ファイルシステムをマウント解除すると、ファイルシステムのマウントポイントから削除され、そのエントリが /etc/mnttab ファイルから削除されます。マウントされているファイルシステム上では、一部のファイルシステム管理作業を実行できません。次の場合には、ファイルシステムをマウント解除する必要があります。
ファイルシステムが不要になった場合、またはより新しいソフトウェアが入ったファイルシステムに交換された場合
fsck コマンドを使用してファイルシステムを検査し、修復する場合 (fsck コマンドについての詳細は、第 39 章「ファイルシステムの整合性チェック」を参照)
ファイルシステムの完全バックアップを実行する前に、マウント解除しておくとよいでしょう。バックアップの実行についての詳細は、第 43 章「ファイルとファイルシステムのバックアップ (手順)」を参照してください。
各ファイルシステムは、ファイルシステムのシャットダウン手続きの一部として自動的にマウント解除されます。
ファイルシステムをマウント解除する場合の前提条件は次のとおりです。
スーパーユーザーでなければならない
ファイルシステムがマウント解除が可能な状態でなければならない。使用中のファイルシステムはマウント解除できません。ユーザーがそのディレクトリ内に入っているとき、プログラムがそのファイルシステム上のファイルを開いているとき、または共有されているときには、ファイルシステムは使用中とみなされます。次の方法でファイルシステムをマウント解除が可能な状態にできます。
別のファイルシステム内のディレクトリにカレントディレクトリを変更する
システムからログアウトする
fuser コマンドを使用して、そのファイルシステムを使用中のすべてのプロセスを表示し、必要に応じて終了させる。詳細は、「ファイルシステムを使用中のすべてのプロセスを終了させる方法」を参照
他のユーザーが使用しているファイルシステムをマウント解除する必要があるときは、各ユーザーに通知してください。
ファイルシステムの共有を解除する
ファイルシステムをマウント解除したことを確認するには、mount コマンドからの出力を調べます。この手順については、「どのファイルシステムがマウントされているかを調べる方法」を参照してください。
どのプロセスを終了させるかがわかるように、ファイルシステムを使用中のすべてのプロセスを表示します。
# fuser -c [ -u ] mount-point |
-c |
ファイルシステムのマウントポイントとなっているファイルと、マウントされているファイルシステム内のファイルが表示される |
-u |
プロセス ID ごとにユーザーのログイン名が表示されます |
mount-point |
プロセスを終了させたいファイルシステム名 |
ファイルシステムを使用しているすべてのプロセスを終了させます。
ユーザーのプロセスを終了させるときには、必ず事前に警告してください。
# fuser -c -k mount-point |
ファイルシステムを使用中のプロセスに SIGKILL が送信されます。
ファイルシステムを使用中のプロセスがないことを確認します。
# fuser -c mount-point |
次の例では、/export/home ファイルシステムを使用中のプロセス 4006c を終了させます。
# fuser -c /export/home /export/home: 4006c # fuser -c -k /export/home /export/home: 4006c # fuser -c /export/home /export/home: |
次の手順で、ファイルシステム (/、/usr または /var を除く) をマウント解除します。
ルート (/)、/usr および /var の UFS ファイルシステムは特殊な場合です。システムが機能するにはルートが必要なので、ルート (/) のファイルシステムはシャットダウン中でなければマウント解除できません。
「前提条件」 の前提条件を満たしているかどうかを確認します。
ファイルシステムをマウント解除します。
# umount mount-point |
mount-point |
マウント解除したいファイルシステム名。ここでは、ファイルシステムがマウントされているディレクトリ名、ファイルシステムのデバイス名パス、NFS ファイルシステムの資源、LOFS ファイルシステムのループバックディレクトリのいずれかを指定できる |
次の例では、ローカルのホームディレクトリからファイルシステムがマウント解除されます。
# umount /export/home |
次の例ではローカルディスクの 7 番目のスライス上のファイルシステムのマウントが解除されます。
# umount /dev/dsk/c0t0d0s7 |
次の手順で、/、/proc、/var、/usr のファイルシステムを除き、/etc/vfstab ファイルに列挙されているすべてのファイルシステムをマウント解除します。
「前提条件」の前提条件を満たしているかどうかを確認します。
/etc/vfstab ファイルに列挙されているすべてのファイルシステムをマウント解除します。
# umountall |
可能なファイルシステムがすべてマウント解除されます。使用中のファイルシステムはマウント解除されません。
使用中だったためにマウント解除されなかったファイルシステムについては、「ファイルシステムを使用中のすべてのプロセスを終了させる方法」で説明した手順に従って、マウント解除できるようにします。
必要に応じて、すべてのファイルシステムがマウント解除されるまで手順 2 を繰り返します。