Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

構成に応じた要件の決定

Solaris PPP は、次のようなさまざまな構成をサポートしています。

これらの構成については、 「PPP によるネットワークの拡張」で紹介しました。

この節では、構成を始める前に確認しておかなければならない情報と、行なっておかなければならない作業について構成別に説明します。 設定したい構成に該当する節をお読みください。

検討を要する事項は次のとおりです。

リモートコンピュータ対ネットワークの構成

リモートコンピュータ対ネットワークは、最も一般的な非同期 PPP 構成です。この構成を使用するのは、リモートオフィスやユーザーの自宅にあるマシンが、ポイントツーポイントリンクを介してダイヤルアウトし、ネットワーク上のダイヤルサーバーに接続する場合です。

リモートホスト対リモートホストの構成

ホスト対ホストの構成を確立するのは、物理的に異なる位置にある 2 つのリモートホスト間のポイントツーポイント通信を確立する場合です。この構成は、リモートオフィスにある 2 つのスタンドアロンマシンの間で情報を交換したい場合に便利です。物理ネットワークは関与しません。

ネットワーク対ネットワークの構成

ネットワーク対ネットワークの PPP 構成を使用するのは、物理的に離れた場所にある 2 つのネットワークを連結してインターネットワークを構築したい場合です。その場合は、モデムと PPP ソフトウェアが、ネットワークを相互に接続するルーターとして働きます。

動的ポイントツーポイントリンクを持つダイヤルインサーバー

動的ポイントツーポイントリンクは、リモートホストからアクセスするネットワークエンドポイントとして機能する、ダイヤルインサーバー用に使用できる 2 つの種類の構成のうちの 1 つです。この構成方式では、サーバーは、動的に割り当てられたポイントツーポイントリンクを介してリモートホストに接続します。ダイヤルインサーバーは、必要時提供の方式で動的リンクを使用して、サービス対象のリモートホストとの通信を確立します。

マルチポイントダイヤルインサーバー

マルチポイントリンクは、リモートマシンからアクセスするネットワークエンドポイントとして機能するダイヤルインサーバー用に使用できる、2 つの種類の構成のうちの 1 つです。この構成では、ダイヤルインサーバーは、同じマルチポイントリンクを介して複数のリモートホストを接続します。「リモートコンピュータ対ネットワークの構成」で説明したように、リモートホストは、常にポイントツーポイントリンクを介してダイヤルインサーバーに接続されます。

この構成を使用するのは、リモートホストとダイヤルインサーバーから成る独立したネットワークを定義したい場合です。

仮想ネットワーク上のホスト

仮想ネットワーク構成を使用するのは、電話回線、モデム、PPP ソフトウェアを使用して、物理的に離れた場所にある 3 台以上のコンピュータを 1 つの仮想ネットワークにしたい場合です。