IP プロトコルとそれに関連したルーティングプロトコルは、TCP/IP 群全体の中でたいへん重要なものです。IP は次の機能を受け持ちます。
IP アドレス指定 - IP アドレス指定の規則は IP プロトコルの一部です (IPv4 アドレス指定については、第 5 章「TCP/IP ネットワークの計画」で詳しく説明します。IPv6 アドレス指定については、第 14 章「IPv6 の概要」で詳しく説明します)。
パケット形式設定 - IP は、パケットを IP データグラムと呼ばれる単位に組み立てます。データグラムについては、「インターネット層」で詳しく説明します。
フラグメント化 - パケットが大きすぎてネットワークメディアを介して転送できないときは、送信側ホストの IP は、パケットを小さいフラグメントに分割します。受信側ホストの IP は、これらのフラグメントを組み立てて元のパケットに戻します。
前のリリースの Solaris オペレーティング環境では、インターネットプロトコルバージョン 4 (IPv4 と記述される) が実装されていました。しかし、インターネットの急速な成長によって、アドレス空間の拡張など、機能強化された新しいインターネットプロトコルを開発する必要が生じました。バージョン 6 として知られるこの新バージョンは IPv6 と記述されます。Solaris オペレーティング環境では、両方のバージョンを使用することができます。インターネットプロトコルについて言及するときに混乱を避けるため、以下の規則を適用します。
用語 IP を使用している説明は、IPv4 と IPv6 の両方に適用されます。
用語 IPv4 を使用している説明は、IPv4 のみに適用されます。
用語 IPv6 を使用している説明は、IPv6 のみに適用されます。