Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

ファイルシステムにおける新機能

この節では、ファイルシステムの新機能について説明します。

/var/run ファイルシステム

新しい TMPFS マウントのファイルシステム /var/run は、一時的な (つまり、システムをリブートした場合に残る必要がない) ファイルシステム用のリポジトリです。今回のリリースから Solaris で採用されています。従来の /tmp ディレクトリもシステムファイル以外の一時的なファイル用のリポジトリとして存続します。

/var/run は、ディスクベースのファイルシステムではなく、メモリーベースのファイルシステムとしてマウントされます。このディレクトリが更新されても不必要なディスクトラフィックが発生しないため、システムは干渉されずに電源管理ソフトウェアを実行し続けることができます。

/var/run ディレクトリは管理が不要です。umount -a コマンドや umountall コマンドでもマウントは解除されません。

セキュリティ上の理由から、/var/run の所有者は root です。

マウントテーブル (/etc/mnttab) の変更

以前の Solaris リリースでは、/etc/mnttab はテキストベースのファイルであり、マウントされているファイルシステムについての情報を格納していました。このようにテキストファイルにすると、マウントされているファイルシステムの実際の状態が反映されないという欠点がありました。

今回のリリースの Solairs では、/etc/mnttab は MNTFS ファイルシステムであり、マウントされているファイルシステムについての (読み取り専用の) 情報をカーネルからローカルシステムに直接提供します。

次に、mnttab の動作の変更点を示します。

/etc/mnttab マウントテーブルは管理が不要です。

詳細は、mnttab(4) のマニュアルページを参照してください。