システムの状態監視は、毎日の作業の一部として行うことをお勧めします。Calendar Server の状態監視には複数のユーティリティーツールを使用できます。csmonitor、csstats、cstool の各ユーティリティーを使用できます。また、システムの使用状況の監視に役立つ多数のログファイルを設定することもできます。
ここで説明する内容は次のとおりです。
この Calendar Server ユーティリティーは、bash を必要とするシェルスクリプトです。このユーティリティーを呼び出すと、次の機能が実行されます。
ics.conf ファイルで指定したログレベルに従って、次の各プロセスを監視および記録する。csadmind、csnotifyd、cshttpd、enpd。
cshttpd がコマンドを受け入れているかどうかを確認する。
システムに LDAP 接続が含まれているかどうかを確認する。
循環ログが有効になっている場合は、複数のトランザクションファイルが存在するかどうかを確認し、存在する場合は電子メールで警告を送信する。
カレンダデータベースの空きディスク容量をチェックして、適切な操作を行うのに必要な容量があるかどうかを確認する。
エラーが発生すると、このユーティリティーはエラーを記録し、ics.conf パラメータ service.monitor.emailaddress.to で指定された管理者に電子メールを送信する。
デバッグの目的で、モニターを非常に短い間隔の連続したループになるように設定できますが、システムリソースが余分に必要となるため、通常の運用ではそのモードにしておかないことをお勧めします。
通常の環境で csmonitor を使用するには、選択した間隔で実行されるように設定します。
csmonitor ユーティリティーについては、付録 D 「Calendar Server のコマンド行ユーティリティーのリファレンス」を参照してください。
設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。
/etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。
古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。
次の表に示す 1 つ以上の ics.conf パラメータを編集します。
パラメータ |
説明とデフォルト値 |
---|---|
csmonitor を連続してループするかどうかを指定します。"0": 連続的にループしません (デフォルト)。"1": 連続的にループします。 このパラメータを “1” に設定すると、csmonitor を自動的に実行できます。 |
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2 つの監視ループの間の遅延時間を秒単位で指定します。デフォルトは “60” 秒です。 デバッグの目的ではこの間隔を短くし、本稼働ではこの間隔を長くします。 |
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csmonitor が送信するメッセージの送信元となる電子メールアドレスを指定します。デフォルトはなしです。 |
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csmonitor が送信するメッセージの送信先となる電子メールアドレスを指定します。デフォルトはなしです。 |
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service.monitor.csdb.logthreshold |
カレンダデータベース (csdb) を監視します。最大ディスク消費量のしきい値を、ディスク容量全体のパーセント値で指定します。csdb ディレクトリのディスク消費量がこの値を超えると、電子メールで警告メッセージが送信されます。デフォルトは “90” です。 |
csmonitor のログファイル名を指定します。デフォルトは “csmonitor.log” です。 |
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ログファイルの最大サイズを指定します。ログファイルがこのサイズを超えると、csmonitor はログを csmonitor.log.timestamp という名前で保存し、現在のログをリセットします。デフォルトは “2097152” です。 |
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デバッグレベルを指定します。設定できる値は 0 〜 5 です。 この値が大きいほど、csmonitor は詳細なメッセージを送信します。デフォルトは “0” で、ログは指定されません。このパラメータを “5” に設定すると、デバッグのログが指定されます。 |
ファイルを ics.conf として保存します。
Calendar Server を再起動します。
cal_svr_base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal
「csstats」 ユーティリティーは、カレンダ設定 (counter.conf) ファイルに定義されているカウンタオブジェクトからの統計情報を表示します。httpstat、authstat、wcapstat、dbstat などのカウンタオブジェクトは、Calendar Server に関する次のような情報を表示します。
並行接続の最大数と合計接続数
ログインと接続の成功数と失敗数
データベースの読み取り、書き込み、削除の回数
Calendar Server のカウンタ統計情報については、付録 E 「Calendar Server の設定パラメータ」を参照してください。
Calendar Server がインストールされているマシンだけでなく、次のサービスに対しても ping を実行できます。
cshttpd
csadmind
enpd
cstool の使用方法については、付録 D 「Calendar Server のコマンド行ユーティリティーのリファレンス」を参照してください。
Calendar Server の各サービスは、状態に関する情報をそれぞれのログファイルに書き込みます。次の表に示すように、各ログファイルにはサービス名に関連する名前が付けられます。
サービス名 |
ログファイル名 |
---|---|
管理サービス (csadmind) |
admin.log |
分散データベースサービス (csdwpd) |
dwp.log |
HTTP サービス (cshttpd) |
http.log |
通知サービス (csnotifyd) |
notify.log |
シングルサインオンのログ |
am_sso.log |
起動コマンドのログ |
start.log |
終了コマンドのログ |
stop.log |
格納コマンドのログ |
store.log |
Calendar Server ログファイルは、次のデフォルトディレクトリに格納されます。
/var/opt/SUNWics5/logs
各ログファイルは、一意の番号によって識別される新しいログファイルにロールオーバーされます。次に例を示します。
admin.log.8.1083013284 http.log.8.1083013284
次の表に示すように、Calendar Server のログファイルに記録する予定の重要度は、6 段階に分かれています。Calendar Server がログファイルに記録する予定の重要度は、ics.conf パラメータ logfile.loglevel の設定を変更して指定できます。
重要度 |
意味 |
---|---|
CRITICAL |
危険な状態にあります。 |
ERROR |
エラー状態にあります。 |
WARNING |
警告状態にあります。 |
NOTICE |
正常だが、特筆すべき状態にあります。これは、各カレンダサービスのデフォルトのレポートレベルです。 |
INFORMATION |
情報提供用。 |
DEBUG |
デバッグレベルのメッセージ。 |
ログ予定はタイムスタンプ、サーバーホスト名、重要度、プロセス名 (プロセス ID)、予定の種類、優先度、説明から構成される 1 行で表されます。
ics.conf のログの設定については、付録 E 「Calendar Server の設定パラメータ」を参照してください。