Enterprise Manager でアラートを実行時に監視できます。実行できるタスクは次のとおりです。
アラートの表示
アラートのフィルタ処理
アラートの削除
Enterprise Manager の基本情報については、「Enterprise Manager の基本」を参照してください。
Java CAPS には、アラート管理 API があります。アラート管理 API の詳細は、『Java CAPS 管理と監視の API』を参照してください。
アラートは、指定された条件がプロジェクトコンポーネントで発生した場合にトリガーされます。この条件は、修正が必要な問題を示すことがありますが、単なる通知目的の場合もあります。
Sun Enterprise Service Bus の定義済みのアラートを次の表に示します。定義済みのアラートは、COL-00001 のような固有のコードで識別されます。 アラートには、「コラボレーションが実行中です」などの説明も含まれます。
表 1–1 Sun Enterprise Service Bus の定義済みアラート
コード |
説明 |
推奨されるアクション |
---|---|---|
COL-00001 |
コラボレーションが実行中です。 |
このアラートは誤動作を示すものではありません。ユーザーのアクションは必要ありません。 |
COL-00002 |
コラボレーションが停止しました。 |
推奨されるアクションはありません。 |
COL-00003 |
ユーザー定義のコラボレーションアラート |
推奨されるアクションは、ユーザー定義のアラートの目的によって異なります。 |
MS-00009 |
メッセージサーバーがメッセージの総数の制限閾値に達しました。 |
トピックの場合は、サブスクライバがもっとメッセージを消費するまで待ちます。その間、JMS IQ Manager へのメッセージの配信は停止します。 キューの場合は、レシーバがもっとメッセージを消費するまで待ちます。加えて、スループットを改善するためにレシーバを追加してみることができます。 実行時アプリケーションを停止してアプリケーションサーバーを再起動できる場合は、サーバー制限閾値を大きくします。 |
MS-00010 |
メッセージサーバーがメッセージの総数の制限閾値を下回りました。 |
推奨されるアクションはありません。 |
MS-00011 |
メッセージサーバーがメッセージディスティネーションの制限閾値に達しました。 |
推奨されるアクションはありません。 |
MS-00012 |
メッセージサーバーがメッセージディスティネーションの制限閾値を下回りました。 |
推奨されるアクションはありません。 |
アダプタの定義済みアラートの詳細は、『Java CAPS アダプタのアラートコード』を参照してください。
プロジェクト開発者はカスタムアラートを追加できます。
アラートの初期ステータスは、「監視対象外」です。このステータスは、「監視」または「解決済み」に変更できます。「監視」は、アラートを調査および確認したことを示します。「解決済み」は、アラートの原因となった問題を解決したことを示します。
デフォルトでは、アラートは外部データベースに持続されません。持続性の設定については、「アラートの持続性の設定」を参照してください。
アラートは実行時に表示でき、そのステータスを変更することもできます。
Enterprise Manager の「エクスプローラ」パネルで、アプリケーションサーバー、プロジェクトコンポーネント、またはメッセージサーバーを選択します。
「アラート」タブまたはノードをクリックします。
選択したコンポーネントのアラートが表示されます。
タブの下のサマリー行に、アラートタイプ (致命的、重度、中度、軽度、警告、情報) ごとのアラートの総数が示されます。
サマリー行の下にツールバーが表示されます。
デフォルトでは、アラートは日付/時刻の新しい順にソートされます。アラートを別の条件でソートするには、対象の列の上下の矢印をクリックします。
すべてのアラートを選択するには、「すべて選択」アイコンをクリックします。
選択されているアラートの選択を解除するには、「何も選択しない」アイコンをクリックします。
Enterprise Manager に表示されるアラートを指定することができます。
Enterprise Manager の「エクスプローラ」パネルで、アプリケーションサーバー、プロジェクトコンポーネント、またはメッセージサーバーを選択します。
「アラート」タブまたはノードをクリックします。
選択したコンポーネントのアラートが表示されます。
「フィルタ」アイコンをクリックします。
「アラートフィルタ」ダイアログボックスが表示されます。ダイアログボックスに表示されるフィールドは、「エクスプローラ」パネルで選択したコンポーネントのタイプによって異なります。
1 つ以上のフィールドを指定します。
「送信」をクリックします。
アラートを 1 つ削除することも、複数のアラートを一度に削除することもできます。
Enterprise Manager の「エクスプローラ」パネルで、アプリケーションサーバー、プロジェクトコンポーネント、またはメッセージサーバーを選択します。
「アラート」タブまたはノードをクリックします。
選択したコンポーネントのアラートが表示されます。
アラートを選択します。
「削除」アイコンをクリックするか、Delete キーを押します。
確認ダイアログボックスが表示されます。
「OK」をクリックします。
削除する複数のアラートを選択します。
すべてのアラートを選択するには、「すべて選択」アイコンをクリックします。
連続するまたは連続しない複数のアラートを選択するには、CTRL キーを使用します。
連続する複数のアラートを選択するには、その範囲の一方の端にあるアラートをクリックし、SHIFT キーを押しながら、もう一方の端にあるアラートをクリックします。
「削除」アイコンをクリックするか、Delete キーを押します。
確認ダイアログボックスが表示されます。
「OK」をクリックします。
「すべて削除」アイコンをクリックします。
確認ダイアログボックスが表示されます。
「OK」をクリックします。
フィルタ処理のために現在表示されていないアラートは、削除されません。「アラートのフィルタ処理」を参照してください。
アラートの持続性アーキテクチャーには、次のデータベースが含まれます。
Enterprise Manager の組み込みデータベース。
アラートの持続に使用できる外部データベース。外部データベースには、ドメインごとに 1 つのアラートテーブルが含まれます。
デフォルトでは、アラートは外部データベースに持続されません。ここでは、持続性を有効にする方法について説明します。
さまざまな持続性設定の動作を理解する必要があります。
持続性を無効にすると、アラートが生成されて、現在稼動しているすべての監視インスタンスに送信されます。監視インスタンスには、アラート管理 API を使用するクライアントをいくつでも含めることができますが、Enterprise Manager のインスタンスは 1 つしか含められません。アラート管理 API の詳細は、『Java CAPS 管理と監視の API』を参照してください。
持続性を有効にしてジャーナル処理を無効にすると、アラートは外部データベースに一時的に保存されます。システムは、アラートができるだけすべての監視インスタンスに送信されるように動作します。信頼できるクライアントがアラートを受信したことが確認されると、そのアラートがデータベースから削除されます。
信頼できるクライアントはどの時点でも 1 つしか存在しません。信頼できる配信を最後に要求したクライアントが、信頼できるクライアントになります。Enterprise Manager は、サーバーの起動時に信頼できる配信を要求します。アラート管理 API を使用するクライアントは、アラート通知サービスへの登録時に信頼できる配信を要求できます。
信頼できるクライアントがシャットダウンしている場合は、次に信頼できる配信が要求されるまで信頼できるクライアントは存在しません。
持続性とジャーナル処理を両方とも有効にすると、アラートは外部データベースに永続的に保存されます。クライアントがアラートを消費しても、アラートはデータベースから削除されません。
次の任意のデータベースタイプを外部データベースとして使用できます。Derby データベースは、Sun Java System Application Server に含まれています。そのほかのデータベースタイプは含まれていません。
DB2
Derby
Oracle
PointBase
Sybase
Derby 以外のデータベースタイプを使用する場合は、付加的な設定タスクを実行します。たとえば、Java TM DataBase Connectivity ("JDBCTM") ソフトウェアと Java Naming and Directory InterfaceTM ("J.N.D.I.") API を使用して、データベースへのアクセスを設定します。
設定エージェントにログインしてアラート通知フィールドを変更する操作は、すべてのデータベースタイプで行います。
JavaCAPS-install-dir/appserver/domains/domain-name/jbi/config ディレクトリの eventmanagement.properties ファイルを開きます。
必要なら、AlertTableName プロパティーのデフォルト値を変更してファイルを保存します。
デフォルト値の変更は、組織のネーミング規則やデータベースサーバーのテーブル名の文字制限に合わせるために行うことがあります。
Sun Java System Application Server 管理コンソールにログインします。
JDBC ドライバを統合します。
このドライバを、共通クラスローダーまたはシステムクラスローダーからアクセス可能にすることができます。
JDBC ドライバを統合する方法については、管理コンソールの「ヘルプ」をクリックしてください。
左側のパネルで「リソース」ノードと「JDBC」ノードを展開し、「接続プール」ノードを選択します。
「新規」をクリックします。
JDBC 接続プールを作成します。
JDBC 接続プールを作成する方法については、管理コンソールの「ヘルプ」をクリックしてください。
左側のパネルで「JDBC リソース」ノードを選択します。
「新規」をクリックします。
JDBC リソースを作成します。
あとで JDBC リソースの JNDI 名を入力します。
今作成した JDBC 接続プールをプール名に設定します。
JDBC リソースを作成する方法については、管理コンソールの「ヘルプ」をクリックしてください。
JavaCAPS-install-dir/appserver/jbi/lib ディレクトリの jbi_rt.jar ファイルを開きます。
データベースタイプに合わせて SQL スクリプトを抽出します。
Oracle を使用している場合は、アラートの持続に使用される表スペースとユーザーを作成します。
アラートの持続に使用されるテーブルを作成します。
アプリケーションサーバーが実行していない場合は、アプリケーションサーバーを起動します。
ブラウザで、次の URL を入力します。
http://hostname:portnumber/configagent
ホスト名には、アプリケーションサーバーがインストールされているコンピュータの TCP/IP ホスト名を設定します。port-number は、アプリケーションサーバーの管理ポート番号に設定します。たとえば、次のように指定します。
http://myserver.company.com:4848/configagent
「設定エージェントのセキュリティーゲートウェイ」が表示されます。
「ユーザー ID」フィールドに、アプリケーションサーバーのユーザー名を入力します。
「パスワード」フィールドに、対応するパスワードを入力します。
「ログイン」をクリックします。
「設定エージェント」が表示されます。
データベースを実行している必要があります。
設定エージェントで「アラート管理設定」タブをクリックします。
「アラート通知持続性」ラベルの右の「有効」チェックボックスを選択します。
ジャーナル処理を有効にする場合は、「アラート通知ジャーナル」ラベルの右の「有効」チェックボックスを選択します。
「アラート通知データベースタイプ」ドロップダウンリストからデータベースタイプを選択します。
Derby 以外のデータベースを使用する場合は、作成した JDBC リソースの JNDI 名を「JNDI 名」に設定します。
「保存」をクリックします。
アプリケーションサーバードメインを再起動します。
アラートを Enterprise Manager の組み込みデータベースにアーカイブすることができます。アーカイブ処理では、アラートを JavaCAPS-install-dir/emanager/EventRepositoryDb ディレクトリの .csv ファイルに書き込みます。
JavaCAPS-install-dir/emanager/server/shared/classes ディレクトリの eventdb_archive.properties ファイルによって、アーカイブ処理を設定することができます。次の表に、プロパティーを示します。
表 1–2 アラートのアーカイブのプロパティー
プロパティー |
説明 |
---|---|
GROUP_MAX_COUNT |
グループとは、次のフィールドの値が同じアラートの集合です: 環境、物理ホスト、論理ホスト、サーバー、配備、コンポーネント、メッセージコード。このプロパティーは、グループに含めることができるアラートの最大数を指定します。この数を超過すると、超過した行が古い順からアーカイブされます。 値を 0 にすると、アーカイブ処理でこのプロパティーは無視されます。 |
MAX_TIME_DELTA_FOR_ARCHIVE |
次のアーカイブ処理までの待ち時間の最大値をミリ秒単位で指定します。 値を 0 にすると、アーカイブ処理でこのプロパティーは無視されます。 |
MAX_EVENT_COUNT_FOR_ARCHIVE |
アラート件数がこの値に達すると、アーカイブ処理が実行されます。 値を 0 にすると、アーカイブ処理でこのプロパティーは無視されます。 |
MAX_AGE_OF_EVENTS |
アーカイブ処理の実行時に、この存続期間の制限 (ミリ秒単位) を超えたアラートがアーカイブされます。 値を 0 にすると、アーカイブ処理でこのプロパティーは無視されます。 |
MAX_ROWCOUNTLIMIT_IN_ARCHIVE_FILE |
.csv ファイルに格納できるレコードの最大数です。この値に達すると、アーカイブ処理で新しい .csv ファイルが作成されます。 |
1 つ以上のプロパティーの値を変更した場合は、変更を有効にするために Enterprise Manager サーバーを再起動します。「Enterprise Manager の基本」を参照してください。
状況によっては、短期間に大量のアラートが生成される可能性があります。たとえば、システムがダウンして、メッセージの処理が繰り返し試行される状況が考えられます。
プロパティーを使用して、表示されるアラートの件数を減らすことができます。このプロパティーはミリ秒単位で指定します。デフォルト値は 5000、つまり 5 秒です。この時間内に同じアラートの複数のインスタンスが着信すると、そのアラートの 1 つのインスタンスだけが表示されます。
アラートの詳細フィールドの先頭に文字列が付加されます。この文字列は、処理された重複アラートの数を示します。次に例を示します。
[3x] Collaboration CMap1_jcdFileToJMS1 is RUNNING |