Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

システムファイルとネットマスクテーブルの更新

設定処理の間、DHCP Manager または dhcpconfig ユーティリティは、サーバー上のさまざまなシステムファイルを走査し、サーバーの設定に使用できる情報を収集します。

DHCP Manager または dhcpconfig を使用してサーバーの設定を行う前に、システムファイル内の情報が最新のものであることを確認する必要があります。サーバーの設定後にエラーが検出された場合は、サーバー上のマクロを手動で変更し、dhcptab 構成テーブルを更新してください。

表 9-1 は、DCHP サーバーの設定中に収集されるいくつかの情報と、情報の提供元を示します。DHCP をサーバー上に設定する前に、これらの情報が適切に設定されていることを確認してください。サーバーの設定後にシステムファイルを変更する場合には、DHCP Manager または dhcpconfig を再度実行し、変更を反映させる必要があります。

表 9-1 DHCP 構成のための情報

情報 

提供元 

説明 

時間帯 

システムの日時、時間帯設定 

日時と時間帯は Solaris のインストール時に初期設定される。date コマンドを使用すると、日時を変更できる。時間帯を変更するには、TZ 変数が設定されている /etc/TIMEZONE ファイルを編集する

DNS パラメータ 

/etc/resolv.conf

DHCP サーバーは /etc/resolv.conf を使用して、DNSドメイン名や DNS サーバーアドレスなどの DNS パラメータを検索する。resolv.conf についての詳細は、『Solaris ネーミングの設定と構成』の「DNS クライアントの設定」を参照

NIS+ パラメータ 

システムのドメイン名、nsswitch.conf、 NIS+

DHCP サーバーは domainname コマンドを使用してサーバーマシンのドメイン名を取得し、nsswitch.conf ファイルを使用してドメインベースの情報を検索する場所を特定する。サーバーマシンが NIS または NIS+ クライアントの場合、DHCP サーバーは NIS または NIS+ サービスを参照し、NIS/NIS+ サーバーの IP アドレスを取得する

デフォルトルーター 

システムのルーティングテーブル、管理者の入力 

DHCP サーバーはネットワークルーティングテーブルを検索し、ローカルネットワークに接続されているクライアントのデフォルトルーターを見つける。同一ネットワーク上にないクライアントについては、DHCP サーバーは管理者を通じて情報を取得しなければならない 

サブネットマスク 

ネットワークインタフェース、netmasks テーブル

DHCP サーバーはそれ自身のネットワークインタフェースを参照し、ローカルクライアント用のネットマスクとブロードキャストアドレスを特定する。リレーエージェントにより要求がすでに転送されている場合、サーバーはリレーエージェントのネットワーク上の netmasks テーブル内のサブネットマスクを検索する

ブロードキャストアドレス 

ネットワークインタフェース、netmasks テーブル

ローカルネットワークでは、DHCP サーバーはネットワークインタフェースに照会することにりブロードキャストアドレスを取得する。リモートネットワークでは、サーバーは BOOTP リレーエージェントの IP アドレスとリモートネットワークのネットマスクを使用して、そのネットワーク用のブロードキャストアドレスを計算する