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Sun Java™ System Identity Manager 7.0 管理ガイド 

第 6 章
データの同期と読み込み

この章では、Identity Manager でのデータの同期と読み込み機能の説明および手順を示します。データの同期ツール (検索、調整、および同期) と、これらのツールを使用してデータを最新に保つ方法について説明します。


データ同期ツール: 最適なツールの選択

Identity Manager データ同期ツールを選択してタスクを実行する場合は、次のガイドラインに従います。

表 6-1 データ同期ツールで使用するタスク

実行するタスク

使用する機能

読み込みの前に表示確認など行わずに、最初からリソースアカウントを Identity Manager に読み込ませる

リソースから読み込み

最初からリソースアカウントを Identity Manager に読み込ませる。オプションで、読み込みの前にデータを表示および編集する

ファイルへ抽出、ファイルから読み込み

定期的にリソースアカウントを Identity Manager に読み込ませる。設定されたポリシーに従って各アカウントを操作する

リソースの調整

リソースアカウントの変更を Identity Manager に適用する、または読み込ませる

Active Sync アダプタを使用した同期 (複数リソースの実装)


検索

Identity Manager アカウント検索機能を使用すると、導入とアカウント作成タスクの速度が向上します。検索機能には次のものがあります。

これらのツールを使用して、新しい Identity Manager ユーザーを作成したり、リソースのアカウントを既存の Identity Manager ユーザーアカウントに相互に関連付けたりすることができます。

ファイルへ抽出

この機能は、リソースアカウントをリソースから XML または CSV テキストファイルに抽出するために使用します。これにより、抽出したデータを表示して変更したあとに、Identity Manager にインポートすることができます。

アカウントを抽出するには、次を実行します。

  1. メニューバーで「アカウント」を選択し、「ファイルへ抽出」を選択します。
  2. アカウントの抽出元となるリソースを選択します。
  3. 出力のアカウント情報のファイル形式を選択します。データを XML ファイルまたはテキストファイルに抽出することができます。アカウント属性はカンマ区切り値 (CSV) 形式で表示されます。
  4. 「ダウンロード」をクリックします。Identity Manager は「ファイルのダウンロード」ダイアログを表示し、そこで、抽出したファイルを保存するか表示するかを選択できます。

ファイルを開く場合は、そのファイルを表示するプログラムを選択しなければならない場合があります。

ファイルから読み込み

この機能は、リソースアカウント、つまり Identity Manager を通じてリソースから抽出されたリソースアカウントか、別のファイルソースから抽出されたリソースアカウントを Identity Manager に読み込むために使用します。Identity Manager のファイルへ抽出機能で作成されたファイルは XML 形式です。新しいユーザーのリストを読み込んだ場合、通常、データファイルは CSV 形式です。

CSV ファイル形式について

ほとんどの場合、読み込まれるアカウントはスプレッドシートにリストされ、値をカンマで区切った CSV 形式で保存されて、Identity Manager に読み込まれます。CSV ファイルの内容は、次のフォーマットガイドラインに従っている必要があります。

アカウントをロードするには、次を実行します。

  1. メニューバーで「アカウント」を選択し、「ファイルから読み込み」を選択します。
  2. Identity Manager は「ファイルから読み込み」ページを表示します。

    • 「ユーザーフォーム」 − 読み込み結果により Identity Manager ユーザーが作成される場合、ユーザーフォームは、ロール、リソース、およびその他の属性と同様に組織を割り当てます。各リソースアカウントに割り当てるユーザーフォームを選択してください。
    • 「アカウント相関規則」 − アカウント相関規則は、所有者のいない各リソースアカウントの所有者候補となる Identity Manager ユーザーを選択します。所有者のいないリソースアカウントの属性が与えられると、相関規則は、所有者候補のユーザーを選択するために使用される名前のリストまたは属性条件のリストを返します。所有者のいない各アカウントを所有している可能性のある Identity Manager ユーザーを検索するための規則を選択してください。
    • 「アカウント確認規則」 − アカウント確認規則は、相関規則が選択した所有者の候補から所有者でないものを除外します。Identity Manager ユーザーの完全なビューと所有されていないリソースアカウントの属性が与えられた場合、確認規則はユーザーがアカウントを所有していれば true を、そうでない場合は false を返します。リソースアカウントの各所有者候補をテストするための規則を選択します。「確認規則なし」を選択した場合、Identity Manager はすべての所有者候補を確認なしで受け入れます。

    • お使いの環境で、相関規則が各アカウントに対して多くとも 1 つの所有者しか選択しない場合、確認規則は必要ありません。


    • 「一致のみ読み込み」 − 既存の Identity Manager ユーザーと一致するアカウントのみを読み込むことを選択します。このオプションが選択されている場合、不一致のリソースアカウントはすべて読み込みから破棄されます。
    • 「属性の更新」 − 現在の Identity Manager ユーザー属性値を、読み込まれたアカウントの属性値で置き換えることを選択します。
    • 「属性値のマージ」 − その属性値が上書きではなく (重複を除いて) 結合されるような、1 つ以上の属性名をカンマで区切って入力します。このオプションは、グループやメーリングリストなどの、リストタイプの属性にのみ使用できます。また、「属性値の更新」オプションも選択する必要があります。
    • 「結果レベル」 − 読み込みプロセスがアカウントの個々の結果を記録するしきい値を選択します。
      • 「エラーのみ」 − アカウントの読み込みでエラーメッセージが生成されたときにのみ個々の結果を記録します。
      • 「警告およびエラー」 − アカウントの読み込みで警告またはエラーメッセージが生成されたときに個々の結果を記録します。
      • 「情報以上」 − すべてのアカウントの個々の結果を記録します。これを選択すると、読み込みの速度が低下します。
  3. 「アップロードするファイル」フィールドで、読み込むファイルを指定して「アカウントの読み込み」をクリックします。

    • 入力ファイルにユーザー列が含まれていない場合は、読み込みを正常に続行するために確認規則を選択する必要があります。
    • 読み込みプロセスに関連付けられているタスクインスタンス名は、入力ファイル名に基づいています。そのため、ファイル名を再利用すると、最後の読み込みプロセスに関連付けられているタスクインスタンスによって以前のすべてのタスクインスタンスが上書きされます。

  4. 図 6-2 に、「ファイルから読み込み」画面で使用できるフィールドとオプションを示します。

    図 6-2 ファイルから読み込み
    読み込みプロセスを使用して、ファイルからアカウントを読み込みます。

アカウントが既存のユーザーと一致する (または相互に関連する) 場合、読み込みプロセスではアカウントがユーザーにマージされます。また、相互に関連しない入力アカウントから新しい Identity Manager ユーザーも作成されます (「相関は必須」が指定されていない場合)。

bulkAction.maxParseErrors 設定変数は、ファイルの読み込み時に発生するエラーの数の制限を設定します。デフォルトでは、エラー数の制限は 10 です。maxParseErrors の数のエラーが発生した場合、解析が停止します。

リソースから読み込み

この機能は、指定した読み込みオプションに従ってアカウントを Identity Manager に直接抽出してインポートするために使用します。

アカウントをインポートするには、メニューバーで「アカウント」を選択し、「リソースから読み込み」を選択します。

Identity Manager では、処理を続行する前に、読み込みオプションを指定できます。「リソースから読み込み」ページで利用可能な読み込みオプションと、その結果の操作は、「ファイルから読み込み」ページと同じです。


調整

調整機能は、Identity Manager のリソースアカウントと実際にリソースに存在するアカウントの不整合をハイライト表示し、アカウントデータを定期的に相互に関連付けるために使用します。

調整は処理の進行中に比較するために設計されており、次の特徴があります。

また、リソース処理の次の各時点で任意のワークフローを起動するように調整を設定できます。

Identity Manager 調整機能には、「リソース」エリアからアクセスします。リソースリストには、各リソースが最後に調整された日時および現在の調整ステータスが表示されます。

調整ポリシーについて

調整ポリシーを使用して、調整タスクごとに各リソースに対して一連の応答を設定できます。ポリシーでは、調整を実行するサーバーを選択し、どのような場合にどのような頻度で調整を実行するかを指定して、調整中に発生した各状況に対する応答を設定します。また、アカウント属性に対して (Identity Manager を経由せずに) ネイティブに行われた変更を検出するように調整を設定することもできます。

調整ポリシーの編集

調整ポリシーを編集するには、次の手順を実行します。

  1. メニューバーで「リソース」を選択します。
  2. 「リソース」リスト階層内のリソースを選択します。
  3. 「リソースアクション」オプションリストから「調整ポリシーの編集」を選択します。

Identity Manager は「調整ポリシーの編集」ページを表示し、ここで、次のようなポリシーの項目を選択できます。

ポリシー内で、Identity Manager がリソースに対して調整を実行するモードを選択します。目的のリソースの調整を無効化する場合は、「調整しない」を選択します。

次のいずれかの応答オプションを選択します (状況により、選択できるオプションは異なる)。

ポリシーの変更を保存するには、「保存」をクリックしてください。

調整の開始

調整タスクを開始する場合は、次の 2 つのオプションが利用可能です。

調整は、ポリシーに設定されたパラメータに従って実行されます。定期的に調整を実行するようにポリシーを設定すると、指定どおりに調整が実行されます。

調整のキャンセル

調整をキャンセルするには、リソースを選択し、「リソースアクション」リストから「調整のキャンセル」を選択します。

調整ステータスの表示

リソースリストの「ステータス」列には、次のような調整ステータスの状態が表示されます。

リソースの各アカウントの詳細なステータス情報を表示できます。リスト内のリソースを選択し、「リソースアクション」リストから「調整ステータスの表示」を選択してください。

アカウントインデックスの操作

アカウントインデックスは、Identity Manager に認識される各リソースアカウントの最後の既知の状態を記録します。アカウントインデックスは主に調整によって保守されますが、ほかの Identity Manager 機能も、必要に応じてアカウントインデックスを更新します。

検索ツールはアカウントインデックスを更新しません。

アカウントインデックスの検索

アカウントインデックスを検索するには、「リソースアクション」リストから「アカウントインデックスの検索」を選択します。

検索タイプを選択してから、検索属性を入力または選択します。「検索」をクリックすると、検索条件と一致するアカウントを検索します。

「検索」をクリックすると、検索パラメータに従ってアカウントを検索します。検索結果の数を制限するために、「結果表示を次の件数に限定」フィールドに数を指定することもできます。デフォルトの制限数は、検出されたアカウントの最初から 1000 件目までです。

「クエリーのリセット」をクリックすると、ページがクリアされ、新たに選択を行えます。

アカウントインデックスの検査

すべての Identity Manager ユーザーアカウントを表示することができます。また、オプションとして、それらをユーザーベースで調整することができます。このためには、「リソース」を選択してから、「アカウントインデックスの検査」を選択します。

Identity Manager が認識するすべてのリソースアカウントが表形式で表示されます (Identity Manager ユーザーに所有されるアカウントかどうかに関係なく)。この情報は、リソース別、または Identity Manager の組織別にまとめられます。この表示を変更するには、「インデックス表示の変更」リストから選択を行います。

アカウントの操作

リソースのアカウントを操作するには、「リソースごとのグループ」インデックス表示を選択します。リソースタイプごとにフォルダが表示されます。フォルダを展開して特定のリソースに移動します。リソースの隣の + または - をクリックすると、Identity Manager が認識するリソースアカウントがすべて表示されます。

リソースに対する最後の調整後に、そのリソースに直接追加されたアカウントは、表示されません。

アカウントの現在の状況に応じて、いくつかの操作を実行できます。また、アカウントの詳細を表示したり、その 1 つのアカウントを調整したりすることを選択できます。

ユーザーの操作

Identity Manager ユーザーを操作するには、「ユーザーごとのグループ」インデックス表示を選択します。この表示では、「アカウントのリスト」ページのように、Identity Manager ユーザーおよび組織が階層構造で表示されます。Identity Manager で現在ユーザーに割り当てられているアカウントを表示するには、ユーザーに移動してユーザー名の隣のインジケータをクリックします。ユーザーのアカウントと、Identity Manager が認識するそのアカウントの現在のステータスがユーザー名の下に表示されます。

アカウントの現在の状況に応じて、いくつかの操作を実行できます。また、アカウントの詳細を表示したり、その 1 つのアカウントを調整したりすることを選択できます。


ActiveSync アダプタ

Identity Manager の ActiveSync 機能を使用すると、アイデンティティー情報の源泉として信頼性の高い外部リソース (アプリケーションやデータベースなど) に格納された情報を、Identity Manager のユーザーデータと同期させることができます。Identity Manager リソースに対して同期を設定することで、アイデンティティー情報の源泉として信頼性の高いリソースへの変更をリスニングまたはポールすることができます。

メタビューを使用するか、(適切なターゲットオブジェクトタイプに対して) リソース同期ポリシーの入力フォームを指定することにより、リソース属性変更の Identity Manager への伝達方法を設定することができます。

メタビューを使用してデータの更新方法を指定する場合、Active Sync アプリケーションで有効にするアイデンティティー属性を指定します。アイデンティティー属性の設定の詳細については、「アイデンティティー属性およびイベントの設定」を参照してください。

同期の設定については、次の節を参照してください。

同期の設定

Identity Manager は、同期ポリシーを使用してリソースの同期を有効にします。同期を設定するには、「リソース」タブで同期を設定するリソースを選択したあと、「リソースアクション」リストから「同期ポリシーの編集」を選択します。

同期ポリシーの編集

「同期ポリシーの編集」ページの次のオプションを指定して同期を設定します。

「保存」をクリックして、リソースのポリシー設定を保存します。

ActiveSync アダプタの編集

Active Sync アダプタを編集する前に、同期を停止します。「同期ポリシーの編集」ページで、Identity Manager ユーザーの「起動タイプ」として「無効」を選択します。サービスプロバイダユーザーの場合は、「同期の有効化」オプションの選択を解除します。アクティブな同期が無効にされたことを示す警告メッセージが表示されます。

リソースに対して同期を無効にすると、変更の保存時に同期タスクが停止されます。

ActiveSync アダプタのパフォーマンスのチューニング

同期はバックグラウンドタスクであるため、ActiveSync アダプタ設定によってはサーバーのパフォーマンスが影響を受ける可能性があります。次のタスクを実行して、ActiveSync アダプタのパフォーマンスをチューニングします。

ActiveSync アダプタは、リソースリストを通じて管理します。ActiveSync アダプタを選択し、「リソースアクション」リストの「同期」セクションから処理を制御する実行、停止、ステータス更新を利用してください。

ポーリング間隔の変更

ポーリング間隔は、ActiveSync アダプタが新しい情報の処理を開始する時期を決定します。ポーリング間隔は、実行するアクティビティーのタイプに基づいて決定する必要があります。たとえば、アダプタがデータベースから多数のユーザーのリストを読み込むたびに、Identity Manager の全ユーザーを更新する場合、この処理を毎日早朝に実行するとします。アダプタによっては処理する新しい項目を即座に検索するため、毎分実行するよう設定できるかもしれません。

アダプタを実行するホストの指定

アダプタを実行するホストを指定するには、waveset.properties ファイルを編集します。sources.hosts プロパティーを次のいずれかのオプションに編集します。

メモリと CPU サイクルを多く必要とする ActiveSync アダプタは、専用のサーバー上で実行するように設定して、システムの負荷を分散することができます。

開始と停止

ActiveSync アダプタは、無効化したり、手動で開始したり、自動で開始したりすることができます。ActiveSync アダプタを起動または停止するには、ActiveSync リソースを変更できる適切な管理者機能が必要です。管理者機能の詳細については、「機能のカテゴリ」を参照してください。

自動に設定すると、アプリケーションサーバーが再起動したときにアダプタが再起動されます。アダプタを開始すると、アダプタは指定したポーリング間隔で即座に実行します。アダプタを停止すると、アダプタは次回に停止フラグを検出したときに停止します。

アダプタログ

アダプタログは、現在処理中のアダプタの情報を取得します。ログが取得する詳細の量は、設定したログレベルに応じて異なります。アダプタログは、問題のデバッグとアダプタプロセスの進行状況の監視に役立ちます。

各アダプタには独自のログファイル、パス、およびログレベルがあります。適切なユーザータイプ (Identity Manager またはサービスプロバイダ) の同期ポリシーの「ログ」セクションでこれらの値を指定します。

アダプタログの削除

アダプタログは、アダプタが停止されたときにのみ削除しなければなりません。ほとんどの場合は、ログを削除する前に、ログをコピーしてアーカイブしておきます。



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