Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

新バージョンの Logical Link Control ドライバ

Class II Logical Link Control (論理リンク制御) (llc2)ドライバ は、サポートされている通信アダプタのいずれかによって制御される物理 LAN ネットワークと、Solaris オペレーティング環境下で実行されるネットワークソフトウェア (NetBIOS、SNA、OSI など) とのインタフェースをとります。ネットワークソフトウェアに対するドライバとしての役割を果たす llc2 ドライバは、カーネルに常駐し、標準の UNIX のストリーム関数を介してアクセスされます。

このバージョンの llc2 ドライバは、適切な Solaris MAC レイヤードライバを介してアクセスした場合、Ethernet、トークンリング、FDDI アダプタ用のコネクションレス型とコネクション型の両方の llc2 オペレーションをサポートします。llc2 ドライバへのデータリンクプロバイダインタフェース (DLPI) を使用すると、複数の異なるプロトコルスタック (NetBIOS や SNA) が、1 つまたは複数のローカルエリアネットワーク上で同時に動作可能になります。

デフォルトで llc2 ドライバを起動するには、/etc/llc2/llc2_start.default ファイルの名前を /etc/llc2/llc2_start に変更します。これにより、/etc/init.d/llc2/rc2.d/S40llc2 スクリプトが、各 ppa インタフェース用の構成ファイルを /etc/llc2/default/llc2.* 内に構築し、各インタフェース上で llc2 が起動できるようになります。構成ファイルの動作確認をするには、手動で /usr/lib/llc2/llc2_autoconfig を実行します。

llc2 ドライバについての詳細は、IEEE 規格 802.2 および llc2(7) のマニュアルページを参照してください。

llc2 ファイルには、基本となる MAC レイヤードライバへの適切なリンクを確立するために、LLC2 で必要となる情報と、そのリンク用の LLC (Logical Link Control) Class II ステーションコンポーネントストラクチャを構築するためのパラメータ情報が格納されています。llc2 構成ファイルについての詳細は、llc2(4) のマニュアルページを参照してください。

llc2_autoconfig ユーティリティは、LLC2 構成ファイル (/etc/llc2/default/llc2.*) を生成するために使用されます。/etc/llc2_default/ に構成ファイルが存在しない場合、このユーティリティは、システム内の使用可能なインタフェースをすべて検出し、インタフェースのためのデフォルトの構成ファイルを生成します。

/etc/llc2_default/ に構成ファイルが存在する場合、llc2_autoconfig ユーティリティは、ファイル内に定義されているインタフェースが今も存在するかどうかをチェックします。インタフェースがシステム内にない場合、ユーティリティは、ファイルの llc2_on を 0 に設定します。その後で、システム内に新しいインタフェースが存在するかどうかチェックします。新しいインタフェースがあれば、そのための構成ファイルを生成します。llc2_autoconfig ユーティリティについての詳細は、llc2_autoconfig(1) のマニュアルページを参照してください。

llc2_config ユーティリティは、LLC2 サブシステムを起動または終了したり、LLC2 インタフェースパラメータを設定するために使用されます。llc2_config ユーティリティについての詳細は、llc2_config(1) のマニュアルページを参照してください。

ドライバ、アダプタ、ネットワークをテストするには、llc2_loop ループバック診断コマンドを使用します。llc2_loopコマンドについての詳細は、llc2_loop(1M) のマニュアルページを参照してください。

llc2_stats コマンドを使用すると、LLC2 ドライバのホストベース、Class 2 Logical Link Control コンポーネントからの統計情報を取り出すことができます。統計情報は、ステーション、サービスアクセスポイント (SAP)、接続コンポーネントについて保持されています。llc2_stats コマンドについての詳細は、llc2_stats(1) のマニュアルページを参照してください。