この『国際化対応言語環境の利用ガイド』では、SolarisTM 8 オペレーティング環境で新しく付加された国際化機能について説明しています。このガイドには、このリリースを使用してさまざまな言語や文化的な慣行をサポートする広域ソフトウェア製品を作成する方法についての、重要な情報が含まれています。
具体的には次の項目について説明します。
このリリースを使用して国際市場に対応したアプリケーションを開発する際のガイドラインおよびヒント。
Solaris オペレーティング環境のさまざまな層に適用される国際化の全体像。
より詳細な資料の紹介。
このマニュアルでは、適切な箇所で、このリリースの国際化機能についての追加情報や詳細な情報が記載された他のマニュアルを紹介しています。
このマニュアルは、Solaris 8 オペレーティング環境用の国際化製品およびアプリケーションを設計するソフトウェア開発者および管理者を対象としています。 このリリースに関連する 米国 Sun Microsystems, Inc. (以降、Sun とします) 固有の情報が記載されています。
このマニュアルは、読者が C プログラミング言語に関する知識を持っていることを前提としています。
オペレーティングシステムの情報はすべて Solaris 8 SunOSTM 5.8 動作環境に関する情報です。
このマニュアルは次のように構成されています。
第 1 章「Solaris 国際化の概要」では、新しく追加された機能について説明します。また、Solaris の英語版リリース、および多国語対応のリリースにより地域に対応した製品の概要について説明します。
第 2 章「Solaris 8 環境での国際化のフレームワーク」では、Solaris 8 製品に組み込まれている国際化のフレームワークの詳細について説明します。
第 3 章「Solaris 8 製品の内容」では、Solaris 8 地域対応製品の内容について説明しています。
第 4 章「en_US.UTF-8 ロケールのサポートの概要」では、en_US.UTF-8 ロケールと、このリリースに組み込まれた国際化機能を扱っています。
第 5 章「X/DPS」では、X Display PostScript システムによる X Window System の拡張について説明します。
第 6 章「デスクトップ環境」では、Solaris のデスクトップ環境である Solaris 共通デスクトップ環境 (以降、CDE とする) および OpenWindowsTM について説明します。Solaris CDE に関する節では、ロケールの管理、言語に対応したリソース、フォントの管理など、アプリケーションの国際化手順の概要を示します。
第 7 章「CTL: Complex Text Layout」では、CTL の拡張機能について説明します。アラビア語、ヘブライ語、タイ語など論理テキスト表現と物理テキスト表現の間の複雑な変換が必要な言語を Motif の API で使用 できます。
第 8 章「印刷」では、ヨーロッパとアジアの印刷に関する固有情報と共に、Solaris 8 オペレーティング環境での印刷のサポートについて説明しています。
付録 A 「iconv コード変換」 の内容は、UTF-8 と UTF-EBCDIC の間で使用可能な iconv の規定の表です。
付録 B 「OS CD の部分ロケールパッケージ名」 の内容は、OS CD にある部分ロケールパッケージ名の表です。
付録 C 「LANGUAGES CD パッケージリスト」 の内容は、LANGUAGES CD にある言語パッケージを示した表です。簡体字中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、スペイン語、スウェーデン語、繁体字中国語、そして共通の表があります。
Java Development Kit については、http://java.sun.com/docs/books/tutorial/i18n/index.html を参照してください。
『Creating Worldwide Software: Solaris International Developer's Guide』(第 2 版、Bill Tuthill、David A. Smallberg 共著、Mountain View, Calilfornia, Sun Microsystems Press、1997 年)。books@sun.com および www.sun.com/books/ で入手できます。このマニュアルは、Solaris オペレーティング環境の下で国際化を行う際の手順の概要を説明しています。
『共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド (国際化対応編)』(Mountain View, Calilfornia, SunSoft Press、1996 年)。Solaris CDE マニュアルセットは、米国 SunExpress, Inc. (以降、SunExpress とします) を通して 1 冊から購入できます。このマニュアルは、Solaris 8 DOCUMENTATION ASIAN CD に含まれる AnswerBookTM の Solaris 8 Common Desktop Environment Developer Collection - Japanese にも収められています。
『OSF/Motif プログラマーズ・ガイド リリース 1.2』(Englewood Cliff, New Jersey、Prentice-Hall、1993 年)。このマニュアルでは、OSF/Motif アプリケーションプログラミングインタフェースを使用して、Motif アプリケーションを作成する方法を説明します。Motif ウィジェットセットアーキテクチャの概要および Motif ツールキットについて説明し、Motif アプリケーションのモデルと例を示します。
『OSF/Motif プログラマーズ・リファレンス リリース 1.2』(Englewood Cliff, New Jersey、Prentice-Hall、1992 年)。このマニュアルは、OSF/Motif のコマンド、関数、ツールキット、ウィンドウマネージャ、ユーザーインタフェース言語のコマンドと関数のリファレンスページをまとめたものです。
『PostScript リファレンス・マニュアル 第 2 版』(Adobe Systems Inc.、Addison-Wesley、1990 年)。デバイスに依存しない印刷言語としての PostScript の基礎について説明した、PostScript の標準的なリファレンスマニュアルです。
『PostScript Language Reference Manual Supplement』(Adobe Systems Inc.、1994 年)。
『Programming the Display PostScript System with X』(Reading, Mass.、Adobe Systems Inc.、Addison-Wesley、1993 年)。X Window System および Display PostScript を使用して画面表示やプリンタ出力の情報を生成するアプリケーション開発者向けのマニュアルです。
『OLIT リファレンスマニュアル』(Sun Microsystems、1994 年)。
『XView Developer's Notes』(O'Reilly & Associates、1992 年)。
専門書を扱うインターネットの書店 Fatbrain.com から、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、http://www1.fatbrain.com/documentation/sun の Sun Documentation Center をご覧ください。
http://docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索をおこなうこともできます。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が、適宜併記されています。
このマニュアルでは、「IA」という用語は、Intel 32 ビットのプロセッサアーキテクチャを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro、Pentium II、Pentium II Xeon、Celeron、Pentium III、Pentium III Xeon の各プロセッサ、および AMD、Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。