Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

ネットワーククラス

ネットワーク上での IPv4 アドレス指定に関する計画の第 1 ステップは、最も妥当なネットワーククラスを決定することです。それが済んだら、きわめて重要な第 2 のステップ、つまり InterNIC アドレス指定機関からのネットワーク番号の入手に移ることができます。

現在、TCP/IP ネットワークには 3 つのクラスがあります。32 ビットの IPv4 アドレス空間は、ネットワーク部のビット数が多かったり少なかったりするなど、クラスによって使い方が異なります。3 つのクラスとは、クラス A、クラス B、クラス C です。

クラス A ネットワーク番号

クラス A ネットワーク番号では、IPv4 アドレスの最初の 8 ビットが「ネットワーク部」として使用されます。残りの 24 ビットは、図 7-4 に示すように、IPv4 アドレスのホスト部です。

図 7-4 クラス A アドレスのバイト割り当て

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クラス A ネットワーク番号の最初のバイトに割り当てられる値の範囲は、1〜127 です。たとえば、75.4.10.4 という IPv4 アドレスがあるとします。最初のバイトの 75 という値は、このホストがクラス A ネットワーク内にあることを示しています。残りのバイトの 4.10.4 はホストアドレスを形成します。クラス A の番号の場合、InterNIC が割り当てるのは、最初の 1 バイトだけです。残りの 3 バイトをどのように使用するかは、そのネットワーク番号の所有者の自由です。クラス A のネットワークとして存在可能なのは 127 個だけです。この範囲内の各番号が、それぞれ最大 16,777,214 個のホストを収容できます。

クラス B ネットワーク番号

クラス B ネットワーク番号では、16 ビットがネットワーク番号に使用され、16 ビットがホスト番号に使用されます。クラス B ネットワーク番号の最初のバイトの値の範囲は、128〜191 です。129.144.50.56 の番号の場合、最初の 2 バイトの 129.144 は InterNIC により割り当てられるネットワークアドレスです。残りの 2 バイトの 50.56 はホストアドレスで、これはネットワーク番号の所有者が任意に割り当てることができます。図 7-5 に、クラス B のアドレスを示します。

図 7-5 クラス B アドレスのバイト割り当て

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一般に、クラス B は、多数のホストを備えたネットワークを持つ組織に割り当てられます。

クラス C ネットワーク番号

クラス C ネットワーク番号では、24 ビットがネットワーク番号に使用され、8 ビットがホスト番号に使用されます。クラス C ネットワーク番号は、ホスト数が少ない、つまり最大ホスト数が 254 台程度のネットワークに適しています。クラス C ネットワーク番号は、IPv4 アドレスの最初の 3 バイトを占めます。ネットワーク番号の所有者が自由に割り当てることができるのは、4 番目のバイトだけです。図 7-6 に、クラス C アドレスのバイトを示します。

図 7-6 クラス C アドレスのバイト割り当て

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クラス C ネットワーク番号の最初のバイトの値の範囲は、192〜223 です。第 2 と第 3 のバイトの値の範囲は、どちらも 1〜255 です。典型的なクラス C アドレスは、たとえば 192.5.2.5 のようになります。最初の 3 バイトの 192.5.2 がネットワーク番号です。最後のバイト、つまり 5 がホスト番号です。