Sun Java System Communications Express 6.3 管理ガイド

移行シナリオ

データの移行は、次の 2 つの方法で行われます。

動的移行

既存の Messenger Express ユーザーが Communications Express にログインすると、動的移行が実行されます。移行が完了すると、ユーザーは電子メールを受信します。

    動的移行プロセスでは、次の処理が行われます。

  1. アプリケーションは、pab_mig_required パラメータを確認することによって、移行が uwcuath.properties ファイルで有効になっているかどうかを確認します。

    pab_mig_required パラメータが true に設定されている場合は、移行プロセスが開始されます。

  2. 次に、ログインロジックがユーザーの LDAP エントリ内の nswmextendedprefs 属性を比較します。mepabmigration の値を確認して、ユーザーのデータが以前に移行されているかどうかを判断します。

  3. PAB 移行が完了すると、アドレス帳サーバーは移行プロセスが完了したことを示すため、ログインしているユーザーエントリの nswmextendedprefs および mepabmigration プロパティーを「1」に設定します。

  4. ユーザーは PAB データがアドレス帳サーバーに移行すると、メールを受信します。

メールを受信するには、migrate.properties ファイルにパラメータを設定する必要があります。

表 7–1 PAB 移行電子メールパラメータ

パラメータ 

デフォルト値 

説明 

emailReqd

True 

PAB データが正常に移行された後、メールを送信できるようにします。 

設定可能な値は、「True」および「False」です。 

smtphost

ローカルメールホスト 

次に例を示します。budgie.siroe.com

SMTP リレーホスト名を指定します。 

smtpport

25 

SMTP リレーポートを指定します。 

mailsubject

PAB 移行状態 

メールの件名を指定します。 

from

admin@hostname

送信者の名前を指定します。 


ヒント –

最初のログイン中に PAB データの移行が開始されること、そのため初期セッション中にアドレス帳データを参照できなくなることを通知する電子メールを、管理者がすべてのユーザーに送信することをお勧めします。その後 2、3 日してもユーザーがデータを見ることができなくなった場合は、管理者に連絡する必要があります。


バッチ移行

バッチ移行プロセスでは、エンドユーザーが介入することなく、移行はサーバーレベルで行われます。管理者は runMigrate.sh バッチスクリプトを実行して、指定したドメインにあるメールユーザーの PAB データを移行します。複数ドメインに存在するメールユーザーに対して、管理者は各ドメインで runMigrate.sh スクリプトを呼び出し、ユーザーの PAB データを指定された inetDomainBaseDN からアドレス帳サーバーに移行する必要があります。

バッチ移行を実行する

runMigrate.sh スクリプトに次のパラメータを設定します。このスクリプトは、uwc-deployed-path/WEB-INF/classes ディレクトリにあります。

バッチ移行スクリプトを実行します。


# ./runMigrate.sh

バッチ移行に失敗した場合は、例外がコマンド行プロンプトに表示されます。

単一ユーザーおよび複数ユーザーのセットの移行

移行スクリプトを使用すると、管理者はすべてのユーザー、単一のユーザー、または複数のユーザーのセットを移行できます。いずれのオプションも指定しないでバッチ移行スクリプトを実行すると、ユーザーのセット全体が移行されます。単一のユーザーを移行するには、そのユーザーのユーザー ID を指定してください。複数ユーザーのセットを移行するには、テキストファイルでユーザーのリストを指定するようにしてください。runMigrate.sh コマンドの構文は、次のとおりです。

./runMigrate.sh{ [-u < [uid] |  [-f <uids-file]} [-h]

ここで使用されているオプション、変数は次のとおりです。