Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

3.3 csmigrate ユーティリティー

csmigrate ユーティリティーは、Calendar Server 6.0、6.1、または 6.2 データベースを Calendar Server 6.3 データベースに移行するために使用されます。csmigrate ユーティリティーは、その他の管理ツールとともに Calendar Server 製品の sbin ディレクトリ内にあります。

ここでは、次の内容について説明します。

3.3.1 csmigrate ユーティリティーの構文

csmigrate コマンドの構文は次のとおりです。

csmigrate [-q] [-d] [-l min|max] [-b backup_dir] source_dbdir target_dbdir

オプションとその用途は次のとおりです。

-q (任意)

非出力モードを指定し、印刷指示は出しません。

-d (任意)

ドライランモードを指定し、新規データベースは書き込まれません。

-l min|max (任意)

ログレベルを指定します。移行ログは csmigrate.log に書き込まれ、エラーはデフォルトログディレクトリの csmigrateError.log に書き込まれます。

-b backup_dir (オプション)

ソースデータベースのバックアップを作成するディレクトリを指定します。プログラムはこのディレクトリにソースデータベースのバックアップを作成し、ソースデータベースを破損しないために、そのコピーに対して作業を行います。デフォルトの場所は、ソースデータベースディレクトリの backup です。

-source_dbdir (必須)

移行前のデータベースファイルが保存されているディレクトリ。

-target_dbdir (必須)

移行後のファイルが保存されるディレクトリ。

-V (サポートされるその他のオプション)

ツールのバージョン情報の印刷。

-? (サポートされるその他のオプション)

ツールの使用情報の印刷。


注 –

プログラムの終了コードは、失敗の場合は 255、成功の場合は 0 です。


3.3.2 csmigrate の例

csmigrate コマンドのオプションの使用例は次のとおりです。

csmigrate -b /var/opt/SUNWics5/tmpdb /var/opt/SUNWics5/old_db /var/opt/SUNWics5/new_db
csmigrate -q /var/opt/SUNWics5/old_db /var/opt/SUNWics5/new_db
csmigrate -l min old_db /var/opt/SUNWics5/new_db
csmigrate -l max old_db /var/opt/SUNWics5/new_db

ProcedureCalendar Server の csmigrate ユーティリティーの実行方法

  1. root 権限でログインします。

  2. すべてのサービスを停止します。

    たとえば、次のコマンドを実行します。

    stop-cal
  3. 現在のデータベースを一時ディレクトリに移動します。

    たとえば、csdb ディレクトリ全体を oldcsdb に移動します。

    mv cal-svr-base/SUNWics5/csdb/* cal-svr-base/SUNWics5/oldcsdb
  4. 新規ディレクトリと、そのディレクトリ内の古いファイルの両方が、デフォルト管理者 (icsuser、icsgroup) によって所有されていることを確認します。

    所有権が誤っている場合は、次のコマンドを使用して所有権を変更します。

    chown -R icsuser:icsgroup /cal-svr-base/SUNWics5/oldcsdb/
  5. 移行ツールを実行します。

    次の例に示すように、新規バックアップコピー (oldcsdb) から csdb ディレクトリに移行します。

    cd cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/ 
    ./csmigrate -l max /cal-svr-base/SUNWics5/oldcsdb cal-svr-base/SUNWics5/csdb
  6. カレンダサービスを再起動します。

    たとえば、次のコマンドを使用します。

    stop-cal