Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

IPv6 のヘッダーと拡張機能

IPv6 プロトコルは、基本 IPv6 ヘッダー、IPv6 拡張ヘッダーを含むヘッダーセットを定義します。

ヘッダーフォーマット

図 14-1 は、IPv6 ヘッダーに使用される要素とその順序を示します。

図 14-1 IPv6 ヘッダーフォーマット

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次に各ヘッダーフィールドの機能について説明します。

拡張ヘッダー

IPv6 には、IPv4 から強化されたオプション機能があります。IPv6 オプションは、IPv6 ヘッダーとトランスポート層の間の独立した拡張ヘッダーにあります。パケットのデリバリパスでは、どのルーターも、最終的な宛先に到着するまでほとんどの IPv6 拡張ヘッダーの確認や処理は行いません。そのため、オプションがあるパケットのルーター性能が大幅に改善されました。

IPv4 では、オプションがある場合、ルーターですべてのオプションを調べる必要がありました。IPv4 オプションと異なるその他の改良点として、IPv6 拡張ヘッダーは長さを任意に設定でき、またパケットに組み込むことのできるオプションの合計数が 40 バイト以内に限定されない点があります。この機能とその処理方法によって、IPv4 では非現実的であった機能を IPv6 オプションが使用できるようになりました。その良い例が IPv6 認証オプションとセキュリティカプセル化オプションです。

後続のオプションヘッダー (およびそのあとのトランスポートプロトコル) を処理する際の性能を強化するため、IPv6 オプションは常に 8 オクテットの整数の倍数の長さで、後続のヘッダーの配列が維持されています。

次の IPv6 拡張ヘッダーが現在、定義されています。