cscal ユーティリティーは、カレンダとそのプロパティーを管理します。次のコマンドがあります。
create: カレンダを作成する
delete: カレンダを削除する
disable: カレンダを無効にする
enable: カレンダを有効にする
list: カレンダをリスト表示する
modify: カレンダのプロパティーとグループスケジューリングのアクセス制御を変更する
reset: カレンダのプロパティーをデフォルトの設定にリセットする
version: 現在インストールされているユーティリティーのバージョン番号を表示する
このユーティリティーは、Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行する必要があります。
Calendar Server は稼動中でも停止していてもかまいません。
インストール時に指定した Calendar Server の実行ユーザーまたはグループ (icsuser、icsgroup など)、または root としてログインする必要があります。
cscal [-q|-v] [-a aces] [-c charset] [-d description] [-g categories] [-k yes|no] [-l langcode] [-m email] [-n name] [-o owner’s uid] [-y otherowners] create|modify calid cscal [-q|-v] [-o owner’s uid] [-O] delete|reset calid cscal [-q|-v] [-o owner’s uid] [-O] disable|list [calid] cscal [-q|-v] [-k yes|no] [-o owner’s uid] [-O] enable [calid] |
cscal は、-o (所有者の uid) を入力するときに大文字と小文字をチェックしませんが、検索では大文字と小文字が区別されます。
次の表は、cscal ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。
表 D–6 cscal ユーティリティーのコマンド
コマンド |
説明 |
---|---|
create calid |
指定した calid のカレンダを作成します。 注: サイトで LDAP CLD プラグインを使用している場合、特定ユーザー用のすべてのカレンダが、ユーザーの icsDWPHost LDAP 属性によって指定されている同じバックエンドサーバーに格納されている必要があります。別のバックエンドサーバーにユーザーのカレンダを作成しようとすると、Calendar Server はエラーを返します。 |
delete calid |
指定した calid のカレンダを削除します。 -o owner オプションを指定した場合は、指定した uid が一次所有者であるすべてのカレンダが削除されます。 |
enable [calid ] |
指定した calid のカレンダを有効にします。calid を指定しない場合は、すべてのカレンダが有効になります。 -o owner オプションを指定した場合は、指定した uid が一次所有者であるすべてのカレンダが有効になります。 |
disable [calid ] |
指定した calid のカレンダを無効にします。calid を指定しない場合は、すべてのカレンダが無効になります。 -o owner オプションを指定した場合は、指定した uid が一次所有者であるすべてのカレンダが無効になります。 |
list [calid ] |
指定した calid のカレンダのプロパティーをリスト表示します。calid を指定しない場合は、すべてのカレンダのプロパティーがリスト表示されます。 -o owner's uid オプションを指定した場合は、指定した所有者の uid が一次所有者であるすべてのカレンダがリスト表示されます。 |
modify calid |
指定した calid のカレンダのプロパティーを変更します。 |
reset calid |
指定した calid のカレンダのプロパティーをデフォルト設定にリセットします。 |
version |
ユーティリティーのバージョンを表示します。 |
次の表は、cscal ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。
表 D–7 cscal ユーティリティーのコマンドオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-v |
冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 |
-q |
非出力モードで実行します。
|
-a [aces] |
指定したカレンダの ACE (アクセス制御エントリ) です。ACE は、グループスケジュールのためにカレンダにアクセスできるユーザー、およびこれらのユーザーが持つアクセス権の種類 (作成、削除、読み取り、書き込みなど) を決定します。ACE 文字列または ACL (アクセス制御リスト) は、引用符 ("") で囲む必要があります。 デフォルトは、ics.conf ファイルの calstore.calendar.default.acl パラメータの設定です。 ACE の形式については、「カレンダのアクセス制御」を参照してください。 |
-c charset |
文字セット。デフォルトは文字セットなしです。 |
-d description |
説明 (カレンダの目的として表示されるコメント)。デフォルトは説明なしです。 |
-g category |
カテゴリ。複数のカテゴリを指定する場合は引用符 ("") で囲み、空白文字で区切ります。デフォルトはカテゴリなしです。 |
-k yes|no |
ユーザーカレンダで複数のユーザーからの予約を許可するかどうかを指定します。たとえば、yes を指定した場合は、カレンダの同じ時間帯に複数の予定をスケジューリングできます。 -k オプションを省略した場合のデフォルトは、ics.conf ファイルの user.allow.doublebook パラメータの設定から取得されます。ただし、user.allow.doublebook パラメータはカレンダの作成時にだけ使用されます。 カレンダの作成後は、Calendar Server はカレンダのプロパティーデータベース (ics50calprops.db) を参照して複数のユーザーからの予約の可否を決定します。カレンダのカレンダプロパティーを変更して複数のユーザーからの予約の可否を変更する場合は、-k オプションを指定した cscal コマンドを再実行します。 |
-l langcode |
言語コードです。デフォルトは言語コードなしです。 |
-m email |
電子メールアドレス。デフォルトは電子メールアドレスなしです。 |
-n name |
名前。デフォルトは名前なしです。 |
-o owner |
一次所有者。一次所有者デフォルトの設定はカレンダ ID (calid) です。 カレンダ ID は通常はユーザー ID と同じです。 |
-O |
一次所有者のすべてのカレンダを指定します。デフォルトは名前を指定したカレンダのみです。 |
-y otherowners |
その他のカレンダ所有者。複数の所有者を指定する場合は引用符 ("") で囲み、空白文字で区切ります。デフォルトはその他の所有者なしです。 |
tchang というカレンダ ID のカレンダを作成します。 一次所有者は tchang で、表示名は Public_Calendar です。 また、デフォルトのアクセス制御設定 (ics.conf ファイルの calstore.calendar.default.acl パラメータの設定) を使用します。
cscal -o tchang -n Public_Calendar create tchang
tchang カレンダを変更します。 すべてのユーザーに読み取りと書き込みのアクセスを許可し、sports カテゴリに関連付け、その他の所有者として jsmith@sesta.com を設定します。
cscal -a "@^a^rw^g" -g sports -y jsmith@sesta.com modify tchang
tchang というカレンダ ID のカレンダを無効にします (ユーザーによる読み取り、書き込み、ユーザーインタフェースでの特定が禁止される)。
cscal disable tchang
tchang というカレンダ ID のカレンダを有効にします (ユーザーによる読み取り、書き込み、ユーザーインタフェースでの特定が可能になる)。 ただし、複数のユーザーからの予約は禁止します。
cscal -k no enable tchang
tchang のプロパティーを表示します。
cscal list tchang
tchang のすべてのプロパティーを表示します。
cscal -v list tchang
データベース内のすべてのカレンダを表示します。
cscal list
tchang というカレンダ ID のカレンダをデフォルト設定にリセットします。
cscal reset tchang
tchang というカレンダ ID のカレンダから説明を削除します。
cscal -d "" modify tchang
tchang というカレンダ ID のカレンダからすべてのカテゴリを削除します。
cscal -g "" modify tchang
tchang というカレンダ ID のカレンダからその他の所有者を削除します。
cscal -y "" modify tchang
カレンダデータベースから tchang を削除します。
cscal delete tchang
一次所有者が tchang であるすべてのカレンダをカレンダデータベースから削除します。
cscal -o tchang delete