Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

15.3 カレンダの自動作成

ここでは、Calendar Server 機能を使用してユーザーの最初のログイン時にカレンダを自動的に作成する方法と概念情報について説明します。

カレンダ自動作成は、デフォルトで有効になっています。有効な場合、次の 2 つの状況下でシステムは自動的にカレンダを作成します。

この状況でカレンダの自動作成を実装するために必要な設定情報については、「グループ用に Calendar Server を設定するには」を参照してください。

ここでは、次の内容について説明します。

15.3.1 calids の作成

Calendar Server は、新しいデフォルトカレンダに対して、ユーザー ID とドメイン名からカレンダ ID (calid) を作成します。

たとえば、John Smith のユーザー ID は jsmith で、彼の LDAP エントリは sesta.com ドメインにあります。彼が Calendar Server に初めてログインすると、システムは calid として jsmith@sesta.com が設定されたデフォルトカレンダを自動的に作成します。それ以降に John Smith が作成する各カレンダの calid は、カレンダ名の先頭に jsmith@sesta.com: が追加されます。たとえば、John Smith があとで meetings という名前の新しいカレンダを作成する場合、新しいカレンダの calidjsmith@sesta.com:meetings です。

デフォルトカレンダを持たないユーザー、グループ、またはリソースが予定の出席者リストに表示されている場合、システムは予定の所有者として予定の所有者のドメイン内の LDAP の uid を検索します。所有者にドメインが割り当てられていない場合、デフォルトドメインを検索します。システムは、ドメインを uid に追加して calid を構築します。

システムが予定の所有者のドメインで uid を見つけられない場合は、予定の所有者が検索できるその他のドメインを検索します。詳細は、「11.2 Calendar Server 6.3 システムでのドメイン間の検索」を参照してください。

Procedureカレンダの自動プロビジョニングを有効にするには

カレンダの自動プロビジョニングはデフォルトで有効にされています。しかし、自動プロビジョニングを無効にした後に再び有効にする必要がある場合は、次の手順を実行します。

  1. 設定権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal コマンドを発行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  4. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  5. 次の表に示す、Calendar Server 設定ファイル ics.conf に含まれる 1 つ以上のパラメータを編集します。

    パラメータ 

    説明とデフォルト値 

    local.autoprovision

    “yes” に設定すると、ユーザーが最初にログインしたときにデフォルトのカレンダが自動的に作成されます。自動プロビジョニングはデフォルトで有効にされています。 

    この機能を無効にするには、値を “no” に設定します。 

  6. ユーザーの LDAP エントリがカレンダに対して有効になっていることを検証します。

    このエントリには、icsCalendarUser オブジェクトクラスが含まれている必要があります。ユーザーの LDAP エントリにクラスがない場合は、追加します。

  7. サイトで複数のドメインを使用している場合、カレンダの自動プロビジョニングを有効にする前に、ユーザーのドメインでカレンダが有効にされている必要があります。ドメインエントリに icsCalendarDomain オブジェクトクラスが含まれている必要があります。

  8. ファイルを保存します。

  9. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/start-cal

Procedureカレンダの自動プロビジョニングを無効にするには

  1. 設定権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal コマンドを発行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  4. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  5. 次の表に示す、Calendar Server 設定ファイル ics.conf に含まれる 1 つ以上のパラメータを編集します。

    パラメータ 

    説明とデフォルト値 

    local.autoprovision

    パラメータを no に設定すると、ユーザーカレンダの自動プロビジョニングが無効になります。

  6. ファイルを保存します。

  7. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/start-cal


    注 –

    自動プロビジョニングが無効の場合、正常にログインするためには、そのユーザーに対して明示的にカレンダが作成されている必要があります。