Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

SCSI ディスクドライブの自動構成

Solaris 2.3 およびその互換バージョンでは、/etc/format.dat ファイルに特定のドライブタイプが含まれていない場合でも、format ユーティリティは SCSI ディスクドライブを自動的に構成します。この機能によって、ディスクデバイスモード検知に関する SCSI-2 仕様に準拠しているディスクドライブで、フォーマット、スライスへの分割、ラベルの作成を行うことができます。

次の手順にしたがって、自動構成によって SCSI ドライブを構成します。

再構成ブートを実行した後に、format ユーティリティを呼び出すと、format はディスクを構成しようとします。成功すると、ディスクが構成されたことを示すメッセージを表示します。SCSI ディスクドライブを自動構成する手順については、「SCSI ドライブを自動構成する方法」を参照してください。

次の表に、format がパーティションテーブルの作成に使用する規則を示します。

表 29-2 SCSI ディスクスライスの規則

ディスクサイズ 

ルートファイルシステム 

スワップスライス 

0 〜 180M バイト 

16M バイト 

16M バイト 

180 〜 280M バイト 

16M バイト 

32M バイト 

280 〜 380M バイト 

24M バイト 

32M バイト 

380 〜 600M バイト 

32M バイト 

32M バイト 

600M 〜 1.0G バイト 

32M バイト 

64M バイト 

1.0 〜 2.0G バイト 

64M バイト 

128M バイト 

2.0G バイト 〜 

128M バイト 

128M バイト 

いずれの場合も、スライス 6 (/usr ファイルシステム) にディスク上の残りの領域が割り当てられます。

1.3G バイトの SCSI ディスクドライブに関して format で生成されるパーティションテーブルを示しています。


Part    Tag    Flag     Cylinders     Size        Blocks
   0     root    wm       0 -   96    64.41MB      (97/0/0)
   1     swap    wu      97 -  289   128.16MB     (193/0/0)
   2   backup    wu       0 - 1964     1.27GB    (1965/0/0)
   6      usr    wm     290 - 1964     1.09GB    (1675/0/0)

SCSI 自動構成機能の使用方法についての詳細は、第 32 章「format ユーティリティ (参照情報)」を参照してください。

SCSI ドライブを自動構成する方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. システムのブート時に読み込まれる /reconfigure ファイルを作成します。


    # touch /reconfigure
    
  3. システムをシャットダウンします。


    # shutdown -i0 -g30 -y
    

    -i0

    システムを init 状態 0 (電源切断) にする。 

    -g30

    ログインしているユーザーに、30 秒後にシステムのシャットダウンを開始することを通知する。 

    -y

    ユーザーの介入なしでコマンドを実行するように指定する。 

    オペレーティング環境がシャットダウンされると、ok または > プロンプトが表示されます。

  4. システムとすべての外部周辺デバイスの電源を切ります。

  5. 追加しようとするディスクに、システム上の他のデバイスとは異なるターゲット番号が設定されているかどうかを確認します。

    通常は、ディスクの裏側にそのための小型のスイッチが付いています。

  6. ディスクがシステムに正しく接続されているかどうかを確認します。

    インストールについての詳細は、ディスクのハードウェアインストールガイドを参照してください。

  7. すべての外部周辺デバイスの電源を入れます。

  8. システムの電源を入れます。

    システムがブートされ、ログインプロンプトが表示されます。

  9. スーパーユーザーとしてログインし、format ユーティリティを起動して、自動構成するディスクを選択します。


    # format
    Searching for disks...done
    c1t0d0: configured with capacity of 1002.09MB
    AVAILABLE DISK SELECTIONS:
      0. c0t1d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72>
         /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0
      1. c0t3d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72>
         /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@3,0
    Specify disk (enter its number): 1
    
  10. プロンプトで y と入力してディスクにラベルを付けます。

    y と入力すると、自動構成機能によってディスクラベルが生成され、ディスクに書き込まれます。


    Disk not labeled. Label it now? y
    
  11. verify コマンドを使用してディスクラベルを確認します。


    format> verify
    
  12. format ユーティリティを終了します。


    format> q