Solaris 移行ガイド (追補)

第 18 章 システムとデバイスの構成

この章では、カーネルおよびシステム開発者に影響する Solaris オペレーティング環境の変更についての、『Solaris 移行ガイド』の情報を更新します。

この章の内容は以下の通りです。

Solaris 8 オペレーティング環境の改良点

devfsadm コマンドによって、特殊デバイスファイルを管理するメカニズムが改良できます。詳細については、「開発者に関係するデバイスの命名規則」を参照してください。

システム構成

システム構成に関する SunOS リリース 5 の変更点には、動的にロード可能なカーネルとカーネルの配置、configboot のコマンド、/etc/system ファイルなどがあります。

動的にロードされるカーネル

動的にロードされるカーネルと、modload(1M) および modunload(1M) コマンドに対する変更点については、『Solaris 移行ガイド』を参照してください。

modload(1M) および modunload(1M) コマンドの使用に関する最新情報は、『Writing Device Drivers』の「Loading and Unloading Drivers」を参照してください。

カーネルの配置

最新情報については、『Writing Device Drivers』の「SunOS Kernel and Device Tree」を参照してください。

再構成ブート

SunOS リリース 5 の再構成ブートの情報については 『Solaris 移行ガイド』を参照してください。


注 -

Solaris 移行ガイド』で記述されている再構成ブートの boot -r コマンドは、現在、システムから物理的に削除されたデバイスのファイルシステムエントリを削除しません。詳細については、boot(1M) を参照してください。


開発者に関係するデバイスの命名規則

この節は、『Solaris 移行ガイド』の「開発者に関係するデバイスの命名規則」を更新します。この節では、動的再構成イベントのサポートも含めて、/dev/devices のディレクトリにある特殊デバイスファイルを管理するメカニズムを改良できる、SunOS 5.8 の devfsadm コマンドに焦点を当てます。

初期の SunOS 5 リリースでは、デバイス構成は drvconfig と 5 つのリンクジェネレータ (devlinks、disks、tapes、ports、audlinks) が処理していました。drvconfig は、/devices ディレクトリにある物理デバイスエントリを管理しました。リンクジェネレータは /dev ディレクトリにある論理デバイスエントリを管理しました。互換性のために、drvconfig と 5 つのリンクジェネレータは、devfsadm ユーティリティへのシンボリックリンクとなっています。

再構成ブート処理と、動的再構成イベントに応じた /dev および /device のディレクトリの更新は両方とも、devfsadm コマンドのデーモンバージョンである devfsadmd が処理します。このデーモンは、システムが起動されると /etc/rc* スクリプトから開始されます。

devfsadm のデーモンである devfsadmd は、すべての再構成イベントが生成するデバイス構成の変更を自動的に検出するので、このコマンドを対話式で実行する必要はありません。

詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』の「ディスクの管理 (概要)」を参照してください。