Sun Java System Identity Server 2004Q2 管理ガイド |
第 31 章
クライアントディテクションサービス属性クライアントディテクションサービス属性はグローバル属性です。この属性に適用される値は Identity Server 設定全体に適用され、設定済みのすべての組織に継承されます。グローバル属性の目的は Identity Server アプリケーションのカスタマイズなので、ロールまたは組織に直接適用することはできません。クライアントディテクション属性は次のとおりです。
クライアントタイプ
クライアントタイプを検出するには、Identity Server でクライアントの特性を認識する必要があります。これらの特性は、サポートされているすべてのタイプのプロパティをクライアントデータの形式で識別します。この属性を使って、クライアントマネージャインタフェースを通してクライアントデータを変更できます。クライアントマネージャにアクセスするには、「編集」リンクをクリックします。
初期状態では、Identity Server には次のクライアントタイプがあります。
クライアントマネージャ
クライアントマネージャは、基本クライアント、スタイル、および関連プロパティを一覧表示するインタフェースです。また、デバイスの追加や設定を行うことができます。
基本クライアントタイプ
基本クライアントタイプは、クライアントマネージャの上部に一覧表示されます。基本クライアントタイプにはデフォルトのプロパティがあり、そのクライアントタイプに属するすべてのデバイスは、これらのプロパティを継承できます。
スタイルプロファイル
クライアントマネージャでは、基本クライアントタイプも含め、利用可能なクライアントがすべて「スタイル」プルダウンメニューにまとめられます。選択したスタイル (親プロファイル) によって、設定済みの子デバイスに共通するプロパティが定義されます。デバイスには、親プロファイルのプロパティがダイナミックに継承されます。
「現在のスタイルのプロパティ」リンクをクリックすると、読み取り専用のクライアントエディタウィンドウが開き、スタイルのプロパティが表示されます。
デバイスプロファイル
スタイルを選択すると、そのスタイルに対して設定されているデバイスプロファイルがクライアントマネージャに表示されます。デバイスはユーザーエージェント (デバイス名) に基づいてソートされます。デバイスをフィルタリングするには、「フィルタ」フィールドにユーザーエージェント文字列を入力します (ワイルドカードも使用可)。
各デバイスのクライアントプロパティを修正するには、そのデバイス名の横にある「編集」リンクをクリックします。クライアントエディタウィンドウにプロパティが表示されます。プロパティを編集するには、プルダウンリストから以下の分類を選択します。
ハードウェアプラットフォーム: ディスプレイサイズ、サポートされている文字セットなど、デバイスのハードウェアのプロパティが含まれています。
ソフトウェアプラットフォーム: デバイスのアプリケーション環境、オペレーティングシステム、およびインストール済みソフトウェアのプロパティが含まれています。
ネットワーク特性: サポートされているベアラなど、ネットワーク環境を記述するプロパティが含まれています。
BrowserUA: デバイス上で実行中のブラウザユーザーエージェントに関連する属性が含まれています。
WapCharacteristics: デバイスでサポートされている WAP (Wireless Application Protocol) 環境のプロパティが含まれています。
PushCharacteristicsNames: デバイスでサポートされている WAP 環境のプロパティが含まれています。
追加プロパティ: デバイスのプロパティを追加できます。
具体的なプロパティの定義については、次の場所にある Open Mobile Alliance Ltd. (OMA) の『Wireless Application Protocol, Version 20-Oct-2001』を参照してください。
http://www1.wapforum.org/tech/terms.asp?doc=WAP-248-UAProf-20011020-a.pdf
プロパティの修正が完了したら、「保存」をクリックします。デバイスには、カスタマイズされたことを示す「**」という文字が表示されます。「デフォルト」リンクを使用すると、カスタマイズしたプロパティを削除し、デバイスをデフォルト設定に戻すことができます。
スタイルに新しいデバイスを追加するには、「新規デバイス」ボタンをクリックします。次のフィールドを持つ「新規デバイスを作成」ウィンドウが表示されます。
スタイル: デバイスの基本スタイルを表示します。たとえば、HTML などです。
デバイスユーザーエージェント: デバイスの名前を指定します。
「次へ」をクリックして、次のフィールドを表示します。
クライアントタイプ名: クライアントタイプを表示します。たとえば、HTML などです。クライアントタイプ名は、すべてのデバイスで一意でなければなりません。
このデバイスの直接の親: デバイスの親 (基本) クライアントタイプを指定します。たとえば、HTML などです。
HTTP ユーザーエージェント文字列: HTTP 要求ヘッダー内のユーザーエージェントを定義します。たとえば、Mozilla/4.0 などです。
「OK」をクリックし、デバイスのプロパティをカスタマイズします。具体的なプロパティの定義については、次の場所にある Open Mobile Alliance Ltd. (OMA) の『Wireless Application Protocol, Version 20-Oct-2001』を参照してください。
http://www1.wapforum.org/tech/
デバイスとそのプロパティを複製するには、「複製」リンクをクリックします。デバイス名は一意でなければなりません。Identity Server では、デフォルトで copy_of_デバイス名というデバイス名に変更されます。
デバイスを削除するには、そのデバイスに表示されている「削除」リンクをクリックします。
デフォルトクライアントタイプ
この属性は、クライアントタイプ属性のクライアントタイプのリストの中からデフォルトクライアントタイプを定義します。デフォルトは genericHTML です。
クライアントディテクションクラス
この属性は、クライアントディテクション要求のすべてが送信されるクライアントディテクションクラスを定義します。この属性によって返される文字列は、クライアントタイプ属性に指定されているクライアントタイプのいずれかと一致します。デフォルトのクライアントディテクションクラスは、com.sun.mobile.cdm.FEDIClientDetector です。Identity Server には、com.iplanet.services.cdm.ClientDetectionDefaultImpl も含まれています。
クライアントディテクションを有効
この属性で、クライアントディテクションを有効にすることができます。クライアントディテクションが有効になっている (選択されている) 場合、すべての要求はクライアントディテクションクラス属性で指定されているクラスを使って送信されます。
デフォルトでは、クライアントディテクション機能は有効になっています。この属性が選択されていない場合、Identity Server では、そのクライアントは genericHTML であり、HTML ブラウザからアクセスされると見なされます。