デュアルスタックとは、アプリケーションからネットワーク層に到るプロトコルスタックのすべてのレベルの完全な複製をいいます。デュアルスタックの例として、同じマシンで実行する OSI プロトコルと TCP/IP プロトコルがあります。ただし、IPv6 移行の観点からは、プロトコルスタックに IPv4 と IPv6 の両方を組み込み、残りスタックが同一である状況を表します。この場合、同じ伝送プロトコル (TCP、UDP など) と同じアプリケーションが IPv4 と IPv6 の両方で実行します。
図 15-1 は、OSI 層全体にわたるデュアルスタックプロトコルを表します。
デュアルスタック方式では、ホストとルーター両方のサブセットをアップグレードして、IPv4 に加えて IPv6 をサポートします。この方法では、アップグレードされたあとのノードからも IPv4 で常に IPv4 専用ノードと相互運用できます。そのため、IPv4 からデュアルスタックにアップグレードしても失われるものはありません。