Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

はじめに

このガイドでは、Sun JavaTM System Messaging Server と付属するソフトウェアコンポーネントの管理方法について説明します。Messaging Server は、オープンインターネット規格を使用したあらゆる規模の企業およびメッセージングホストの電子メールニーズに対応する、強力で柔軟性のあるクロスプラットフォームのソリューションを提供します。

対象読者

このマニュアルは、管理するサイトで、Messaging Server の管理や実装に対し、責任ある立場の方を対象としています。『Sun Java Communications Suite 5 配備計画ガイド』も読んでおく必要があります。

このマニュアルをお読みになる前に

このマニュアルは、Messaging Server ソフトウェアの管理を担当する責任者を対象とし、次の一般的な知識を持っていることを前提にしています。

内容の紹介

このマニュアルは、次の章および付録から構成されています。

表 P–1 内容の紹介

章 

説明 

はじめに 

このマニュアルについての一般情報です。 

第 1 章「インストール後の作業とレイアウト」

正常に機能している Messaging Server を使用できるようにするための手順を説明します。 

第 2 章「Messaging Server 5.2 から Sun Java System Messaging Server へのアップグレード」

Messaging Server 5.2 からこのバージョンの Messaging Server へのアップグレード方法について説明します。 

第 3 章「高可用性の設定」

高可用性のクラスタリングソフトウェア Veritas Cluster Server および Sun Cluster を、Messaging Server とともに使用するための設定方法について説明します。 

第 4 章「一般的なメッセージング機能の設定」

一般的な Messaging Server タスクについて説明します。 

第 5 章「POP、IMAP、および HTTP サービスの設定」

POP、IMAP、および HTTP サービスをサポートするようにサーバーを設定する方法について説明します。 

第 6 章「シングルサインオン (SSO) の有効化」

シングルサインオンを有効にする方法について説明します。 

第 7 章「マルチプレクササービスの設定および管理」

標準メールプロトコル (POP、IMAP、および SMTP) 対応の Messaging Multiplexor (MMP) について説明します。 

第 8 章「MTA の概念」

MTA の概念について説明します。 

第 9 章「MTA のアドレス変換とルーティング」

アドレス変換とルーティングについて説明します。 

第 10 章「MTA サービスと設定について」

MTA のサービスと設定について説明します。 

第 11 章「書き換えルールの設定」

imta.cnf ファイル内で書き換えルールを設定する方法について説明します。 

第 12 章「チャネル定義を設定する」

MTA 設定ファイル imta.cnf でのチャネルキーワード定義の使用方法について説明します。 

第 13 章「定義済みチャネルを使用する」

MTA の定義済みチャネルの使い方を説明します。 

第 14 章「スパムとウイルスのフィルタ処理プログラムを Messaging Server に統合する」

Messaging Server を使用して、スパムおよびウイルスフィルタリングソフトウェアを統合および設定する方法について説明します。 

第 15 章「Sender Policy Framework を使用して偽造電子メールを処理する」

SMTP 対話中に、偽造された電子メールを検出して拒否することのできるテクノロジについて説明します。 

第 16 章「LMTP 配信」

LMTP の運用と開発について説明します。 

第 17 章「不在メッセージの自動返信」

不在時の自動返信機構について説明します。 

第 18 章「メールのフィルタリングとアクセス制御」

メールをソース (差出人、IP アドレスなど) やヘッダー文字列に基づいてフィルタリングする方法について説明します。 

第 19 章「MeterMaid を使用した着信接続の調整」

conn_throttle.so の代替として同様の機能を提供し、Messaging Server のインストール全体にその機能を拡張するリポジトリプロセスについて説明します。

第 20 章「メッセージストアを管理する」

メッセージストアとその管理インタフェースについて説明します。 

第 21 章「メッセージのアーカイブ」

Messaging Server のアーカイブの概念について説明します。 

第 22 章「Message Queue のためのメッセージを生成する JMQ 通知プラグインの設定」

Message Queue サービスでクライアントによって消費されるメッセージを生成する JMQ 通知プラグインを設定する方法について説明します。 

第 23 章「セキュリティーとアクセス制御を設定する」

Messaging Server に対するセキュリティーおよびアクセス制御の設定方法について説明します。 

第 24 章「Communications Express メールでの S/MIME の管理」

S/MIME を管理する方法について説明します。 

第 25 章「ログの管理」

Messaging Server のロギング機能について説明します。 

第 26 章「MTA のトラブルシューティング」

MTA の障害追跡のための共通のツール、メソッド、および手続きについて説明します。 

第 27 章「Messaging Server を監視する」

Messaging Server の監視について説明します。 

付録 A 「SNMP サポート」

Messaging Server の SNMP サポートを有効にする方法について説明します。 

付録 B 「Messaging Server の Event Notification Service を管理する」

Messaging Server 内で Event Notification Service Publisher (ENS Publisher) を有効にして Event Notification Service (ENS) を管理する方法について説明します。 

付録 C 「ショートメッセージサービス (SMS)」

Short Message Service (SMS) を実装する方法について説明します。 

付録 D 「インストールワークシート」

インストールを計画するためのワークシートを示します。 

Messaging Server のマニュアルセット

次の表に、Messaging Server のコアマニュアルセットに含まれるマニュアルの概要を示します。

表 P–2 Messaging Server のマニュアル

マニュアルタイトル 

内容 

『Sun Java System Messaging Server 6.3 Administration Reference』

Messaging Server のコマンド、configutil パラメータ、設定ファイルとオプション、およびサポートする標準についての詳細な参照情報を提供します。

『Sun Java Communications Suite 5 配備計画ガイド』

Messaging Server を含む、Sun Java System Communications Services の配備に必要な情報を提供します。 

『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』

Sun Java System Communications Services Delegated Administrator の設定および管理方法について説明します。また、Delegated Administrator のコマンドについても解説します。 

『Sun Java Communications Suite 5 Schema Migration Guide 』

LDAP Schema 1 の Sun Java System LDAP Directory データを、System Messaging Server および Calendar Server 用の LDAP Schema 2 に移行する方法について説明します。 

『Sun Java Communications Suite 5 Event Notification Service Guide 』

Messaging Server および Calendar Server の Event Notification Service (ENS) アーキテクチャーおよび API について説明します。サーバーインストールのカスタマイズに使用可能な ENS API に関する詳細な指示が含まれます。 

『Sun Java Communications Suite 5 リリースノート』

Sun Java System Messaging Server のリリース時点で入手できる重要な情報が含まれています。ここでは、新機能、拡張機能、既知の問題、制限事項などについても説明します。 

『Sun Java Communications Suite 5 Schema Reference 』

Messaging Server および Calendar Server 用のスキーマ情報のリファレンスとして使用できます。 

『Sun Java System Communications Express 6.3 管理ガイド』

Communications Express および付属するソフトウェアコンポーネントの管理方法について説明します。 

『Sun Java System Communications Express 6.3 Customization Guide』

Communications Express のルックアンドフィールのカスタマイズ方法を説明します。最も一般的なカスタマイズの実行方法を中心に説明します。 

『Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (UNIX 版)』

Sun Java Enterprise System (Java ES) ソフトウェアをインストールする際に必要な情報が含まれます。 

『Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 MTA Developer’s Reference』

Messaging Server Message Transfer Agent (MTA) Software Development Kit (SDK) および Callable Send 機能について説明します。 

『Sun Java Enterprise System 用語集』

用語集。 

『Sun Java Communications Suite 5 Documentation Center』

Communications Suite マニュアルへのトピック別のリンク。 

また、次の URL を使用すると、Communications Services 製品のすべてのマニュアルを参照できます。

関連マニュアル

http://docs.sun.com の Web サイトを利用すると、Sun の技術的なマニュアルにオンラインでアクセスできます。アーカイブを参照したり、特定のマニュアルタイトルや題目を検索したりできます。

Messaging Server の配備に関連するその他のサーバーマニュアルについては、次を参照してください。

デフォルトのパスとファイル名

次の表は、このマニュアルで使用されるデフォルトのパスとファイル名を示します。

表 P–3 デフォルトのパスとファイル名

プレースホルダ 

説明 

デフォルト値 

msg-svr-base

Messaging Server のベースインストールディレクトリを表します。Messaging Server のデフォルトのベースインストールディレクトリおよび製品ディレクトリは、プラットフォームにより異なります。 

Solaris システム: /opt/SUNWmsgsr

Linux システム: /opt/sun/messaging

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P–4 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

machine_name% you have mail.

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 

machine_name% su

Password:

aabbcc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャー・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 

 


sun% grep `^#define \

  XV_VERSION_STRING'

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。

コマンド例のシェルプロンプト

次の表に、デフォルトのシステムプロンプトおよびスーパーユーザーのプロンプトを示します。

表 P–5 シェルプロンプト

シェル 

プロンプト 

UNIX システムおよび Linux システムの C シェル 

machine_name%

UNIX システムおよび Linux システムの C シェルスーパーユーザー 

machine_name#

UNIX システムおよび Linux システムの Bourne シェルおよび Korn シェル 

$

UNIX システムおよび Linux システムの Bourne シェルおよび Korn シェルのスーパーユーザー 

#

記号の表記規則

次の表は、この用語集で使用される記号の一覧です。

表 P–6 記号の表記規則

記号 

説明 

例 

意味 

[ ]

省略可能な引数やコマンドオプションが含まれます。 

ls [-l]

-l オプションは必須ではありません。

{ | }

必須のコマンドオプションの選択肢を囲みます。 

-d {y|n}

-d オプションには y 引数か n 引数のいずれかを使用する必要があります。

${ }

変数参照を示します。 

${com.sun.javaRoot}

com.sun.javaRoot 変数の値を参照します。

同時に押すキーを示します。 

Control-A 

Control キーを押しながら A キーを押します。 

順番に押すキーを示します。 

Ctrl+A+N 

Control キーを押してから放し、それに続くキーを押します。 

-> 

グラフィカルユーザーインタフェースでのメニュー項目の選択順序を示します。 

「ファイル」->「新規」->「テンプレート」 

「ファイル」メニューから「新規」を選択します。「新規」サブメニューから「テンプレート」を選択します。 

Sun リソースへのオンラインアクセス

docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。マニュアルは、PDF 形式と HTML 形式のオンラインファイルとして提供されています。障害を持つユーザーのための支援技術により、どちらの形式も読みやすくなっています。

以下の Sun リソースにアクセスするには、http://www.sun.comを参照してください。

他社の Web サイト

このマニュアル内で参照している第三者の URL は、追加の関連情報を提供します。


注 –

このマニュアルで説明する Sun 以外の Web サイトの利用については、Sun は責任を負いません。こうしたサイトやリソース上の、またはこれらを通じて利用可能な、コンテンツ、広告、製品、その他の素材について、Sun は推奨しているわけではなく、Sun はいかなる責任も負いません。こうしたサイトやリソース上で、またはこれらを経由して利用できるコンテンツ、製品、サービスを利用または信頼したことに伴って発生した (あるいは発生したと主張される) 実際の (あるいは主張される) 損害や損失についても、Sun は一切の責任を負いません。


このマニュアルに関するコメント

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