共通デスクトップ環境 プログラマ概要

付録 A 共通デスクトップ環境 Motif

共通デスクトップ環境 Motif ツールキットは、Motif 1.2.3 ウィジェット・ライブラリの既存の機能を拡張してバグを修正し、いくつかの新機能を追加したものです。Motif 1.2.3 は Motif 1.2 のパッチです。Motif 1.2 と Motif 1.2.3 の API のルック&フィールは同じです。

また、共通デスクトップ環境 Motif ツールキットは、Motif 1.2.3 にはないグラフィカル・ユーザ・インタフェース・オブジェクトのコントロール・ウィジェットを提供します。これらのウィジェットの詳細は、「共通デスクトップ環境 Motif コントロール・ウィジェット」と『Solaris 共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド』を参照してください。

共通デスクトップ環境 Motif は Motif 1.2.3 リリースに機能を追加していますが、以前のバージョンとのバイナリ互換性は残っています。Motif 1.2 アプリケーションとのソースおよびバイナリ互換があります。既存の Motif 1.2 アプリケーションは、共通デスクトップ環境 Motif でコンパイルしてください。既存の Motif 1.2 バイナリは、共通デスクトップ環境 Motif を使用するため変更しなくても動作します。

Motif に追加された機能

共通デスクトップ環境では、次の機能が Motif 1.2.3 に追加され、デスクトップ・アプリケーションをサポートしています。

拡張された機能

共通デスクトップ環境の Xm ライブラリでは、Motif の使いやすさを拡張し、OPEN LOOK や Microsoft Windows との相互運用性を高めています。拡張機能は次のとおりです。

上記の拡張機能はいずれもウィジェット・リソース (XmFileSelectionBox 用) か、アプリケーション全体のリソース (その他全般用) によって制御されます。リソースをデフォルト値にすると Motif 1.2 と同じ動作および API が提供されます。拡張機能およびリソースの詳細は、XmDisplay(3x)XmFileSelectionBox(3x) のマニュアル・ページを参照してください。

Motif ライブラリ

共通デスクトップ環境 Motif と X11R6 ライブラリを使用して、X Window System 用の共通デスクトップ環境 Motif 準拠アプリケーションを開発してください。共通デスクトップ環境 Motif ライブラリは、Motif 1.2.3 ライブラリのバグを修正して拡張したものです。

Motif ライブラリ (libXm)

共通デスクトップ環境はすべての Motif 1.2.3 ヘッダ・ファイルを提供します。

Motif UIL ライブラリ (libUil)

Motif ユーザ・インタフェース言語 (UIL) は、Motif アプリケーションのユーザ・インタフェースの初期状態を記述するための特殊言語です。共通デスクトップ環境バージョンは基本的に、Motif バージョンと変わりません。

UIL にアクセスするには、UilDef.h ヘッダ・ファイル (uil ディレクトリにあります) を取り込んでください。

Motif リソース・マネージャ・ライブラリ (libMrm)

Motif リソース・マネージャ (MRM) は、UIL コンパイラが作成した ユーザ・インタフェース定義 (UID) ファイルに含まれる定義に基づくウィジェットの作成を担当します。MRM は UIL コンパイラの出力を解釈し、ウィジェット作成関数に適切な引数リストを生成します。libMrm を使用して Motif リソース・マネージャにアクセスしてください。共通デスクトップ環境バージョンは基本的に、Motif バージョンと変わりません。

libMrm にアクセスするには、Mrm/MrmPublic.h ヘッダ・ファイルをアプリケーションに取り込んでください。

デモ・プログラム

Motif のデモは /usr/dt/examples/motif にあります。これらのデモは、共通デスクトップ環境 Motif の拡張機能やウィジェットを取り込んでいません。

関連マニュアル

Motif の詳細は、「関連マニュアル」にリストされている Motif のマニュアルを調べてください。Motif 1.2.3 の拡張機能に関するさらに詳細な情報が必要な場合は、関連するマニュアル・ページを参照してください。