アクション作成ツールは、次のものを作成します。
アプリケーションを起動するアクション
アプリケーションのデータ・ファイルの 1 つ以上のデータ型
アプリケーションのデータ・ファイルを開く、または印刷するためのアクション
アクション作成ツールは、オペレーティング・システムのコマンドとシェル・スクリプトを実行するための単純なアクションを作成するのにも便利です。
詳細は、dtcreate(1X) のマニュアル・ページを参照してください。
アクション作成ツールには、アクションとアクションに関連するデータ型を作成するためのメイン・ウィンドウとダイアログ・ボックスのセットがあります。
アクション作成ツールには、次のような機能があります。
コマンドを実行するアクション定義を作成します。
ファイル HomeDirectory/.dt/types/action_name.dt を作成します。このファイルは、アプリケーション用に作成されたアクションとデータ型の定義を格納します。
ホーム・ディレクトリに「アクション・ファイル」を作成します。アクション・ファイルは、アクションと同名の実行可能ファイルです。
ファイル・マネージャのアクション・ファイル表示は、ダブルクリックするとアプリケーションが起動するので「アプリケーション・アイコン」と呼ばれます。
アクションを作成するときにドロップ可能なデータ型を指定することにより、アクション・アイコンをドロップ領域にすることもできます。
(省略可能) アプリケーションのデータ・ファイルに対して 1 つ以上のデータ型を作成します。
各データ型に対して [開く] アクションを作成します。
(省略可能) 各データ型に対して [印刷] アクションを作成します。
アクションとデータ型のデータベースを再読み込みします。これにより、アクションとデータ型はただちに有効になります。
アクション作成ツールは、アプリケーションを実行するためのアクションとデータ型を作成するよう設計されています。アクションとデータ型には非常に柔軟性がありますが、手作業で定義を作成した場合しかアクセスできない追加機能があります。
詳細は、次の章を参照してください。
次の条件のいずれかが当てはまる場合は、アクション作成ツールを使用してアプリケーションのアクションを作成できません。
コマンド行に、ファイルではない引き数 (パラメータ) が必要な場合
たとえば、アクション作成ツールを使用して次のコマンドのアクションを記述できません。
lp -ddevice filename
このコマンドでは、コマンドを実行するたびに device の値を指定しなければなりません。
アプリケーション・アイコンのラベルがアクション名と異なる場合
たとえば、アクション作成ツールを使用して、既存のアクションのローカル言語バージョンを提供できません。
アクションがアクション・データベースの拡張機能を必要とする場合
拡張機能を必要とするアクションには次のようなものがあります。
アクション定義から、離れたリモートシステムにコマンドを発行するアクション
他のアクションを起動するアクション
別のユーザ (スーパーユーザなど) として実行しなければならないアクション
「マップ」機能を広範囲に活用するアクション
提供されるファイル引き数の数によって動作が非常に異なるアクション
次の条件のいずれかが当てはまる場合は、アクション作成ツールを使用してアプリケーションのデータ型を作成できません。
[開く] と [印刷] 以外のデータ型に関連付けられた追加のアクションが必要な場合
データ型の [開く] アクションが、そのアクションのコマンドではない場合
たとえば、アクション作成ツールを使用して、アプリケーションのアプリケーション・グループを表すディレクトリに一意のアイコンを提供するデータ型を作成できません。
アクション作成ツールを実行する前に、アプリケーションについていくつか知っておく必要があることがあります。
アプリケーションを起動するコマンド行
コマンド行に必要なファイル引き数が指定されているか、オプションのファイル引き数が指定されているか、あるいはファイル引き数が指定されていないかを知る必要があります。
アプリケーションにファイルではない引き数が必要な場合は、アクション作成ツールを使用してアクションを作成できません。
アプリケーションが受け取れるデータ・ファイルの型
アプリケーションによっては、1 種類のデータ型しか受け取れません。通常のアプリケーション (ASCII エディタやグラフィック・エディタなど) は複数のデータ型を受け取れます。
アプリケーションがデータ・ファイルを識別する方法
これは命名規則 (たとえば .doc で終わるファイル名など) で、ファイルの内容によります。アプリケーションがファイル命名規則を使用しない場合でも、アクション・アイコン用に命名規則を設定できます。
(省略可能) ファイルを印刷するコマンド行
[デスクトップアプリケーション] グループで [アクション作成] をダブルクリックします。
[アクション・アイコン] コントロールを使用して、アイコンをアプリケーションに指定します。最初はデフォルト・アイコンが表示されます。
別の既存のアイコンを選択するには、[アイコンセット検索] をクリックして [アイコンセット検索] ダイアログ・ボックスを表示します。詳細は、「アイコンを指定するための [アイコンセット検索] ダイアログ・ボックスの使用」を参照してください。
新しいアイコンを作成するには、[アイコン編集] を選択してアイコン・エディタを実行します。
[アクションを開いた (ダブルクリックした) 場合のコマンド] テキスト・フィールドに、アプリケーションを起動するコマンドを入力します。
emacs bitmap $1 diff $1 $2 lp -oraw $1
コマンド行にファイル引き数 ($n) を指定した場合、アクション・アイコンはファイルのドロップ領域になります。
コマンド行は、シェルの使用を明示的に指定しない限り、シェルには渡されません。たとえば、次の行はシェル処理を行います。
/bin/sh -c 'ps | lp' /bin/sh -c 'spell $1 | more'
[アクション・アイコンのヘルプ・テキスト] テキスト・フィールドに、アクション・アイコンのためのアイテムヘルプテキストを入力します。
テキストは、テキスト・フィールド内で自動的に折返されます。しかし、その改行はオンラインでは保持されません。強制改行を指定する場合は、¥n を使用します。
アクションに必要なウィンドウ・サポートを [ウィンドウタイプ] オプション・メニューから選択します。
グラフィカル (X Window System) - アプリケーションは独自のウィンドウを作成します。
端末エミュレータ (自動的に閉じる) - アプリケーションを終了するときに自動的に閉じる端末エミュレータ・ウィンドウでアプリケーションを実行します。
端末エミュレータ (手動で閉じる) - ユーザが明示的にウィンドウを閉じるまで開いている端末エミュレータ・ウィンドウでアプリケーションを実行します。
出力なし - アプリケーションはディスプレイに出力しません。
アプリケーションにデータ・ファイルがあり、そのデータ・ファイル用に 1 つ以上のデータ型を作成する場合は、「アプリケーション用に 1 つ以上のデータ型を作成するには」を参照してください。
データ型を作成する必要がない場合は、[ファイル] メニューから [保存] を選択してアクションを保存します。次に、ホーム・ディレクトリでアイコンをダブルクリックし、新しいアクションをテストします。
「アプリケーション用にアクションを作成するには」の手順に従って、アプリケーションのアクションを定義します。
ウィンドウを拡張するために、[アクション作成] ウィンドウで [拡張機能] ボタンをクリックします。
アイコンをダブルクリックしたときに、アプリケーション・アイコンがファイル引き数の指定を求めるプロンプトを表示するようにする場合は、プロンプト・テキストを [アクションを開く時のユーザへの要求] テキスト・フィールドに入力します。
このテキスト・フィールドについては、次のガイドラインに従ってください。
アプリケーションのコマンド行に「必要な」ファイル引き数が指定されている場合は、このフィールドを使用しなければなりません。
コマンド行にファイル引き数が指定されていない場合は、このフィールドは空白にしておかなければなりません。
アプリケーションのコマンド行のファイル引き数がオプションの場合は、次のいずれかを選択できます。プロンプト・テキストを提供すると、アクション・アイコンをダブルクリックしたときにファイルの指定を求めるプロンプトが表示されます。プロンプト・テキストを提供しないと、アクション空文字列をファイル引き数として実行します。
アクションが引き数として受け取るファイル・タイプを指定します。
アクションがどんなデータ型でも受け取れる場合は、[すべてのデータ型] を選択します。
アクションが、あるアプリケーション用に作成したデータ型しか受け取れない場合は、[上記リストのみ] を選択します。
最初は、[このアクションに使用されるデータ型] リストは空です。アプリケーション用にデータ型を作成するたびに、リストに追加されます。
[このアクションに使用されるデータ型] リスト・ボックスの横の [追加] ボタンをクリックして [データ型の追加] ダイアログ・ボックスを表示します。
(省略可能) デフォルトのデータ型名を使用しない場合は、[データ型ファミリ名] テキスト・フィールドに、データ型の新しい名前を入力します。
データ型名には、スペースは使用できません。データ型名は、アプリケーション・ユーザには見えません。データ型名は、データ型定義を識別するためにアクションまたはデータ型データベースで使用します。
[識別する特性] ボックスの横の [編集] ボタンをクリックして、[識別する特性] ダイアログ・ボックスを表示します。
データ型の特徴が、そのデータ型を他のデータ型と区別するために使用される基準になります。次の中から 1 つ以上の基準を選択できます。
ファイルまたはフォルダ - ファイルだけ、またはフォルダだけに適用されるデータ型
内容 - ファイルの指定された部分の内容
データ型が、ファイルとフォルダのどちらを表すか選択します。
データ型の分類が名前に基づく場合は、[ファイル名のパターン] チェック・ボックスを選択して、テキスト・フィールドに入力します。
ワイルドカードとして * と ? を使用できます。
* - すべての文字シーケンスに一致します。
? - 単一の文字すべてに一致します。
データ型の分類がアクセス権に基づく場合は、[アクセス権のパターン] チェック・ボックスを選択して、データ型のアクセス権を選択します。
オン - 指定したアクセス権をファイルに持たせる
オフ - 指定したアクセス権をファイルに持たせない
どちらでも可 - 指定したアクセス権は関係ない
データ型の分類が内容に基づく場合は、[内容] チェック・ボックスを選択して、要求情報 (検索する [パターン] と内容の [タイプ]) を提供します。オプションで、検索の開始バイトの位置を指定できます。
内容に基づくデータ型の分類は、システム性能に影響を及ぼすことがあります。
[了解] をクリックして、[識別する特性] ダイアログ・ボックスを閉じます。
特徴は、次のコーディングを使用して [識別する特性] フィールドに表示されます。
d - ディレクトリ
r - 読み取り権を持つファイル
w - 書き込み権を持つファイル
x - 実行権を持つファイル
! - 論理演算子 NOT
& - 論理演算子 AND
[データ型アイコンのヘルプ・テキスト] テキスト・フィールドに、データ・ファイルのヘルプ・テキストを入力します。
[データ型アイコン] コントロールを使用して、アプリケーションにアイコンを指定します。最初は、デフォルト・アイコンが表示されます。
別の既存のアイコンを選択するには、[アイコンセット検索] をクリックして、[アイコンセット検索] ダイアログ・ボックスを表示します。詳細は、「アイコンを指定するための [アイコンセット検索] ダイアログ・ボックスの使用」を参照してください。
新しいアイコンを作成するには、[アイコン編集] をクリックして [アイコン・エディタ] を実行します。
[データ型を開くコマンド] テキスト・フィールドのコマンドを確認します。このコマンドは、データ・ファイルをダブルクリックしたときに実行されるコマンドです。
(省略可能) アプリケーションが、コマンド行からデータ・ファイルを印刷するための印刷コマンドを提供する場合は、そのコマンドを [データ型を印刷するコマンド] テキスト・フィールドに入力します。ファイル引き数に構文 $n を使用します。
[了解] をクリックしてデータ型を保存し、[データ型追加] ダイアログ・ボックスを終了します。
[適用] をクリックして、[データ型追加] ダイアログ・ボックスを終了せずにデータ型を保存します。この場合、ただちにアクションの次のデータ型を定義できます。
[アイコンセット検索] ダイアログ・ボックスは、[アクション作成] メイン・ウィンドウまたは [データ型追加] ウィンドウで [アイコンセット検索] をクリックすると表示されます。アクションまたはデータ型に使用するアイコンを指定するために、このダイアログ・ボックスを使用します。
[アイコンセット検索] ダイアログ・ボックスにより、次の位置にあるアイコン・イメージ・ファイルのセットを指定できます。
アイコン検索パスのディレクトリ。[アイコン・フォルダ] リストには、アイコン検索パスのすべてのディレクトリが載っています。
dtappintegrate を使用してデスクトップに統合される登録パッケージ。これらのアイコンはアイコン検索パスのディレクトリにはありませんが、dtappintegrate によって、そのディレクトリに配置されます。
アクション作成ツールを使って作成されたアクションとデータ型の定義には、アイコン・ファイルのベース名が書いてあります (ファイル名から、サイズとファイルタイプを表すファイル名接尾辞を引いたもの)。アクション作成ツールで作成されたアクションとデータ型のアイコンは、最終的にはアイコン検索パスのディレクトリ上に配置されなければなりません。
[アイコンセット検索] ダイアログ・ボックスの [アイコン・フォルダ] リストで、アイコンを含むフォルダ・パスをダブルクリックします。
[アイコン・ファイル] リストは、そのフォルダのすべてのアイコン・ファイルを表示します。
[アイコン・ファイル] リストで、使用するアイコンをクリックします。
これで、アイコン・ファイルのベース名が [アイコン・ファイル名を入力] テキスト・フィールドに入ります。
[了解] をクリックします。
システム管理者またはプログラマが登録パッケージを作成している場合、アイコン・イメージ・ファイルは当初、登録パッケージの次のディレクトリにあります。
app_root/dt/appconfig/icons/language
dtappintegrate で登録した後、アイコン・ファイルはアイコン検索パス上の /etc/dt/appconfig/icons/language にコピーされます。
次の手順で、登録パッケージの一部であるアイコンを指定します。