Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

1.7 Calendar Server バージョン 6.3 の LDAP データキャッシュオプション

LDAP データキャッシュオプションを使用すると、LDAP ディレクトリサーバーが、コミットされたデータの利用可能性に遅延が発生するように設定されている場合でも、コミットされるとすぐに LDAP データが利用できるようになります。

たとえば、サイト上にマスター/スレーブ LDAP 構成が配備されており、Calendar Server がマスター LDAP ディレクトリにスレーブ LDAP ディレクトリサーバー経由でアクセスする仕組みになっている場合、コミット済み LDAP データが利用可能になるまでにいくらかの遅延が発生しますが、LDAP データキャッシュを使えば、Calendar Server クライアントが正確な LDAP データにアクセスできるようになります。

ここでは、次の内容について説明します。

1.7.1 Calendar Server バージョン 6.3 での LDAP データキャッシュの使用に関する考慮事項

次のガイドラインを使用して、サイトで LDAP データキャッシュを設定すべきかどうかを判断してください。

1.7.2 Calendar Server バージョン 6.3 のマスター/スレーブ LDAP 構成

マスター/スレーブ LDAP 構成には、マスター (ルート) ディレクトリサーバーと、1 つ以上のスレーブ (コンシューマまたはレプリカ) ディレクトリサーバーが含まれます。Calendar Server は、マスター LDAP ディレクトリサーバーに直接アクセスすることも、スレーブディレクトリサーバー経由でアクセスすることもできます。

1.7.3 Calendar Server バージョン 6.3 の LDAP データキャッシュ

LDAP データキャッシュは、マスターディレクトリサーバーが各スレーブディレクトリサーバーをまだ更新していない場合でも、Calendar Server クライアントに最新の LDAP データを提供することにより、マスター/スレーブ LDAP 構成の問題を解決します。

LDAP データキャッシュが有効になっていると、Calendar Server は、コミットされた LDAP データをキャッシュデータベース (ldapcache.db ファイル) に書き込みます。LDAP キャッシュデータベースは、デフォルトでは ldap_cache データベースディレクトリに配置されますが、必要に応じて別の場所を設定できます。

クライアントが単一ユーザーの LDAP データを変更すると、Calendar Server は、変更されたデータをスレーブディレクトリサーバーだけでなく、LDAP キャッシュデータベースにも書き込みます。以降のクライアント操作では、LDAP データがキャッシュデータベースから取得されます。

このデータ取得は、単一ユーザーの次の操作に適用されます。

これにより、LDAP データキャッシュデータベースでは次のことが可能になります。

1.7.4 Calendar Server バージョン 6.3 の LDAP データキャッシュの制約

LDAP データキャッシュでは、次のことを行うことはできません。