Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

IPv4 互換アドレスフォーマットの使用

通常 32 ビット IPv4 アドレスは、128 ビット IPv6 アドレスで表現できます。移行機能では、次の 2 つの形式を定義しています。

IPv6 ノードは互換フォーマットで表現します。このフォーマットでは、実際の IPv6 アドレスがなくても IPv6 ノードを使用できます。また、IPv4 専用ルーターで自動トンネルを使用できるため、このアドレスフォーマットではさまざまな IPv6 設定の試用が可能です。ただし、IPv6 ステートレスアドレス自動設定機構では、このアドレスは設定できません。IPv6 ステートレスアドレス自動設定機構には、DHCPv4 など既存の IPv4 機構や静的構成ファイルが必要なためです。

マップアドレスフォーマットでは、IPv4 ノードを表現します。現在ソケット API の一部でだけ、このアドレスフォーマットの使用方法が定義されています。IPv4 アドレスを 128 ビットマップアドレスで表現して IPv6 アドレスと IPv4 アドレスの両方に共通のアドレスフォーマットを使用すると、アプリケーションで便利です。ただ、IPv4 プロトコルトランスレータと IPv6 プロトコルトランスレータがないとこれらのアドレスは使用できません。