address@route-to

SMS-destination-address は SMS メッセージの宛先アドレスで、route-to はこのオプションで指定されている IP ホスト名です。SMS メッセージの内容全体は、結果の電子メールメッセージの内容として送信されます。PARSE_RE_* オプションは無視されます。


注 –

PARSE_RE_*ROUTE_TO の各オプションの使用は、互いに排他的です。これらの両方を同一のゲートウェイプロファイルで使用すると、設定エラーになります。


SMSC_DEFAULT_CHARSET

(文字列) このオプションを使用して、SMSC のデフォルトの文字セットを指定します。次のファイルに示されている文字セット名を使用してください。

installation-directory/config/charsets.txt

このオプションが指定されていない場合は、US-ASCII であると仮定されます。なお、charsets.txt で使用されるニーモニック名は、同じディレクトリの charnames.txt で定義されています。

電子メールの処理では、まずヘッダー行とテキストメッセージ部分がデコードされてから Unicode に変換されます。次に、データは SMSC のデフォルトの文字セットまたは UCS2 に変換されます。どちらに変換されるかは、「USE_UCS2」オプションの値および SMS メッセージにデフォルトの文字セットにないグリフが 1 つでも含まれているかどうかによって異なります。UCS2 文字セットは、Unicode の 16 ビットのエンコード方式であり、UTF-16 と呼ばれることもあります。

USE_HEADER_FROM

(整数、0 〜 2) このオプションは、From: アドレスを SMSC に渡すことを許可する場合に設定します。値は、From: アドレスを取り出す場所とアドレスの形式を示します。表 C–6 に、許容可能な値とその意味を示します。

表 C–6 USE_HEADER_FROM の値

値 

説明 

0

SMS ソースアドレスは From: アドレスから設定されません。見つかった属性と値のペアを使用してください

1

SMS ソースアドレスを from-local@from-domain に設定します。この場合、From: アドレスは @from-route:from-local@from-domain です

2

SMS ソースアドレスを from-local に設定します。この場合、From: アドレスは @from-route:from-local@from-domain です

USE_HEADER_PRIORITY

(0 または 1) このオプションで RFC 822 Priority: ヘッダー行の処理を制御します。デフォルトでは、Priority: ヘッダー行の情報は結果の SMS メッセージの優先順位フラグを設定するために使用され、「DEFAULT_PRIORITY」オプションで指定されているデフォルトの SMS 優先順位よりも優先されます。これは、USE_HEADER_PRIORITY=1 に相当します。RFC 822 Priority: ヘッダー行の使用を無効にするには、USE_HEADER_PRIORITY=0 を指定します。

SMS 優先順位フラグの処理の詳細については、DEFAULT_PRIORITY オプションの説明を参照してください。

USE_HEADER_REPLY_TO

(0 または 1) USE_HEADER_FROM =1 の場合、このオプションは Reply-to: または Resent-reply-to: ヘッダー行が SMS ソースアドレスとして使用されることを考慮するかどうかを制御します。デフォルトでは、Reply-to: および Resent-reply-to: ヘッダー行は無視されます。これはオプションの値 0 に相当します。これらのヘッダー行を考慮するようにするには、オプションの値として 1 を使います。

RFC 2822 では、Reply-to: および Resent-reply-to: ヘッダー行の使用は推奨されていないことに注意してください。

USE_HEADER_RESENT

(0 または 1) USE_HEADER_FROM =1 の場合、このオプションは Resent- ヘッダー行が SMS ソースアドレスとして使用されることを考慮するかどうかを制御します。デフォルトでは、Resent- ヘッダー行は無視されます。これはオプションの値 0 に相当します。これらのヘッダー行を考慮するようにするには、オプションの値として 1 を使います。

RFC 2822 では、Resent- ヘッダー行の使用は推奨されていないことに注意してください。

USE_HEADER_SENSITIVITY

(0 または 1) USE_HEADER_SENSITIVITY オプションは、RFC 822 Sensitivity: ヘッダー行の処理を制御します。デフォルトでは、Sensitivity: ヘッダー行の情報は結果の SMS メッセージのプライバシフラグを設定するために使用され、「DEFAULT_PRIVACY」オプションで指定されているデフォルトの SMS プライバシよりも優先されます。これがデフォルトで、USE_HEADER_SENSITIVITY=1 に相当します。RFC 822 Sensitivity: ヘッダー行の使用を無効にするには、USE_HEADER_SENSITIVITY=0 と指定します。

SMS プライバシフラグの処理の詳細については、「DEFAULT_PRIVACY」オプションの説明を参照してください。

USE_UCS2

(0 または 1) 適切な場合に、チャネルは生成する SMS メッセージで UCS2 文字セットを使用します。これはデフォルトの動作であり、USE_UCS2=1 に相当します。UCS2 文字セットの使用を無効にするには、USE_UCS2=0 を指定します。文字セットの詳細については、「SMSC_DEFAULT_CHARSET」オプションの説明を参照してください。

表 C–7 USE_UCS2 で有効な値

USE_UCS2 の値 

結果 

1 (デフォルト) 

可能な場合は常に SMSC のデフォルトの文字セットが使用されます。元の電子メールメッセージに SMSC のデフォルトの文字セットにないグリフが含まれている場合は、UCS2 文字セットが使用されます。 

常に SMSC のデフォルトの文字セットが使用されます。その文字セットで使用不可なグリフはニーモニックで表現されます (例: AE の合字を「AE」で表現)。 

C.3.3.2 SMS Gateway Server オプション

GATEWAY_PROFILE

SMS Gateway Server の設定ファイル sms_gateway.cnf のゲートウェイプロファイルの名前です。

C.3.3.3 SMS オプション

次のオプションを使用して、生成された SMS メッセージの SMS フィールドに関する指定が行えます。

DEFAULT_DESTINATION_NPI

(整数、0 〜 255) デフォルトでは、宛先アドレスには 0 の NPI (番号計画識別子) 値が割り当てられます。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の代替整数値を割り当てることができます。表 C–8 に、これらを含む一般的な NPI 値を示します。

表 C–8 番号計画識別子の値

値 

説明 

不明 

ISDN (E.163、E.164) 

データ (X.121) 

テレックス (F.69) 

地上モバイル (E.212) 

国内 

private 

10 

ERMES 

14 

IP アドレス (インターネット) 

18 

WAP クライアント ID 

>= 19 

未定義 

このオプションの値は、次の 3 つのいずれかの方法で指定します。

DEFAULT_DESTINATION_TON

(整数、0 〜 255) デフォルトでは、宛先アドレスには 0 の TON (番号種別) 値が割り当てられています。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の代替整数値を割り当てることができます。表 C–9 に、これらを含む一般的な TON 値を示します。

表 C–9 一般的な TON 値

値 

説明 

不明 

国際 

国内 

ネットワーク固有 

加入者番号 

英数字 

略記 

>=7 

未定義 

このオプションの値は、次の 3 つのいずれかの方法で指定します。

DEFAULT_PRIORITY

(整数、0 〜 255) SMS メッセージには必須の優先順位フィールドがあります。表 C–10 に、SMS 優先順位値の解釈を示します。

表 C–10 各 SMS プロファイルタイプごとに解釈される SMS 優先順位値

値 

GSM 

TDMA 

CDMA 

優先でない 

バルク 

標準 

優先 

標準 

対話式 

優先 

至急 

至急 

優先 

大至急 

緊急 

このオプションを使用すると、SMS メッセージに割り当てるデフォルトの優先度を指定できます。指定しない場合は、デフォルトの優先度 0 が PROFILE=GSM および CDMA に使用され、優先度 1「PROFILE」=TDMA に使用されます。

「USE_HEADER_PRIORITY」=1 であり、電子メールメッセージに RFC 822 Priority: ヘッダー行がある場合は、このヘッダー行に指定された優先順位が結果の SMS メッセージの優先順位の設定に使用されます。USE_HEADER_PRIORITY=0 の場合、SMS 優先順位フラグは常に DEFAULT_PRIORITY オプションに合わせて設定され、RFC 822 Priority: ヘッダー行は常に無視されます。USE_HEADER_PRIORITY=1 の場合、元の電子メールメッセージの RFC 822 Priority: ヘッダー行が SMS メッセージの優先順位フラグの設定に使用されます。このヘッダー行が存在しない場合、SMS 優先順位フラグは DEFAULT_PRIORITY オプションを使用して設定されます。

RFC 822 Priority: ヘッダー行の値を SMS 優先順位フラグに変換するために使用されるマッピングを次の表に示します。

表 C–11 Priority: ヘッダーから SMS 優先順位フラグに変換するためのマッピング

RFC 822 

SMS 優先順位フラグ 

   

Priority: の値 

GSM 

TDMA 

CDMA 

優先でない (0) 

バルク (0) 

標準 (0) 

優先でない (0) 

バルク (0) 

標準 (0) 

Non-urgent 

優先でない (0) 

バルク (0) 

標準 (0) 

標準 

優先でない (0) 

標準 (1) 

標準 (0) 

至急 

優先 (1) 

至急 (2) 

至急 (2) 

DEFAULT_PRIVACY

(整数、-1、0 〜 255) DEFAULT_PRIVACY オプションと 「USE_HEADER_SENSITIVITY」オプションでは、SMS メッセージにプライバシフラグを設定するかどうか、またどの値を使用するかを制御します。デフォルトでは、値 -1 が DEFAULT_PRIVACY に使用されます。表 C–12 に、DEFAULT_PRIVACY および 「USE_HEADER_SENSITIVITY」 の各オプションにさまざまな値を設定した結果を示します。

表 C–12 DEFAULT_PRIVACYUSE_HEADER_SENSITIVITY の値の結果

DEFAULT_PRIVACY 

USE_HEADER_SENSITIVITY 

結果 

-1 

SMS プライバシフラグは SMS メッセージに設定されません。 

n >= 0 

SMS プライバシフラグは常に値 n に設定されます。RFC 822 Sensitivity: ヘッダー行は常に無視されます。

-1 (デフォルト) 

1 (デフォルト) 

SMS メッセージのプライバシフラグは、元の電子メールメッセージに RFC 822 Sensitivity: ヘッダー行があるときのみ設定されます。その場合、SMS プライバシフラグは Sensitivity: ヘッダー行の値と対応するように設定されます。これがデフォルトです。

n >= 0 

SMS メッセージのプライバシフラグは、元の電子メールメッセージの RFC 822 Sensitivity: ヘッダー行と対応するように設定されます。電子メールメッセージに Sensitivity: ヘッダー行がない場合は、SMS プライバシフラグの値は n に設定されます。

表 C–13 に、SMS プライバシー値の解釈を示します。

表 C–13 SMS プライバシ値の解釈

値 

説明 

制限なし 

制限あり 

親展 

秘密 

>= 4 

未定義 

表 C–14 に、RFC 822 Sensitivity: ヘッダー行の値を SMS プライバシー値に変換するために使用されるマッピングを示します。

表 C–14 Sensitivity: ヘッダーから SMS プライバシ値へのマッピング変換

RFC 822 Sensitivity: の値 

SMS プライバシ値 

Personal 

1 (制限あり) 

Private 

2 (親展) 

Company confidential 

3 (秘密) 

DEFAULT_SERVICE_TYPE

(文字列、0 〜 5 バイト) チャネルによって生成された SMS メッセージに関連付けるサービスタイプ。デフォルトでは、指定されているサービスタイプはありません (つまり、長さ 0 の文字列)。一般的なサービスタイプには次のものがあります。CMT (携帯電話メッセージング)、CPT (携帯電話ページング)、VMN (ボイスメール通知)、VMA (ボイスメール呼び出し)、WAP (無線アプリケーションプロトコル)、および USSD (非構造化補足データサービス)。

DEFAULT_SOURCE_ADDRESS

(文字列、0 〜 20 バイト) 電子メールメッセージから生成された SMS メッセージに使用されるソースアドレス。USE_HEADER_FROM=1 の場合、このオプションで指定した値よりも電子メールメッセージの差出人のアドレスが優先されることに注意してください。デフォルトでは、値は無効になっています。つまり、値として 0 が設定されています。

DEFAULT_SOURCE_NPI

(整数、0 〜 255) デフォルトでは、ソースアドレスには 0 の NPI 値が割り当てられています。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の代替整数値を割り当てることができます。一般的な NPI 値の表については、「DEFAULT_DESTINATION_NPI」オプションの説明を参照してください。

DEFAULT_SOURCE_TON

(整数、0 〜 255) デフォルトでは、ソースアドレスには 0 の TON 指定子値が割り当てられています。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の代替整数値を割り当てることができます。一般的な TON 値の表については、「DEFAULT_DESTINATION_TON」オプションの説明を参照してください。

DEFAULT_VALIDITY_PERIOD

(文字列、0 〜 252 バイト) デフォルトでは、SMS メッセージには相対有効期間は指定されていません。代わりに、SMSC のデフォルト値が使用されます。このオプションは別の相対有効期間を指定するために使用します。値は、秒、分、時、または日の各単位で指定できます。表 C–15 に、このオプションに使用するさまざまな値の形式と説明を示します。

表 C–15 DEFAULT_VALIDITY_PERIOD の形式と値

形式 

説明 

nnn

黙示的な秒単位。例: 604800 

nnns

秒単位。例: 604800s 

nnnm

分単位。例: 10080m 

nnnh

時単位。例: 168h 

nnnd

日単位。例: 7d 

0、0s、0m、0h、または 0d という指定が SMSC のデフォルトの有効期間を選択するために使用されることがあります。0、0s、0m、0h、または 0d という指定が使用された場合は、生成された SMS メッセージの有効期間に空の文字列が指定されます。

このオプションには UTC 形式の値を使用できないので注意してください。

DESTINATION_ADDRESS_NUMERIC

(0 または 1) 電子メールエンベロープ To: アドレスから抽出された SMS 宛先アドレスからすべての非数値文字を削除するには、このオプションを使用します。たとえば、次のエンベロープ To: アドレスがあるとします。

"(800) 555-1212"@sms.siroe.com

このアドレスは次のように短くなります。

8005551212@sms.siroe.com

このような削除を有効にするには、このオプションの値に 1 を指定します。デフォルトでは、この削除処理は無効になっています。これはオプションの値が 0 である場合に相当します。有効になっている場合は、「DESTINATION_ADDRESS_PREFIX」オプションによって宛先アドレスのプレフィックスが追加される前に削除が実行されることに注意してください。

DESTINATION_ADDRESS_PREFIX

(文字列) すべての SMS 宛先アドレスの先頭に固定テキスト文字列 (たとえば「+」) が必ず付いていることが必要な場合があります。このオプションはこのようなプレフィックスを指定するために使用します。プレフィックスは、指定したプレフィックスが付いていないすべての SMS 宛先アドレスに追加されます。「DESTINATION_ADDRESS_NUMERIC」オプションによって削除されないようにするため、このオプションは DESTINATION_ADDRESS_NUMERIC オプションのあとに適用されます。

PROFILE

(文字列) SMSC で使用される SMS プロファイルを指定します。指定できる値は、GSMTDMA、および CDMA です。指定されていない場合は、GSM と仮定されます。このオプションは、「DEFAULT_PRIORITY」「DEFAULT_PRIVACY」などのほかのチャネルオプション用のデフォルトを選択するためにのみ使用されます。

USE_SAR

(0 または 1) サイズの大きい電子メールメッセージは、複数の SMS メッセージに分割される場合があります。このとき、SMS sar_ フィールドを使用すると、個別の SMS メッセージに順番情報を付加することができます。これにより、「セグメント化された」SMS メッセージが生成され、受信端末で 1 つの SMS メッセージに再構成できます。USE_SAR=1 を指定すると、可能な場合にこの順番情報が付加されます。デフォルトでは順番情報を付加しません。これは USE_SAR=0 に相当します。

USE_SAR=1 が設定されている場合、「REVERSE_ORDER」オプションは無視されます。

C.3.3.4 SMPP オプション

次のオプションを使用して、SMPP プロトコルパラメータに関する指定が行えます。文字列 ESME_ で始まる名前のオプションは、MTA が External Short Message Entity (ESME) として動作するときに MTA を特定するために使用します。つまりそれは、SMS メッセージをサーバーに関連付けされた SMSC に送信するために、MTA が SMPP サーバーにバインドされているときです。

ESME_ADDRESS_NPI

(整数、0 〜 255) デフォルトでは、不明な NPI を示す 0 の ESME NPI 値がバインド動作によって指定されます。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の代替整数値を割り当てることができます。一般的な NPI 値の表については、「DEFAULT_DESTINATION_NPI」オプションの説明を参照してください。

ESME_ADDRESS_TON

(整数、0 〜 255) デフォルトでは、バインド動作によって 0 の ESME TON 値が指定されます。このオプションを使用すると、0 〜 255 の範囲で別の整数値を割り当てることができます。一般的な TON 値の表については、「DEFAULT_DESTINATION_TON」オプションの説明を参照してください。

ESME_IP_ADDRESS

(文字列、0 〜 15 バイト) SMPP サーバーにバインドするとき、BIND PDU は、クライアントの (つまり、ESME の) アドレス範囲が IP アドレスであることを示します。これは、TON に 0x00、NPI に 0x0d を指定して行います。アドレス範囲フィールドの値は、SMS チャネルを実行するホストの IP アドレスに設定されます。IP アドレスは「127.0.0.1」のように、ドット付きの 10 進形式で指定します。

ESME_PASSWORD

(文字列、0 〜 8 バイト) SMPP サーバーにバインドするとき、パスワードを要求される場合があります。その場合は、このオプションでそのパスワードを指定します。デフォルトでは、長さ 0 のパスワード文字列が指定されています。

ESME_SYSTEM_ID

(文字列、0 〜 15 バイト) SMPP サーバーにバインドするとき、MTA のシステム ID を提示する場合があります。デフォルトでは、システム ID は指定されていません。つまり、長さ 0 の文字列が使用されています。システム ID を指定するには、このオプションを使用します。

ESME_SYSTEM_TYPE

(文字列、0 〜 12 バイト) SMPP サーバーにバインドするとき、MTA のシステムタイプを提示する場合があります。デフォルトでは、指定されているシステムタイプはありません。つまり、長さ 0 の文字列が使用されます。

MAX_PAGES_PER_BIND

(整数 >= 0) SMPP サーバーのなかには、1 回のバインドセッション中に送信される最大 SMS メッセージ数を制限するものもあります。このため、このオプションではシングルセッション中に送信される SMS メッセージの最大数について、規定することができます。この制限に達すると、チャネルはアンバインドして TCP/IP 接続を終了してから、再接続し、再バインドします。

MAX_PAGES_PER_BIND のデフォルトは 1024 です。チャネルでは、ESME_RTHROTTLED エラーも検出され、1 回のチャネルの実行中に必要に応じて MAX_PAGES_PER_BIND が調整されます。

REVERSE_ORDER

(0 または 1) 電子メールメッセージから複数の SMS メッセージが生成された場合、それらの SMS メッセージは順次 (REVERSE_ORDER=0) または逆順 (REVERSE_ORDER=1) で SMSC に送信できます。受信端末が最後に受信したメッセージから先に表示するような場合は、逆順が便利です。そのような場合、最後に受信したメッセージは、電子メールの末尾部分ではなく、先頭部分になります。デフォルトでは REVERSE_ORDER=1 が使用されます。

このオプションは、「USE_SAR」=1 が指定されている場合は無視されることに注意してください。

SMPP_MAX_CONNECTIONS

(整数、1 〜 50) このオプションは、処理ごとの最大同時 SMPP 接続数を制御します。それぞれの接続には関連付けされたスレッドがありますが、このオプションでは、プロセスごとの「ワーカー」スレッドの最大数も制限します。デフォルトは SMPP_MAX_CONNECTIONS=20 です。

SMPP_PORT

(整数、1 〜 65535) SMPP サーバーが待機する TCP ポートは、このオプションまたは port チャネルキーワードのどちらかで指定します。このポート番号は、それら 2 つのメカニズムのどちらかで指定する必要があります。両方のメカニズムで指定した場合は、SMPP_PORT オプションによる設定が優先されます。このオプションのデフォルト値はありません。

双方向 SMS の場合は、このポートが SMPP リレーの LISTEN_PORT と同じポートであることを確認してください。

SMPP_SERVER

(文字列、1 〜 252 バイト) 片方向 SMS の場合、デフォルトの接続先 SMPP サーバーの IP ホスト名は、チャネルに関連付けられた正式なホスト名 (MTA 設定のチャネル定義の 2 行目に示されているホスト名) です。このオプションは、別のホスト名または IP アドレスを指定するために使用します。このオプションでの指定はチャネル定義での指定より優先されます。IP アドレスを指定する際は、ドット付きの 10 進表記で指定します (例: 127.0.0.1)。

双方向 SMS の場合は、SMS Gateway Server のホスト名または IP アドレスをポイントするように設定します。SMPP リレーの LISTEN_INTERFACE_ADDRESS オプションを使用している場合は、指定したネットワークインタフェースアドレスに関連付けられているホスト名または IP アドレスを必ず使用してください。

TIMEOUT

(整数、>= 2) デフォルトでは、SMPP サーバーへのデータ書き込みが完了するまで、またはデータが SMPP サーバーから受信されるまでに 30 秒のタイムアウトが使用されます。別のタイムアウト値 (秒) を指定するには、TIMEOUT オプションを使用します。指定する値は 1 秒以上にしてください。

C.3.3.5 ローカライズオプション

SMS チャネルには、SMS メッセージの作成時に SMS メッセージに付加するいくつかの固定テキスト文字列があります。これらの文字列は、たとえば電子メールの From: アドレスや Subject: ヘッダー行に使用されます。この節で説明されているチャネルオプションを使用して、さまざまな言語用にこれらの文字列のバージョンを指定し、その後チャネルのデフォルト言語を指定できます。例 C–2 に、オプションファイルの言語部分を示します。


例 C–2 チャネルオプションファイルの言語指定部分


LANGUAGE=default-language

[language=i-default]
FROM_PREFIX=From:
SUBJECT_PREFIX=Subj:
CONTENT_PREFIX=Msg:
LINE_STOP= NO_MESSAGE=[no message]
REPLY_PREFIX=Re:

[language=en]
FROM_PREFIX=From:
SUBJECT_PREFIX=Subj:
CONTENT_PREFIX=Msg:
LINE_STOP= 
NO_MESSAGE=[no message]
REPLY_PREFIX=Re:
  ...

それぞれの [language=x] ブロックでは、その言語に関するローカライズオプションを指定します。ブロック内の特定のオプションが指定されていない場合は、そのオプションのグローバル値が使用されます。[language=x] ブロックの外で指定されたローカライズオプションが、そのオプションのグローバル値になります。

これから示すオプションでは、文字列値を US-ASCII または UTF-8 文字セットで指定する必要があります。US-ASCII 文字セットは、UTF-8 文字セットの特殊な場合です。

CONTENT_PREFIX

(文字列、0 〜 252 バイト) SMS メッセージで電子メールメッセージの内容自体の前に置くテキスト文字列。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「Msg:」です。

DSN_DELAYED_FORMAT

(文字列、0 〜 256 文字) 配信遅延通知用の書式設定文字列。デフォルトでは、このオプションには空の文字列が使用されています。この場合、遅延通知の SMS への変換は行われません。このオプションを有効にするには、「GATEWAY_NOTIFICATIONS」1 に設定する必要があります。GATEWAY_NOTIFICATIONS=0 の場合、このオプションは無視されます。

DSN_FAILED_FORMAT

(文字列、0 〜 256 文字) 永久的な配信失敗通知用の書式設定文字列。このオプションのデフォルト値は次の文字列です。

Unable to deliver your message to $a; no further delivery attempts will be made.

失敗通知の変換が行われないようにするには、このオプションに空の文字列を指定します。このオプションを有効にするには、「GATEWAY_NOTIFICATIONS」1 に設定する必要があります。GATEWAY_NOTIFICATIONS=0 の場合、このオプションは無視されます。

DSN_RELAYED_FORMAT

(文字列、0 〜 256 文字) リレー通知用の書式設定文字列。デフォルト値は次の文字列です。

Your message to $a has been relayed to a messaging system which may not provide a final delivery confirmation

リレー通知の変換が行われないようにするには、このオプションに空の文字列を指定します。このオプションを有効にするには、「GATEWAY_NOTIFICATIONS」1 に設定する必要があります。GATEWAY_NOTIFICATIONS=0 の場合、このオプションは無視されます。

DSN_SUCCESS_FORMAT

(文字列、0 〜 256 文字) 配信成功通知用の書式設定文字列。デフォルト値は次の文字列です。

Your message to $a has been delivered

配信成功通知の変換が行われないようにするには、このオプションに空の文字列を指定します。このオプションを有効にするには、「GATEWAY_NOTIFICATIONS」1 に設定する必要があります。GATEWAY_NOTIFICATIONS=0 の場合、このオプションは無視されます。

FROM_FORMAT

(文字列、0 〜 252 バイト) SMS メッセージに挿入する差出人情報を書式設定するテンプレート。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「$a」で、差出人の電子メールアドレスに置換されます。詳細については、「C.3.3.6 書式設定テンプレート」を参照してください。

FROM_NONE

(文字列、0 〜 252 バイト) 表示する差出人のアドレスがない場合に SMS メッセージに置くテキスト文字列。デフォルトのグローバル値は空の文字列です。

通常、このオプションは使用されません。一般的に、差出人のアドレスがない電子メールメッセージはサイトで拒否されるからです。

LANGUAGE

(文字列、0 〜 40 バイト) テキスト文字列の選択源になるデフォルトの言語グループ。指定されていない場合、言語はホストのデフォルトのロケール指定から生成されます。ホストのロケール設定が利用できない場合や、「C」に対応する場合は、i-default が使用されます。i-default は、「国際的な対象者を意図した英文テキスト」に相当します。

LINE_STOP

(文字列、0 〜 252 バイト) SMS メッセージで電子メールメッセージから抽出された行間に置くテキスト文字列。デフォルトのグローバル値は、US-ASCII スペース文字の「 」です。

NO_MESSAGE

(文字列、0 〜 252 バイト) SMS メッセージに置く、電子メールメッセージに内容がないことを示すテキスト文字列。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「[no message]」です。

SUBJECT_FORMAT

(文字列、0 〜 252 バイト) SMS メッセージでの表示用に、Subject: ヘッダー行の内容を書式設定するテンプレート。このオプションのデフォルトのグローバル値は、US-ASCII 文字列の「($s)」です。詳細については、「C.3.3.6 書式設定テンプレート」を参照してください。

Subject: ヘッダー行がない場合や、空の文字列である場合の処理については、SUBJECT_NONE オプションを参照してください。

SUBJECT_NONE

(文字列、0 〜 252 バイト) 元の電子メールメッセージに Subject: ヘッダー行がないか、Subject: ヘッダー行の値が空の文字列の場合に表示するテキスト文字列。このオプションのデフォルトのグローバル値は空の文字列です。

DEBUG

(整数、ビットマスク) デバッグ出力を有効にします。デフォルト値は 6 であり、警告およびエラーメッセージが選択されます。0 以外の値を指定すると、チャネル定義で master_debug を指定した場合と同じく、チャネル自体のデバッグ出力が有効になります。表 C–16 に、DEBUG ビットマスクのビット値を示します。

表 C–16 DEBUG ビットマスク

ビット 

値 

説明 

0-31 

-1

きわめて詳細な出力 

1

情報メッセージ 

2

警告メッセージ 

4

エラーメッセージ 

8

サブルーチン呼び出しのトレース 

16

ハッシュテーブル診断 

32

I/O 診断、受信 

64

I/O 診断、送信 

128

SMS から電子メールへの変換診断 (モバイルからの発信および SMS 通知) 

256

PDU 診断、ヘッダーデータ 

512

PDU 診断、本文データ 

10 

1024

PDU 診断、タイプの長さ値のデータ 

11 

2048 

オプション処理です。すべてのオプション設定をログファイルに送ります。 

C.3.3.6 書式設定テンプレート

「FROM_FORMAT」「SUBJECT_FORMAT」、およびすべての DSN_* チャネルオプションで指定される書式設定テンプレートは、UTF-8 文字列です。これには、リテラルテキストと置換シーケンスの組み合わせが含まれている場合があります。例として次の電子メールアドレスを使用します。

Jane Doe <user@siroe>

表 C–17 に、認識される置換シーケンスを示します。

表 C–17 置換シーケンス

シーケンス 

説明 

$a

差出人の電子メールアドレスのローカル部分とドメイン部分で置き換えます (例:「user@siroe」)

$d

差出人の電子メールアドレスのドメイン部分で置き換えます (例:「domain」)

$p

差出人の電子メールアドレスのフレーズ部分 (ある場合) で置き換えます (例:「Jane Doe」)

$s

Subject: ヘッダー行の内容で置き換えます

$u

差出人の電子メールアドレスのローカル部分で置き換えます (例:「user」)

\x

リテラル文字「x」で置き換えます

たとえば、次の書式設定テンプレートがあるとします。

From: $a

このテンプレートは、次のテキスト文字列を生成します。

From: user@siroe

コンストラクタ

${xy:alternate text}

がシーケンス x に関連付けられたテキストで置き換えるために使用される場合があります。このテキストが空の文字列である場合は、シーケンス y に関連付けられたテキストが代わりに使用されます。さらにこのテキストが空の文字列である場合は、代替テキストで置き換えられます。たとえば、次の書式設定テンプレートがあるとします。

From: ${pa:unknown sender}

これを次の差出人の電子メールアドレスに適用します。

John Doe <jdoe@siroe.com>

このアドレスにはフレーズ部分があるので、テンプレートによって次の結果が生成されます。

From: John Doe

今度は、次のアドレスに適用します。

jdoe@siroe.com

このアドレスにはフレーズがないので、次の結果になります。

From: jdoe@siroe.com

さらに、空の差出人アドレスに適用すると、次の結果になります。

From: unknown sender