今回のリリースの Solaris には、DVD (Digital Versatile Disc または Digital Video Disc) 光学式媒体に情報を格納するための業界標準形式である UDF ファイルシステムが含まれています。
UDF ファイルシステムは、SPARC と IA の両方のプラットフォームにおいて、動的に読み込み可能な 32 ビットと 64 ビットのモジュールとして提供されます。また、ファイルシステムを作成、マウント、および検査するシステム管理ユーティリティも同時に提供されます。Solaris の UDF ファイルシステムは、サポートされている ATAPI と SCSI の DVD ドライブ、CD-ROM デバイス、ハードディスク、およびフロッピーディスクドライブで機能します。さらに、Solaris の UDF ファイルシステムは UDF 1.50 仕様に完全に準拠しています。
UDF ファイルシステムのサポートは、次の新しいパッケージで提供されます。
SUNWudfr - 32 ビットのカーネル構成要素
SUNWudfrx - 64 ビットのカーネル構成要素
SUNWudf - /usr の構成要素
今回のリリースの Solaris では、UDF ファイルシステムには次のような特徴があります。
UDF ファイルシステムが入っている業界標準の CD-ROM や DVD-ROM の媒体にアクセスできます。
プラットフォームやオペレーティングシステムを超えて情報を交換できます。
UDF 形式に基づく DVD ビデオ仕様を使用することで、相互対話性が豊富な放送品質並みの映像や高品質のサウンドを持つ新しいアプリケーションを実装できます。
次の特徴は、今回のリリースの UDF ファイルシステムには含まれていません。
CD-RW (何度でも書き換えが可能な CD 媒体) と DVD-RAM は順次ディスク同時記録方式と増分記録方式の両方ともサポートされません。
ディスク割り当て、ACL、トランザクションのロギング、ファイルシステムのロック、およびファイルシステムのスレッドなどの UFS 構成要素は UDF 1.50 仕様の一部ではないため、サポートされません。
次に、UDF ファイルシステムの要件を示します。
Solaris 7 11/99 または Solaris 8 リリース
サポートされている SPARC または Intel のプラットフォーム
サポートされている CD-ROM または DVD-ROM のドライブ
この リリースの Solaris で初めて実装された UDF ファイルシステムには、次のような互換性があります。
業界標準の読み書き UDF バージョン 1.50 のサポート
完全に国際化されたファイルシステムのユーティリティ
スーパーユーザーになります。
/reconfigure ファイルを作成します。
# touch /reconfigure |
システムをシャットダウンして、電源を切ります。
# init 0 |
DVD-ROM デバイスを接続します。
システムの電源を入れます。
DVD-ROM デバイスが自動的にマウントされていることを確認します。
$ ls /cdrom |
CD-ROM と DVD-ROM の両方のデバイスがシステムに接続されている場合、CD-ROM の名前が /cdrom/cdrom0 となり、DVD-ROM の名前が /cdrom/cdrom1 となります。DVD-ROM だけがシステムに接続されている場合は、/cdrom/cdrom0 を使用してください。
ls コマンドで DVD-ROM の内容を表示します。
$ ls /cdrom/cdrom1 Copyright filea fileb |
現在のところ、CDE ファイルマネージャによる自動表示は実装されていません。CDE ファイルマネージャのその他の機能 (ドラッグ&ドロップによるコピーや imagetool の機能など) はすべて利用できます。
UDF ファイルシステムのパラメータを表示するには、mkfs コマンドを使用します。
UDF ファイルシステムを作成するには、mkfs コマンドを使用します。
スーパーユーザーになります。
UDF ファイルシステムを作成します。
# mkfs -F udfs /dev/rdsk/device-name |
UDF ファイルシステムをマウントして、UDF ファイルシステムが作成されていることを確認します。詳細は、「UDF ファイルシステムをマウントする方法」を参照してください。
詳細は、mkfs_udfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
UDF ファイルシステムのタイプを識別するには、fstyp コマンドを使用します。
UDF ファイルシステムの完全性を検査するには、fsck コマンドを使用します。
詳細は、fsck_udfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
UDF ファイルシステムをマウントするには、次のようにします。
スーパーユーザーになります。
UDF ファイルシステムをマウントします。
# mount -F udfs /dev/dsk/device-name /mount-point |
UDF ファイルシステムがマウントされていることを確認します。
# ls /mount-point |
詳細は、mount_udfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
UDF ファイルシステムのマウントを解除するには、次のようにします。
UDF ファイルシステム用のファイルシステム名 (ラベル) とボリューム名を作成するには、次のようにします。
スーパーユーザーになります。
UDF ファイルシステム用のファイルシステム名とボリューム名を作成します。
# labelit -F UDFS /dev/rdsk/device-name fsname volume |
詳細は、labelit_udfs(1M) のマニュアルページを参照してください。