Communications Express では、組織のホストドメイン構造をサポートしています。この章では、ホストドメインを有効にするために Communications Express に加える変更について説明します。
Communications Express でホストドメインをサポートするためには、最初に次に示す依存関係のあるコンポーネントで、このサポートを有効にするようにしてください。
メールサーバー
Calendar Server
アドレス帳サーバー
この節では、ホストドメイン (仮想ドメインとも呼ばれる) を有効にするために、Communications Express の依存関係のあるコンポーネントに加えられる変更について説明します。
ドメインをプロビジョニングし、組織のツリー内にホストドメインエントリを作成する方法については、Sun Java System LDAP Schema v.1 用の『iPlanet Messaging Server 5.2 Provisioning Guide 』の第 2 章「Provisioning Domains」を参照してください。
メールクライアントのインタフェースを各ドメイン用にカスタマイズする方法については、『Sun Java System Communications Express 6.3 Customization Guide 』の『Sun Java System Communications Express 6.3 Customization Guide』の第 8 章「Customizing Domains」を参照してください。
Calendar Server でホストドメイン設定を有効にするには、ホストドメイン用に Calendar Server を設定してください。ホストドメイン用に Calendar Server を設定にする方法については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』の第 10 章「Calendar Server 6.3 の複数ドメイン環境の設定」を参照してください。
アドレス帳でホストドメインを有効にするには、uwc-deployed-path/WEB_INF/config/uwcauth.properties ファイルで、virtualdomain.mode パラメータを y に設定します。
ホストドメインを有効にするには、次のファイルを変更します。
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/personalstore.properties ファイル。必要な変更に関する情報については、「personalstore.properties ファイル内のパラメータの設定」を参照してください。
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/defaultps/defaultps.xml ファイル。必要な変更に関する情報については、「追加のリモートアドレス帳の作成」を参照してください。
この節では、ホストドメインを作成および設定するために実行する必要のある手順について説明します。
ドメイン名のディレクトリを uwc-deployed-path/WEB-INF/domain に作成します。
次に例を示します。 uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/domain-name
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain ディレクトリにある次のドメイン関連の設定ファイルをこのディレクトリにコピーします。
ドメイン関連の設定可能なパラメータは、以下のファイルに格納されます。
uwcdomainconfig.properties
personalstore.properties
defaultps/defaultps.xml
lang/ il8n.properties (たとえば en/i18n.properties)
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/domain-name ディレクトリにあるプロパティーファイルをカスタマイズします。
Communications Express を配備すると、次のファイルがデフォルトで uwc-deployed-path/WEB-INF/domain ディレクトリにコピーされます。
特定のユーザーのセッションでは、ドメイン関連のプロパティーファイルは以下の順序で検索されます。
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/ user's domain/property-files
uwc-deployed-path/WEB-INF/domain/ property-files
ユーザー設定用にドメイン固有のプロパティーを設定することについては、「ホストドメイン用のパラメータの設定」を参照してください。
uwcdomainconfig.properties ファイルは、カレンダおよびアドレス帳関連のユーザー設定のデフォルト値を保持します。この値は、各ドメインに従って設定可能です。これらのデフォルトユーザー設定値は、新規ユーザーが Communications Express のカレンダおよびアドレス帳に初めてアクセスするときに、動的に割り当てられます。
表 6–1 は、デフォルトユーザー設定を一覧表示しています。
表 6–1 uwcdomainconfig.properties ファイル内のデフォルトユーザー設定
表 6–2 は、カレンダアプリケーションに関連したユーザー設定を一覧表示しています。
表 6–2 uwcdomainconfig.properties ファイル内のデフォルトカレンダ設定
表 6–3 は、設定可能なアドレス帳のデフォルトユーザー設定を一覧表示しています。
表 6–3 uwcdomainconfig.properties ファイル内のデフォルトアドレス帳設定
personalstore.properties ファイル内のパラメータを変更して、アドレス帳ストア、企業ディレクトリ、および任意のリモートディレクトリを設定します。
表 6–4 は、personalstore.properties ファイルに格納されている設定を一覧表示しています。
表 6–4 personalstore.properties ファイルに格納されている設定
パラメータ |
デフォルト値 |
説明 |
---|---|---|
db.defaultpsrootpattern |
ldap://piPStoreOwner=%U,o=% D,o=PiServerDb |
ユーザーの psRoot 値を動的に構成するために使用するパターンを指定します。psroot は、ユーザーエントリが格納されている場所を特定します。 %U = ユーザーの uid ("jsmith") %D = ユーザーのドメイン (“siroe.com”) %O = ドメインのもっとも重要な部分 (" siroe") |
db.ldapplut.class |
com.iplanet.iabs.ldap.plug.iLDAP |
プラグインを実装している Java クラスの名前を指定します。たとえば LDAP プラグインなどです。 |
db.ldapplug.urlmatch |
URL を以下の形式で指定します。 ldap://host:port/DN このパラメータを基にして、xxx インスタンスを識別します。 この値は、defaultps.xml ファイルに格納されている「bookremoteurl」属性に対応していなければなりません。 |
|
db.ldapplug.configpath |
特定のインスタンスの LDAP 情報を含む設定ディレクトリへのパスを指定します。 このパスは、このファイルからの相対位置となります。 |
|
db.ldapplug.wildcardsearch |
0 |
ワイルドカード検索で指定される最小文字数を指定します。 |
db.ldpaplug.randompaging |
false |
プラグインでランダムアクセスをサポートするか、または、各ページには先頭ページからアクセスしなければならないかを指定します。 false の場合は、正しいページが得られるまで検索プロセスが続行されます。 |
db.ldapplug.corporatedir |
false |
企業ディレクトリの場合は、この値を true にします。 |
db.useUserPsRoot |
false |
ユーザーの psRoot 値を使用するには、この値を true に設定します。この値が false に設定されていると、defaultserver 値が使用されます。 |
デフォルトの theme.properties ファイルは、uwc-deployed-path/WEB-INF/skin にあります。テーマファイルには、Communications Express に表示されるアイコンの論理名とデフォルトの場所が含まれています。このファイルで指定するパスを変更すると、イメージの場所を変更できます。
uwcdomainconfig.properties ファイルには、そのドメインでサポートされる言語のリストが含まれています。リスト内の各言語は、セミコロンで区切られています。Communications Express がドメインでサポートする言語のリストは、管理者が定義できます。
たとえば、en (英語)、de (ドイツ語)、fr (フランス語)、および ja (日本語) をドメイン siroe.com でサポートする場合は、そのドメインの uwcdomainconfig.properties ファイルの supportedLanguages を supportedLanguages=en;fr;de;ja のように設定します。
siroe.com の uwcdomainconfig.properties ファイルは、次の場所にあります。
WEB-INF/domain/siroe.com/uwcdomainconfig.properties
対応する i18n.properties ファイルに、ローカライズ可能な文字列を定義する必要もあります。以下にその例を示します。
uwc-common-options-preferredLanguage-en=English
uwc-common-options-preferredLanguage-de=German
uwc-common-options-preferredLanguage-fr=French
uwc-common-options-preferredLanguage-ja=Japanese
siroe.com の i18n.properties ファイルは、次の場所にあります。
WEB-INF/domain/siroe.com/locale/ i18n.properties
ユーザーの LDAP エントリに preferredLanguage 属性、つまりドメインの preferredLanguage 属性がない場合、ブラウザで指定されたヘッダー値と i18.properties ファイルが利用可能かどうかによって、ユーザーセッションで使用される言語が決まります。